稲生物怪録
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現在、三次教育委員会に寄託された『三次実録物語』は原本の写しと考えられている[1]

2019年4月、三次市にオープンした「湯本豪一記念 日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)」は稲生物怪録に関する資料を収集しているほか、稲生物怪録に関する常設展示がある[5]
書名の読み方について

出版物や報道では「物怪」の読みを「もののけ」としている[6][7][8]が、「ぶっかい」とする意見もある。

国文学者の田中貴子は、著書『鏡花と怪異』において、「ちなみに、ほとんどの人は『いのうもののけろく』と読んでいるが、『国書総目録』では『いのうぶっかいろく』として見出しがあげられている。『物怪』が『もののけ』と読めないことはすでに森正人の指摘があるので、『ぶっかいろく』と音読みすべき」

と指摘した[9]。また自身のブログでも、「『稲生物怪録』について講演しにいったところ、地元の青年会の人が「いのうもののけろく」と言っていました。これが間違いだということをなぜか誰も言いません。間違いです。『国書総目録』ひいてみてください。「いのうぶっかいろく」で出ていますよ。その他にも例はあります。ちゃんと勉強してください」

と批判した[10]

だが、森の指摘は中世までのものであって近世には当てはまらず、『国書総目録』の読みが絶対に正しいとは言えない[11]。また「物怪」を「もののけ」と読んだ例は『書言字考節用集』(享保2年(1717年)刊行)等の同時代資料に見られ、「物怪」を「もののけ」と読むのは、少なくとも近世においては誤りではない。
稲生神社稲生神社と稲荷町電停

広島市南区稲荷町の稲生神社は、豊受大神大國主命と併せて稲生武太夫を御祭神として祭っている。町名と違う理由は諸説あり定かでない。17世紀初頭に創建されたが原爆で全て焼け、再建された。後にビルの建設で、当初の位置より少し東寄りに再々建されている。昨今の妖怪ブームで前述の荒俣宏京極夏彦水木しげるも調査に訪れている。
関連記事

2020年5月、国際日本文化研究センターが東京の古書店で所在不明の絵巻を発見し購入。旧広島高等師範学校の教員、及川大渓が所蔵し「芸備の伝承」(1973年) で紹介されていた絵巻と同一のものであり、「柏本」を基にしたとみられ、1849年(嘉永2)の作であると特定された[12]。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学
脚注[脚注の使い方]^ a b c d 杉本好伸・稲生小菊「稲生小菊さんインタビュー 現実の「稲生家」の物語と、〈稲生物怪禄〉」『西鶴と浮世草子研究』第2巻、笠間書院、2007年11月、10-26頁。 
^ “ID: 1808351 三次実録物語 ( みよしじつろくものがたり )”. 日本古典籍総合目録データベース. 2021年1月1日閲覧。
^ a b 『改訂版・妖怪いま甦る : 「稲生武太夫妖怪絵巻」の研究』三次市教育委員会 (2013年)
^ “《稲生物怪録》- 三次の妖怪物語 - 。三次もののけミュージアム”. miyoshi-mononoke.jp. 2020年2月11日閲覧。
^稲生物怪録 - 三次もののけミュージアム
^ 怪異な「もののけミュージアム」 三次で注目、日本初の妖怪博物館 - 山陽新聞
^ 妖怪博物館がオープン=広島県三次市〔地域〕 - 時事通信
^ 妖怪博物館、大丈夫? 12億円かけ収益は年290万円 - 朝日新聞
^ 森「モノノケ・モノノサトシ・物恠・恠異―憑霊と怪異現象とにかかわる語誌」『国語国文学研究』1991年
^ 田中貴子 (2007年1月14日). “ ⇒谷崎潤一郎旧邸「鎖瀾閣」の危機を憂う”. ⇒夏への扉. 2009年6月2日閲覧。
^ “ ⇒日本絵本書誌の記述法”. terpconnect.umd.edu. 2020年2月11日閲覧。
^ “稲生物怪録の絵巻、見つかった 三次の妖怪博物館で「里帰り」公開 。中国新聞デジタル”. archive.is (2020年12月21日). 2020年12月21日閲覧。

刊行文献

谷川健一編『稲生物怪録絵巻 江戸妖怪図録』小学館、1994年


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