学問的意味でのエソテリシズム、すなわち「秘教」という言葉が指し示す種々の諸潮流を一元化するものは何であるかということに関しては争いがあり、様々な見解があるが、中でも最も影響力のある見解はけだしアントワーヌ・フェーヴル
(英語版)が提案したものであろう。彼の定義は、これらの諸潮流の中に次の4つの本質的な特徴が存することに基づいている[4]。これに2つのこれほど決定的でない特徴が加えられる。
和協(コンコルダンス)の実践 - 異なった伝統の間に一致する共通要素があることを示し、より良い知識を獲得しようとする動き。
伝授の重要性の強調 - 秘教はしばしばイニシエーションの要素を付け加え、伝授された知識こそ有効で、それには導き手が必要であると考える。
しかしながらフェーヴルの定義も、言葉の最適な用法についていくつかある多様な見解のひとつである、ということは強調しておかねばならない。
脚注^ アントワーヌ・フェーブル「オカルティズムとは何か」『エリアーデ・オカルト事典』 13-14頁
^ 竹下節子 『無神論 - 二千年の混沌と相克を超えて』 中央公論新社、2010年、124頁。
^ ミルチャ・エリアーデ主編 『エリアーデ・オカルト事典』 pp. 75?76 (アントワーヌ・フェーヴル「エソテリシズム」)
^ 『エゾテリスム思想』、17-25頁。
参考文献
アントワーヌ・フェーヴル(田中義廣訳)『エゾテリスム思想』白水社、文庫クセジュ、1995年。(Antoine Faivre, L'esoterisme , Paris, PUF, "Que Sais-je ?", 1992)
関連文献
岡部雄三 『ヤコブ・ベーメと神智学の展開』 岩波書店、2010年。
田中千惠子 『『フランケンシュタイン』とヘルメス思想 - 自然魔術・崇高・ゴシック』 水声社、2015年。
フリッチョフ・シュオン 『形而上学とエゾテリスム』 漆原健訳、春秋社、2015年。
大田俊寛 『現代オカルトの根源 - 霊性進化論の光と闇』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2013年 ISBN 978-4-480-06725-8
関連項目
秘教思想家
マルティネス・ド・パスカリ(フランス語版)
ルイ=クロード・ド・サン=マルタン(フランス語版)
ルネ・ゲノン
フリッチョフ・シュオン(フランス語版)
ユリウス・エーヴォラ
秘教史家
アントワーヌ・フェーヴル(フランス語版)
ニコラス・グドリック=クラーク(英語版)
ヴァウター・ハーネフラーフ(オランダ語版)
外部リンク
ロシアの神秘思想家ウスペンスキーによる秘教の探求
典拠管理データベース
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