神輿
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例:滋賀日吉大社・山王祭、京都八坂神社祇園祭、東京浅草神社三社祭鳥越神社・鳥越祭りなど全国各所。いわゆる暴れ神輿である。平安時代後期、比叡山延暦寺の僧兵等は日吉神社の神輿をもって強訴し、白河法皇に「賀茂川の水、双六の賽、山法師。これぞ朕が心にままならぬもの」と言わしめた。
寺院の御輿大雄山最乗寺の御輿

仏教の寺院が輿を持ち巡行することもある。ここでは意味合い的に「神輿」でなく「御輿」と表記する。

神仏習合が見られる御霊信仰祇園信仰では、御霊会祇園祭の際に御輿が用いられてきた。神仏分離令で神道神社と仏教寺院に分かれた後も、寺社ともに御輿が用いられている。密教修験道の寺院の祭りの際にも御輿を用いる例が見られる。

三瀧山不動院(宮城県仙台市) - 夏の大祭の際、1980年に新造された御輿が用いられる[22]

塩野毘沙門堂山形県米沢市)暴れ神輿と言われる。

熊野大社  (山形県南陽市)戦国時代 善光寺の本尊を奉じた上杉謙信の後継者である上杉景勝が越後ー会津ー米沢へ移動するのに使用した神輿が今も伝わっている。

瑞宝山慈恩寺山形県寒河江市)- 室町時代1395年)の記録に、御輿をもって寺領を獲得した話が残る。

成田山新勝寺千葉県成田市) - 成田祇園祭の際に御輿が用いられる。

大雄山最乗寺神奈川県南足柄市

運行形態(神輿の担ぎ方)街なかを渡御する神輿。大正初期
総論

町を歩いてお旅所(神酒所)や商店を回る渡御や、A神社とB神社を巡行するもの、一定の場所に集結し、お浜降りや神輿同士をぶつけ合ったりするものなど様々で、祭りの中でそれが果たす役割は多種多様である。
各論(ビデオ) 神輿、駒込天祖神社大祭

明確な統計は無いが、全国的には通常、ひら担ぎと呼ばれる「わっしょい」の掛け声で神輿を揺らさずに担ぐ地域が多いと思われる。[23]揺らす場合は江戸前に分類される。

江戸前担ぎ:東京都内では「えっさ、えっさ」の掛け声で神輿を揺らす担ぎ方が有名であるが、近年は神輿同好会等の影響で「オイサ」「セイヤ」「ソイヤ」の掛け声が増えている。浅草三社祭・鳥越祭り・神田明神祭など、東京の祭礼の殆どはこの担ぎ方となっている[24][25]

ちょいちょい担ぎ|城南担ぎ:同じ都内でも漁師町であった品川大田近辺では、小波に揺れる舟のように小刻みに神輿を振る。2点棒でトンボが複数あり、大拍子という太鼓が付いているのが特徴である[26][27]

どっこい担ぎ: 湘南地方では、湘南甚句と共に「どっこいどっこい、どっこいそりゃ」の掛け声でタンスを鳴らし、神輿を上下に揺らし担ぐ形式が一般的である。極みとして、茅ヶ崎「暁の祭典浜降祭」7月海の日開催がある[28][25]

小田原担ぎ:「オイサー、コラサー」の掛け声から木遣り唄(浜木遣り)とともに走る(跳ぶ・突っ駆ける)動作があり、他の神輿と合体する事も特色である。漁師の祭りであった松原神社例大祭が原型とされ、荒波・転覆を連想させるため御霊が入っている時は神輿を揺らさない。小田原流とも呼ばれるこの担ぎ方で渡御する神社は、小田原市内に数社あり、ゴールデンウィーク5月3日北條五代祭りのパレードの他、4日5日と斎行される山王神社、大稲荷神社居神神社松原神社の例大祭などで見られる[29]

ヨコタ担ぎ:羽田では大波に揺れる舟のように左右に大きく振るがある。神輿を振りやすいように2本の芯棒に数本の横棒をつけただけの棒組となっている[25]

