福岡市
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市内総生産は特別区部である東京23区を除けば、大阪市横浜市名古屋市に次いで国内4位であり、福岡市は三大都市圏に次ぐ高い経済力を持った都市である[5]。東京や大阪に本社を置く大企業が九州地方を統括する支店・支社が多数立地しており、支店経済都市としての性格もある。札幌市仙台市広島市とともに、日本三大都市に次ぐ規模を誇る都市として、通称「札仙広福」と呼ばれる地方中枢都市を担う一角である。

また、北九州市とともにグローバル創業・雇用創出特区として国家戦略特別区域に指定されている。香港の政情不安により他国に移転する可能性が生じた金融機能の受け入れを念頭に、2020年7月に政府が策定した経済財政運営の基本方針「骨太の方針」にて、世界・アジアの国際金融ハブ機能を担う都市として、東京・大阪・福岡が候補に挙げられたのを受け、9月に産学官が一体となった国際金融機能誘致「TEAM FUKUOKA」を設立。2023年12月時点でTEAM FUKUOKAが国内外から誘致に成功した企業数は23社にのぼり、今後天神ビッグバン博多コネクティッドといった都心部の大規模再開発による新築オフィスが続々と完成を迎えるに連れ、その数は更に増えると見込まれている。地理的にアジアに近く、スタートアップ支援も充実している強みをアピールし、企業と人材を呼び込んで都市の成長につなげようとしており、政府が創設する「金融・資産運用特区」への指定を目指している。福岡市で開催される国際会議数は東京に次いで国内2位であり、国際会議観光都市にも指定されている[5]。市内郊外に位置する九州大学を筆頭に、14の大学や9の短期大学が立地する全国有数の「学生の街」であり、人口に占める学生の割合は政令指定都市の中では京都市に次ぐ第2位である[6]

1899年博多港開港や1911年九州帝国大学(現在の九州大学の前身)設置に端を発して発展が進み、九州地方の中枢として位置づけられるようになった。1972年に政令市指定、1975年山陽新幹線博多駅延伸および人口100万人突破。2010年以降、福岡市は人口増加数、増加率とも政令市の中で最も高く[7]、現在もなお年間1万人を超えるペースで増加傾向にある。2011年には京都市を、2015年には神戸市を抜き、全国でも5番目に人口が多い市となった[8]2020年5月には人口が160万人を突破した[9]

玄界灘の壱岐対馬をはさんで大韓民国(韓国)があり、同国南部の主要都市である釜山までは福岡市から直線距離で200km程度[注釈 2] 、同国首都のソウルまでは約540kmである。また、中国上海市までは同様に850km程度といずれも東京より近い。これらの事例のように、近隣諸国の主要都市がおおむね1,000km圏内に存在しているため、博多港福岡空港から韓国や中国、台湾などのほか東南アジアの主要都市への国際航路が多く設定されており、これらの地域からの観光客が増加傾向にある。日本の森記念財団が2023年に発表した「世界の都市総合力ランキング」では世界42位、国内では東京・大阪に次ぐ3位に評価された[10]。福岡が評価対象になった理由に「居住」「環境」の分野で世界のTOP30に入ったことが挙げられている[11]。また、その国内版とも言える「都市特性評価」では京都市に次いで国内2位に評価された[12]。福岡市は国内でも非常に郷土愛の強い街ともされ[13]三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った意識調査では、全国の主要都市の中で福岡市民の愛着度・誇り度はともに全国首位であった[14]
都市構造

福岡市の都心は、天神博多の両極がある(それぞれ江戸時代の福岡と博多に相当する)。天神地区は福岡市役所西鉄福岡(天神)駅福岡市地下鉄天神駅のほか、多数の百貨店ファッションビルが集積する九州最大の繁華街である。博多には九州最大のターミナル駅である博多駅があり、多数の新幹線や特急列車が九州各都市を結んでいる。また福岡空港も地下鉄で数分と至近距離であるため、博多駅周辺は大企業の支社が集積するビジネス街となっている。天神と博多を隔てる那珂川中州に形成された歓楽街は、中洲(なかす)として全国的に有名である[15]。中洲は西日本一の歓楽街とされ[15]東京新宿歌舞伎町札幌すすきのと並んで、日本三大歓楽街の一つとされる[16]。天神・博多・中洲・長浜などで夜間に常設される屋台の数は日本一[17] で、屋台目当ての観光客も多い。1995年には大型複合商業施設キャナルシティ博多が中洲の東側に開業、2011年には九州新幹線博多延伸に伴い博多駅に複合商業施設JR博多シティアミュプラザ博多博多阪急)、2016年にはKITTE博多博多マルイ)が開業した。もともとビジネス街だった博多駅周辺の商業施設の集積が進んでおり、天神地区との商業地競争が激化している(「天神流通戦争」も参照)。福岡都心の地価は年々上昇傾向にあり、天神木村屋ビルで1uあたり620万円、博多駅東(博多駅筑紫口)が1uあたり388万円と東京の一等地と比べても見劣りしない価格であり、東京都中央区東銀座の平均地価を上回っている[5]。福岡空港が中心市街地と近接している関係で市内中心部には航空法上の高さ制限が設定されており、天神や博多駅周辺には超高層ビルがほとんど存在しない状況であったが、天神大名地区の高さ制限を緩和して民間のビルの建て替えを行う再開発計画「天神ビッグバン」が進行中である。

福岡市の主な副都心としては、西新香椎が挙げられる。両者の周辺には高校大学専門学校が多数存在するほか、ウォーターフロント開発地区として、西新の北にはシーサイドももちが、香椎の西にはアイランドシティみなと香椎香椎照葉)が隣接している。特にシーサイドももちには、福岡PayPayドーム福岡市総合図書館福岡市博物館報道各社といった文化・エンターテインメント施設が集積している。天神や博多などの福岡都心は福岡空港に近く長らく超高層ビルが建てられなかったため、福岡市内の高さ100m以上の建造物の殆どが(比較的高さ規制の緩い)この両副都心の近辺にある。この両副都心ほど大規模ではないが他に福岡市の副都心として挙げられる地域は、大橋姪浜がある。
地理
位置福岡市の衛星写真
2020年5月撮影

九州の北部。日本海博多湾今津湾玄界灘)に面した半月型の福岡平野の大半の部分を市域とする。


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