近代の文脈において、非常に最近に作られたものにせよ、再度の組み合わせの流れのものにせよ、しかしながら神話の性格を全て有するところの話を人は確かに観察した。人はそれで「都市神話」、またはさらに一般に「都市伝説」について話す。しかしながら現代の神話について、フランス革命もしくは19世紀末期での労働者の意向におけるもののような戦争の叙事詩の類の、信じられない出来事の到来に対するあるいはそれらの出現の分析を与えたものである、哲学者で社会学者のジョルジュ・ソレルの策略を与えるところの意味においても人は話すことを与える[77]。大衆の動員において用いられるところの社会的神話はそれで問題である。20世紀の法廷では、神話はとくに国家の高揚のために、ファシズムによる 宣伝活動における道具のように使われたとされた。今日人は、広告が売り手の神話において顧客に機能することとの評価を与える。現代の神話はすなわちある時は自発的な社会的意志の表明でありまたある時は政治あるいは商業における秩序での操作である。現在の現代社会において、他面では神話はひとつの広告宣伝装置であるのに、それらの能力限界に含みを持たせることが必要なように思われる。 神話は、古代ギリシアにおいてはミュトスとして伝えられ、ホメーロスの『イーリアス』『オデュッセイア』、ヘシオドスの『神統記』『仕事と日』などのように、霊感を受けた詩人が神々の行為を権力者に語る歌の形式となった。これらは神が人に真実を語る力関係の基、聞き手である強者・男性的価値観に副うようにつくられていた。それに対しロゴスは説明する言葉であり、弱者が強者に使う、多少の嘘を含みながらも説得力を持たせることを目的としていた[78]。 これが、現在用いられるミュトス=真実ではない「虚構」、ロゴス=知性や理性に裏打ちされた「真理」へ逆転した転換点は、ギリシア民主制の誕生にある。市民が話し合いながら政治を進める体制では、必要な議論は神がかった詩人の言葉ではなく、理性や知性を働かせ、相手を説得する言葉でなければならない。これを背景に、ロゴスこそが真実という概念が固められ、相反してミュトスが虚偽の意味合いを持つようになった[78]。 日本の古典には、「神語(かんがたり)」という語はあるが、「神話」という語はない。これは明治20年代に、英語の「myth」を「神話」と日本語に翻訳した事で用いられる様になった翻訳漢字であり、中国や朝鮮の古典にもない言葉である[79]。これは本来、神話と呼ばれるものが語られるものであって、文字によって書き残されるようになったのは後であるためとされる。したがって『神話』という日本語は、近代から用いられる様になった比較的新しい語である。
「神話」の意味の変化
「神話」という語
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