通常は最後に行われる稽古。受け側が土俵中央付近で構え相手はそこに向かって当たって突進する。受け側は俵に足が掛かるところで押し返し相手が押し切れないと突き落としなどで転がすのが一般的だが、稀に受け側が突進することもあるという。土俵際での詰めを磨く稽古であり、受け側があまり簡単に土俵を割ったり押す側がいつまでも押し切れずに転がされてばかりだと充分な稽古になりにくい。
多くの場合、上位力士が受け側に立つが、横綱大関の場合、特定の力士がぶつかりの相手をつとめることが多い(北の富士勝昭に対する高見山大五郎、北の湖敏満に対する金城興福など)。また相撲部屋によっては親方がまわしを締めて受け側を務めることもある(初代若ノ花に対する花籠親方、元大ノ海など)。 通常、稽古場に土俵は1面しかなく、しかも土俵には同時に2人しか上がれないので、それ以外の土俵に上がっていない力士は土俵を囲み、稽古を見ていることになる。他人の稽古を見てその良し悪しを自分で分析することも稽古になると言う意味でこの言葉が存在する。申し合いで負けて土俵の外に出た力士や、なかなか順番が廻らない力士はこれをいかに効率よく行うかが重要になる。 土俵には2人しか上がれないという点の対策として、元横綱照國の6代伊勢ヶ濱は伊勢ヶ濱部屋に土俵を2面作り話題になったが、「見るのも稽古のうち」という見解も強く、主流にはならなかった。しかし、2022年夏頃を目途に完成する元横綱稀勢の里の二所ノ関部屋では土俵が2面設置される予定になっている。 稽古土俵が不足しているなどのことから稽古場以外で行う稽古。山という名だが場所にこれといった決まりはない。昔は巡業などでもよく見られたが最近は環境の変化などにより減っているという。 力士が他の相撲部屋を訪問して合同で行う稽古[8]。力士の人数が少ない部屋や、幕下以下の力士ばかりで関取がいない部屋では、充実した稽古が望めない場合が多いため、そのような部屋に所属している力士たちは、他の部屋を訪問して合同で行う出稽古が極めて重要になる。出稽古に行く部屋は同じ一門の部屋が基本だが、別の一門の部屋へ出稽古に行くことが禁止されているわけではない。 大正時代まで一般的であった「手四つ」の体勢になり、互いに相手の出方をうかがう稽古[9]。 演劇は歌舞伎などの芸能から派生した由縁からか、師弟関係とは言えない現代演劇でも、そのまま「稽古」と言われる。 稽古の最初の段階。俳優が台本を持ち台詞を声にして読んでいく、動作を伴わない台詞だけの稽古。ここで演出家の意見などを聞き、役作りを深めていく。かつては「本読み」と呼ばれることも多かったが、厳密には本読みは脚本家や演出家が俳優を前にセリフをすべて音読して意図を伝える行為である。 読み合わせと立ち稽古の中間的段階の稽古。俳優に完全に台詞が入っていない段階で、台本を手にして大体の動きを追いながら、読み合わせを行なう稽古。再演 演技などの動作を加えていく稽古のこと。本物もしくは代用品を使って大道具・小道具などを模して感覚をつかんでいく。 演劇などの稽古の途中で具合の悪いところを、その小部分だけ繰り返して稽古すること。単に「返し」と言う事もある。 演出家の要望によって、重点的に稽古をする必要のある部分を抜き出して行う稽古のこと。また、出演者の不在などの都合によって、出来る部分のみを行う稽古。 稽古場で行う最後の段階で、舞台稽古の前の段階。音楽なども入れて総合的に行われる。実際的には、音楽などは順次入れて稽古をしているが、全セクション挙げて稽古場で気持ちを切り替えて臨むので、区別して言われる時がある。 実際に舞台で行う稽古。様々な制約から稽古場ではできなかった事も含めて行う。ゲネプロやドレス・リハーサルの事を指す時もあるが、単に舞台を使って行う稽古をさすだけの事が多い。スケジュールに余裕が無いと、場当たりに終始してしまいがち。 舞台転換の為の稽古。暗転の時間が思惑より長い時などに、稽古することによって錬度を上げムダを無くし時間内に収まるようにしたり、転換時に起こり得る問題を未然に防ぐ為の稽古だったりする。 通称:場当たり。舞台に本番と同じように大道具などを飾り、立ち位置や出入りの段取り合わせをすること。ダブルキャスト(もしくはそれ以上)で公演を行っている時などには、交替のときに要所要所でのキッカケを合わせる為に行われる。キッカケを合わせる為のものを特に「キッカケ合わせ」ともいう。 衣裳も完全に本番と同じにして行うリハーサルのこと。オペラやクラシックなどではゲネプロと同義として使われる。演劇ではあまり使わない。特に、稽古場から衣裳までつけて稽古をしているカンパニーにおいては、これを区分する意味合いは薄い。 幕内 会場(現行)
見取稽古
山稽古
出稽古
手車
演劇における稽古
概要
読み合わせ
半立ち稽古
立ち稽古
小返し
抜き稽古
総稽古
舞台稽古
転換稽古
場当たり稽古
ドレス・リハーサル
乱取り稽古詳細は「乱取り」を参照
ゲネプロ詳細は「ゲネプロ」を参照
注^ 孔子 (中国語), 尚書/堯典, ウィキソースより閲覧。
^ 南谷直利、北野与一 「稽古」及び「練習」の語誌的研究 北陸大学 紀要, 2002
^ a b c 西平直『稽古の思想』 春秋社 2019年 ISBN 978-4-393-31303-9 pp.18-24,49-52,
^ 小笠原敬承斎 『武家の躾 子供の礼儀作法』 光文社新書 2016年 pp.187 - 188.
^ 鍋に熱燗2本注いだ北の湖さん ぼそりと「下積みが…」
^ 『大相撲中継』2017年11月18日号 p8
^ 田中亮『全部わかる大相撲』(2019年11月20日発行、成美堂出版)p.106
^ コトバンク-出稽古
^ 『大相撲ジャーナル』2017年6月号70頁
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全6場所制覇
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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