空襲
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国防総省首席研究官ジョン・ヒューストンによれば、「アーノルドにとって東京空襲自体は重要なことではなく、空爆がいかに戦争終結に役立ったかを見せつけることが重要で、理由は独立空軍の悲願を達成するためにB-29の活躍で戦争を終結させたかったからだ」と指摘している[23]原子爆弾投下を目的とした第509混成部隊は、原爆投下で行う予定の単機による高空からの一発の爆弾投下を日本人に慣れさせるため、7月20日の東京空襲を初めとして、原爆投下予定地となっていた広島京都小倉以外で自由に爆撃することを許された[24]。そして8月6日に広島市、8月9日に長崎市で原爆を投下し、世界史上初の核兵器による爆撃が実施された。

アメリカ軍によるトラック島空襲(1944年)

日本海軍急降下爆撃機九九式艦上爆撃機

大戦以降1951年頃、米軍B26爆撃機の攻撃を受ける元山港。朝鮮戦争

1950年6月に始まった朝鮮戦争において、米空軍はB-29による絨毯爆撃を実施した。

1962年から1971年にかけてベトナム戦争において米空軍はベトコンが潜む森林を失わせ、同時に食料を奪う目的でベトナム共和国の農村部に枯葉剤を散布するランチハンド作戦を実施している。

巡航ミサイルの開発により、航空機による攻撃だけではなくミサイルによる攻撃も多用される。特に開戦第一撃においては敵の防空システムが稼動している中での作戦となるため、味方の損害を極小化するために巡航ミサイル攻撃が多用される。その段階においての主要攻撃目標は後に続く航空機による損害を減少させるために、まず敵防空システムの破壊および組織的抵抗力を減少させるための指揮通信系統の破壊となる。

一部では、無人機を使用した空襲も行われるようになっている。

戦争における航空機の比重は高まる一方である。また、低強度紛争への介入においても、航空攻撃は自軍の犠牲や負担を少なくして相手にダメージを与える方法として、多用される傾向がある。戦略爆撃としての性格もあるが、旧来のような無差別爆撃は世界の世論から批判を浴びることが多くなり、また、正確に特定の地点を爆撃できるようになったことから、第二次世界大戦で実施されたような無差別爆撃は行われなくなった。

航空攻撃は、各国の安全保障上、陸戦海戦を決定的に左右し、優勢に戦局を運ぶことができるため、最も重要な作戦のひとつに位置づけられている。爆撃機を保有することは先制攻撃能力を持つこととして、日本などのような専守防衛の方針をとる国は保有していない[注釈 1]。現在の防衛政策としては、敵地攻撃は専ら日米安全保障条約に基づく米軍の役目と位置づけられているので、自衛隊のその能力は限られている。
有名な空襲コバニのISIL拠点の空爆。コバニ包囲戦(2014年10月22日)

ゲルニカ爆撃(1937年)

重慶爆撃(1938 - 1941年)

バトル・オブ・ブリテン(1940 - 41年)

タラント空襲(1940年)

真珠湾攻撃(1941年)

ドーリットル空襲(1942年)

タイダルウェーブ作戦(1943年)

チャスタイズ作戦(1943年)

ハンブルク空襲(1943年)

ドレスデン爆撃(1944年)

東京大空襲(1944 - 45年)

ラインバッカー作戦(1972年)

イラク原子炉爆撃事件(1981年)

ブラック・バック作戦(1982年)

リビア爆撃(1986年)

湾岸戦争(1991年)

アフガニスタン紛争(2001年)

シリア内戦(2011年 - )

ロシアによるウクライナ侵攻 (2022年 - )

2023年パレスチナ・イスラエル戦争 (2023年 - )

脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし、三菱F-2戦闘機が500ポンド爆弾を12個、もしくはクラスター爆弾4個を装備可能であるなど、自衛隊が爆撃能力を全く有していないわけではない。この場合の爆撃能力とは、先制攻撃目的でなく、あくまでも侵略を受けた際に敵上陸部隊を撃破することが目的である。

出典^ Jeschonnek, 1993. p.26
^ 三浦俊彦『戦争論理学 あの原爆投下を考える62問』二見書房21頁
^“Tape Shows Apache Pilots Firing on Iraqis”. ABC. ⇒http://abcnews.com/WNT/story?id=131481&page=1 2013年10月24日閲覧。 
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書2頁
^ a b 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書3頁
^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868-1925』河出書房新社、2000年、397頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-309-22361-3。 
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで59-60頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで58頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書5頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書6頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57-59頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書12頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書13頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書13-14頁
^ 荒井信一『空爆の歴史』岩波新書14頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで233頁
^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで373頁


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