明治4年に、神社を「国家の祭祀」として、基本的な制度が改められた[18]。伊勢神宮を除く全国の神社は官社と諸社に大別され、官社は官幣・国幣の各々を大中小社、諸社は府・藩・県・郷・無格の各社に分類された。ただし廃藩置県のため、藩社への列格はなかった[18]。明治5年に別格官幣社が設定され、楠木正成を祭る湊川神社が最初に列せられた[18]。別格官幣社は皇室や国家のために偉勲を残した人物を祀る神社が主に列格した[18]。官国幣社は、神社祭祀令により、大祭、中祭、小祭が規定された。国家の祭祀にふさわしくない神社は淘汰され、1898年(明治31年)あった約20万社は、1916年(大正5年)には約12万社になった[18]。 1945年(昭和20年)12月 連合国最高司令官総司令部(GHQ)は国家管理下にある神社を「国家神道」と呼び、その廃止を命令した[16]。同じくGHQに制定された宗教法人令に基づき、他の宗教団体と同様宗教法人となった[16]。民間の神社団体である皇典講究所、大日本神祇会、神宮奉斎会が発展的に解消して、神社本庁になった[16]。神社本庁は単立宗教法人となった一部の神社や、ほかの神社神道系包括団体に所属する神社を除く、約8万の神社から組織される包括宗教法人である[16]。 多くの神社は、有名な神社から祭神を分霊(ぶんれい)【または勧請ともいう】している。分霊とは、祭神の分霊(わけみたま)を他の神社で祀ることである。ロウソクからロウソクへ灯を移すように、神道の神は無限に分霊することができ、そうしても本来の神威は損なわれないとされる。分霊した神社は、その祭神に応じた名称がつけられる。以下に主な神社の名称とその祭神を挙げる。 主な神社名本社主な祭神主な神使
宗教法人化
主な信仰
神明神社・天祖神社・皇大神社・大神宮(お伊勢さん)伊勢神宮内宮天照大御神鶏
八幡宮・八幡神社宇佐神宮八幡神(応神天皇)鳩
天満宮・天神神社・北野神社・菅原神社防府天満宮太宰府天満宮
北野天満宮菅原道真牛
宗像神社宗像大社宗像三女神
厳島神社厳島神社宗像三女神烏
八坂神社・祇園社八坂神社素盞嗚尊
津島神社・天王社・須賀神社津島神社素盞嗚尊
氷川神社氷川神社素盞嗚尊
諏訪神社諏訪大社建御名方神白蛇・鶴・鷺
日吉神社・日枝神社・山王社(山王さん)日吉大社東本宮大山咋神猿
松尾神社松尾大社大山咋神亀
熊野神社熊野三山熊野神烏
白山神社白山比盗_社菊理媛神
熱田神社熱田神宮熱田大神(草薙剣)鷺
浅間神社富士山本宮浅間大社木花咲耶姫命
鹿島神社鹿島神宮武甕槌命鹿
香取神社香取神宮経津主命鹿
春日神社春日大社武甕槌命・経津主命鹿
愛宕神社愛宕神社迦具土神猪
秋葉神社秋葉山本宮秋葉神社迦具土神
金毘羅神社・琴平神社(こんぴらさん)金刀比羅宮金毘羅神(現在は大物主神)
住吉神社住吉大社住吉大神兎
多賀神社 (お多賀さん)多賀大社伊邪那岐命・伊邪那美命せんじきさん(烏)
貴船神社・貴布祢神社貴船神社闇淤加美神・高淤加美神馬
出雲神社出雲大社大国主命海蛇・兎・鶺鴒
塩竈神社鹽竈神社塩土老翁神
賀茂神社賀茂別雷神社(上賀茂神社)
賀茂御祖神社(下鴨神社)賀茂別雷神烏
大鳥(鷲・鳳)神社大鳥大社(西日本)日本武尊・大鳥連祖神
鷲宮神社・大鷲神社(東日本)日本武尊
大神神社・三輪神社(三輪明神)大神神社大物主命蛇・兎
稲荷神社伏見稲荷大社宇迦之御魂神・保食神ほか穀物神狐
淡嶋神社淡嶋神社少彦名命(淡島神)
猿田彦神社・佐田神社・大田神社・白髭神社
賽神社・道祖神椿大神社猿田彦神
恵比寿(恵比須・戎)神社西宮神社蛭子命(ひるこ・えびす)
美保神社事代主命
大山祗神社大山祇神社大山祇神
三島神社大山祇神社大山祇神
三嶋大社大山祇神・事代主命鰻