深川担ぎ:平担ぎに加えて神輿を揉み、差し上げる担ぎ方が有る。 掛け声は「もーめ もーめ」「さーせ さーせ」。

佃担ぎ:では 「おりゃ、おりゃ」の、掛け声で神輿を一切揺らさず担ぐ。揺らす時は地面すれすれでの上下に揉む時で、揉んでから一気に差し上げる。

行徳担ぎ:行徳近辺では神輿を差し上げ、空中に放ったり、地面にギリギリまで降ろしたりする。

房州担ぎ千葉県の大原はだか祭りに代表される担ぎ方であり、掛け声は「そらやー、よいさー、ほいさー、そーりゃー、そいきた等々」である。二点棒なので神輿振りである横振が見られ、大原や一宮で小田原担ぎのように走ることもある。また大原では「おーいやのせーだ」「よーいと」などの掛け声とともに神輿を真上に投げあげるのが特長である。

関西方面では京都市内などで、松尾大社の神幸祭・還幸祭や八坂神社祇園祭や中心に「ホイットー、ホイットー」と掛け声を掛けながら、前進したままでシーソー状に激しく神輿を振り回す。鳴鐶(ナリカン)と呼ばれる金具の鳴り物を激しく打ち鳴らすのが特徴である。また神社拝殿の回りを練り暴れる拝殿回しでは、ひたすらカーブを切りながら上記のようにシーソー状に激しく振りながら前進する。境内が狭い場合などは神輿を軸にしてグルグル旋回しながら暴れることもある[30]

愛媛県などでは、神事として神輿同士を激しくぶつけ合う喧嘩神輿が見られる。祭によって、ぶつけ合うこと自体を目的とする場合もあれば、相手の神輿を落とした側を勝ちとする試合形式で行う場合もある。また地域を問わず、同じ祭で複数の神輿が鉢合わせた際、自然発生的に互いの威勢を競い合うような状況となった場合も喧嘩神輿と呼ばれることがある。

わっしょ担ぎ:富岡八幡宮などで見られ、神輿を膝元まで下げて一気に担ぎ上げる[25]

千鳥担ぎ:新宿十二社の熊野神社で見られ、担ぎ棒の先端を首の後ろの付け根で担ぐ[25]

運行・担ぎ方の共通用語と補足事項
担ぎ場所の選定方法

神輿を担ぐ際にどの位置で担ぐかは、完全に自由であったり、お客さんを前の方に入れたり、その地区の氏子を優先したりと様々であるが、以下の様な決定方法もある。

肩合わせ:渡御の前に担ぎ手の身長順に担ぐ場所を決める事で、これを行った場合は神輿全体が安定し担ぎ手の負担も少ない。欠点は場所が決められるため、嫌な場所に当たるとつまらない事。宮入り時など限定された場所で採用されることが多い。

トコロテン:担ぎ手が担ぎ棒の最後尾(ケツ棒)から入り、適当な時間で前へ前へと担いでハナ棒まで抜けていく方法。この方法だと全ての担ぎ手が公平に全ての場所を担げることである。担ぎ手が多く集まる祭礼やパレードなどで見られる方式。

ハナ棒合わせ|四方合わせ四方合わせ解説

複数の神輿が対面または複数の方向から1点を目指し進み、ハナ棒を合わせるように近づく事。四つ角の交差点などで行われる場合を特に四方合わせと呼ぶ。祭典時やパレードなどの観光行事において行われる。あらゆる担ぎ方で実行可能と思われるが、小田原流のように走る神輿は特に危険が伴う。
掛け声

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出典検索?: "神輿" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年6月)

担ぐ時の掛け声は「わっしょい」や「エッサ」「ソイヤ」などと言うところが多い。例:岡山県新見市の岩山神社

それぞれの語源については諸説があり、「和上同慶」「和を背負う」「和と一緒」「輪を背負う」という意味からきているという説や、「エッサ」は古代ヘブライ語(古代ヘブライ語で「エッサ」とは「運ぶ」という意味である)から来ているという説、または単なる「えっさほいさ」といった掛け声であるという説など様々である。


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