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和歌

小倉百人一首より

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ(第1番:天智天皇
(解釈) 秋、田に実った稲の穂を刈る季節――田の側の掘っ建て小屋は屋根の苫の目が荒いから、私の袖は落ちてくる露でぬれ続けていることだよ。

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき(第5番:猿丸大夫
(解釈) 山の奥深くで、積もったもみじを踏み分けて妻を恋い慕って憐れに鳴いている鹿の声を聞くときには、何にもまして秋が悲しく感じられる。

み吉野の 山の秋風 さ夜更けて ふるさと寒く 衣打つなり(第94番:参議雅経
(解釈) 吉野の山から冷たい秋風が吹き降ろし、夜も更けて、かつて都であったこの吉野の里は更に寒くなり、砧で衣を打つ音が寒々と聞こえてくることだよ。
三夕

三夕(さんせき)とは、下の句が「秋の夕暮れ」で終わる有名な三首の和歌のこと。

寂しさは その色としも なかりけり 槙立つ山の 秋の夕暮れ (
寂蓮法師

心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師

見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ (藤原定家

季語

秋の季語については秋の季語を参照のこと。

秋を含む季語には次のような物がある。


麦秋

秋近し

秋を待つ

夜の秋



仲秋

行秋

秋めく

実りの秋

実りの秋から転じて、季節に関わらず収穫時期を秋と呼ぶことがある。

麦秋(ばくしゅう):麦の穂が色づく初夏を指す。

南国高知では盛夏8月に早場米の取り入れをするが、炎天下の稲刈り作業も『アキ』と呼ばれる。

比喩表現

日本プロ野球等の春秋制のスポーツでは、優勝プレーオフ進出の可能性が消滅または絶望的となったチームや、そのシーズン限りでの解雇が濃厚な選手のことを「秋風」などと表現することがある[8]
秋を題材にした作品
文学

芥川龍之介:『

大岡信:詩集「秋をたたむ紐」

ボリス・パステルナーク:詩「秋」(『ドクトル・ジバゴ』の「ジバゴの詩集」)

アレクサンドル・プーシュキン:詩「秋」(詩劇『エヴゲーニー・オネーギン』第7章29、未完詩「秋」)

音楽
クラシック

ヴィヴァルディ:協奏曲集『四季』 - 「秋」

ピアソラ:『ブエノスアイレスの四季』 - 「ブエノスアイレスの秋」

武満徹:「ア・ストリング・アラウンド・オータム」(大岡信「秋をたたむ紐」が題材)「ノヴェンバー・ステップス」「秋」「秋庭歌一具

細井博之 : 「ヴァイオリンとピアノのためのロンド『秋』」

童謡・唱歌

ちいさい秋みつけた』(作詞:サトウハチロー 作曲:中田喜直

もみじ』(作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一

まっかな秋』(作詞:薩摩忠 作曲:小林秀雄

夕焼け小焼け』(作詞:中村雨紅 作曲:草川信

赤とんぼ』(作詞:三木露風 作曲:山田耕筰

里の秋』(作詞:斎藤信夫 作曲:海沼實)

虫のこえ』(作詞・作曲:不詳)

どんぐりころころ』(作詞:青木存義 作曲:梁田貞

『秋の子』(作詞:サトウハチロー 作曲:末広恭雄

『村祭り』(作詞:葛原しげる 作曲:南能衛) 

『秋の月』(作詞・作曲:瀧廉太郎[9] 『月』とも言う。組歌「四季」の一曲。[10]

ポピュラー系詳細は「Category:秋を題材とした楽曲」を参照
絵画

雪舟:『秋冬山水図』(秋景)

酒井抱一:『夏秋草図屏風』

黒田清輝:『秋景色』

ゲーム

東方風神録 ? Mountain of Faith.
脚注[脚注の使い方]^ “温暖化で日本の四季に変化 「梅雨」が季節になる可能性も”. NEWSポストセブン (2020年12月7日). 2021年1月4日閲覧。


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