サテライト方式は、ターミナル本体から離れたコンコース(サテライト)が駐機場の中にあり、飛行機はこのサテライトの全方向に駐機することができる。この方式を最初に採用したのはロンドン・ガトウィック空港であった。円形のコンコースは旅客アクセス用のトンネルを備え、コンコース外周を全て駐機スペースとした。動く歩道を用いてターミナル本体とサテライトを繋いだのはタンパ国際空港が最初であった。ターミナル本体「ランドサイド」からサテライト「エアサイド」へとピープルムーバーが伸びる方式は、今日のターミナル設計の標準の一つとなっており、近年、多くの大規模ターミナルがサテライト方式を採用している。ただしロサンゼルス国際空港のように当初はサテライト方式を用いたが、便数の増大に伴い、後にピア方式に改造された例もある。
ターミナルビルの形状が扇形(半円形)になっているものもある。タクシーやバスは扇の内側に停車し、扇の外側に飛行機が駐機する。扇の外側は円周が長いため、たくさんの搭乗口を設置することが可能である。このデザインでは、航空便を乗り継ぐ場合は扇形の端から端まで延々移動させられる場合もあるが、空港エントランスからカウンター、搭乗口までの歩行距離が短くすむ。このタイプにはシャルル・ド・ゴール国際空港ターミナル2、ダラス・フォートワース国際空港、新千歳空港などがある。
その他、珍しいタイプのターミナルデザインには、待合室自体が自走できる「モバイル・ラウンジ」というものがある。旅客はターミナルビルにドッキング中の車両に設けられた待合室に集まり、この車両がビルから切り離されて飛行機まで自走し、飛行機にドッキングするという仕組みになっている。ワシントン・ダレス国際空港、メキシコ・シティ国際空港(一部)がこの方法を用いている。このラウンジ部分は上下にも動き、走行中は低くして安定性を増し、建物や航空機につけられるときはその乗降口に応じた高さとなる。
関西国際空港の第1ターミナルではウイングがターミナル本体から1km近く伸びているため、ターミナル内にウイングシャトルと呼ばれる新交通システムが走り、旅客が歩く距離を抑えている。詳細は「自動案内軌条式旅客輸送システム#空港内移動路線」を参照
ターミナルと他の交通機関との接続ターミナル入り口 深?宝安国際空港
中小規模の空港では、2車線か3車線の一方通行のループ状道路がターミナルの前を通過するように設けられており、バスや自動車から旅客が乗降する。
大規模な国際空港になると、ループ状道路は二つに分かれ、一方は出発ゲートへ、もう一方は到着ゲートへつながるようになっている。こうした道路はそのまま高速道路へとつながることが多い。また空港と都市を結ぶ鉄道や新交通システム、地下鉄の駅がターミナルビルに設けられていることもある。
空港の周囲には利用者のための駐車場があるほか、空港内にタクシー業者やレンタカー業者のカウンターが設けられ、旅行者が移動用の車を取り寄せることができるようになっている。アメリカの大空港などではターミナルとレンタカー営業所を結ぶシャトルバスが運行されていることが多い。
ターミナルビル内の施設チェックイン・カウンター スワンナプーム国際空港ターミナルビル内のプール シンガポール・チャンギ国際空港ルフトハンザ航空のラウンジ フランクフルト国際空港到着ホールと手荷物カルーセル ドバイ国際空港
空港ターミナルビルは、飛行機の出発待ちや乗り継ぎのために長い時間を過ごす場所である。このため、旅行者を退屈させないよう、また空港内でたくさん消費してくれるよう、ショップ(小売店・売店)やレストランやバー、ラウンジが設けられ、豪華なハブ空港にはプール、ジム、床屋、エステティックサロン、公園、子供の遊び場、博物館(航空関係や空港のある都市に関するものが多い)、映画館、カジノなどを備えるところもある。変わったところでは地元ラジオ局のサテライトスタジオが設けられ、公開放送がされている(成田国際空港)。 いわゆる一般区域。法令上国内部分。
セキュリティおよび出入国管理の外側
鉄道(地下鉄・モノレール・新交通)駅
バスターミナル、 タクシープール
バス、タクシー、レンタカー、ホテルの案内所
各航空会社の航空券売り場、チェックイン・カウンター(受託手荷物の検査・預け入れ所含む)
土産物店、コンビニエンスストア、書店、レストランなど