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古くは卑弥呼なども祭礼を司る巫女や祈祷師であり、祈祷や占いによって執政したといわれ、平安時代には神職が道教陰陽五行思想を取り込み陰陽道陰陽師という思想と役職を得て官僚として大きな勢力を持ち執政した。またこうした政と祭りに一致は中央政府に限らず、地方や集落でも、その年の吉凶を占う祭りや、普請としての祭りが行われ、「自治としての政」に対し資金調達や、吉凶の結果による社会基盤の実施の時期の決定や執政の指針とした。

なお、日本の祭について英語で紹介する場合、「フェスティバル」・「リチュアル」・「セレモニー」がそれぞれ内容に応じて訳語として用いられる。
祭祀と祭礼

祭祀と祭礼に厳密な区分はなく、便宜的な区分である。
建築祭礼

1981年(昭和56年)に番匠保存会が設立され、現在も京都、奈良において番匠(位の高い大工)による秘儀、建築祭礼の秘伝の伝承、継承は続いており、現在でも春日大社興福寺などの造営では、番匠棟上槌打という建築祭礼、建築儀式が行われている。朝廷や幾内を中心とする社寺に属した技術者が陰陽道の知識を深く保持し、特に法隆寺や四天王寺などに属した大工は、流派を形成し、その技術と知識は秘伝として口伝にて継承していたと建築史学者内藤昌が文献に記載している。陰陽道として、神道仏道道教と深く関わっており、建築儀礼、及び祭祀において、建物やその住まい手の繁栄を祈願する儀式、祭祀がおこなわれてきた。
祭祀それぞれの地域・宗教における祭祀の詳細は、各項目を参照

祭祀・祭典はあらゆる地域・文化・宗教において行われている。ここでは一般的な事項や特徴的な具体例について記述する。
神道詳細は「祭祀 (神道)」を参照神道の新嘗祭

祭祀は、神社神道の根幹をなすものである。神社に鎮座する神霊、および神霊が宿る御神体に対し、儀礼が行われている。これが神社神道における祭祀である。神霊をその場に招き、神霊を饗応し、神霊を慰め、人間への加護を願うものである。さまざまな儀礼・秘儀が伴うこともある。
日本仏教

寺院において、神仏や死者の霊、仏像・仏塔・名号本尊・曼荼羅に対して儀礼が行われている。これが仏教における祭祀である。通常は仏事・法要・供養などと呼ぶ。仏教には元来、祭祀の対象となるものは存在していなかったが、仏像・仏塔が登場し、仏像や仏塔に対する儀礼が成立した。
ユダヤ教「ユダヤ暦」および「ユダヤ教の祝祭日」も参照

ユダヤ教では年間を通じて様々な祭りがある。

角笛吹きの祭り贖罪の日大祭日である。過越祭(ペサハ)と七週の祭り(シャブオット)、仮庵の祭り(スコット)は三大祭である。

ユダヤ教の祭り角笛吹きの祭の角笛M. Gottlieb画、贖罪の日で祈るユダヤ人(1878)光の祭り八枝の燭台

キリスト教ベネディクト16世によるミサリヴィウでの正教会復活大祭の光景。司祭が信徒の持ち寄った、クリーチが入ったバスケットを成聖している。キリスト教でも「祭」は聖堂内の儀礼に限定されない。

キリスト教においては、毎週日曜日をはじめとした教会の定める祭日(教会暦において、日曜日は主日と呼ばれる祭日である)に礼拝が行われ、賛美や祈祷とともに主の晩餐に基づくパンとワインの分かち合いが行われる。これを正教会では聖体礼儀カトリック教会ではミサ(聖体祭儀)聖公会プロテスタントでは聖餐式と呼ぶ。これらはキリスト教の祭の一種であるが、キリスト教では「祭祀」という言葉は用いられない。また主の晩餐を伴う礼拝の他にも、様々な礼拝・祈祷がある。「礼拝」、「典礼」、および「奉神礼」も参照

ただしキリスト教においても、降誕祭にはクリスマス・パーティ、受難節にはキリストの道行きを再現するパレード、復活祭には卵探しなどのイースター・パーティーが行われるなど、祭の局面は礼拝・儀礼・祈祷に限定されない。正教においては、が解かれた後の祭(降誕祭や復活大祭など)に御馳走を用意してこれを皆で食べるパーティを行ったり、十字行と呼ばれる行進を街中で行ったりする習慣もある。

復活祭・降誕祭などの重要な祭日名をはじめとして、司祭聖体祭儀などの表現にも「祭」の概念・表現がみられる。

日本語訳聖書中においても、旧約聖書新約聖書の両方に「祭」の翻訳がなされている。ただし、日本聖書協会口語訳聖書では「祭」と表記されているが、新共同訳聖書においては「祭り」と表記されている。

[1]正教会(ギリシャ正教)の一員たる日本正教会は、日常用語においても各種著作物においても、「祭」(まつり)もしくは「お祭」(おまつり)との言葉を単独で使う事を全く避けない。祭と(ものいみ)、祭日(さいじつ)と斎日(ものいみび)というように、喜ばしい時(祭)と、自らを喜ばしい時に備える時(斎)とを対比させるリズムは正教会の伝統に組み込まれて日常生活の規範となっており、これを説明する際に「祭」の語・概念が多用される。代表的な例として、正教会で最大の祭である復活大祭と、それに自らを備える期間である大斎(おおものいみ)がある。

同様のリズムの伝統は正教会に限らず、西方教会カトリック教会聖公会など)においても復活祭大斎の形などにみられる。しかしながら殆どのキリスト教諸教派においては、日常用語として「祭」(まつり)という言葉は単独ではあまり用いられない傾向がある。「祭」の語を単独で用いる傾向が強いのは一部の例外を除き、殆ど日本正教会のみとなっている。
イスラーム「ヒジュラ暦」も参照

イスラームでは、カーバ神殿に対して礼拝するサラートがある。

日を定めたものとしては、ムハンマドの生誕を祝う預言者生誕祭ラマダーン終了後のイド・アル=フィトルイブラーヒーム(アブラハム)が息子を犠牲に差し出そうとした日を祝うイード・アル=アドハー(犠牲祭)などがある。

イスラームの祭祀はほぼこの2つしか存在しない。四季があり、神道と日本仏教の影響を受けていることから数多くの祭祀が存在する日本と比べると、一神教の祭祀に対する関心は薄い[2]
ヒンドゥー教

ヒンドゥー教には、ホーリー祭、ダシェラ祭(en:Dussehra)、ディワーリー祭(en:Diwali)という三大祭がある。
その他

古代ギリシャでは
エレウシスの秘儀が存在した。

祭礼日本の祭り/露天の夜店が立ち並ぶ。西条祭りだんじり青森ねぶた祭ねぶた藤崎八旛宮秋季例大祭飾り馬灘のけんか祭りヤッサ屋台飯田町燈籠山祭り、高さ約16mの人形山車(燈籠山)長岡まつり長岡空襲(1945年)からの復興祈願を起源とする。


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