神文王
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こうして執事部を中心とする13の上級官庁[6]による整然とした官僚機構を成立させ、また、こうした官僚を育成する機関として682年6月には礼部の配下に国学を創立した。689年には官僚に対する禄邑制をやめて租米による俸禄制を始め、官職に取り立てられた中下級貴族層の官僚化を一層進め、先の中央貴族の粛清とあいまって王権の伸長を果たした。
地方統治

中央官僚機構の完成と平行して、685年には完山州(全羅北道全州市)の再設置、居列州(慶尚南道居昌郡)を分割して菁州(慶尚南道晋州市)を設置して、九州が完備した。687年までに九州は旧高句麗百済新羅の領域にそれぞれ三州が置かれるかたちに再編され、それぞれの州治は王都金城(慶州市)に対する副都の位置づけとして、地方統治の拠点となった。また、685年には西原小京(忠清北道清州市)・南原小京(全羅北道南原市)を設置して五小京も完備し、これらへは王都の住民を移住させて、半島内に新羅文化を普及させるための拠点となった。詳細は新羅#九州新羅#五小京を参照。
文化事業

先代の文武王を埋葬した地(大王岩)に感恩寺(慶州市陽北面。寺跡は史跡第31号)を建立した[7]ほかに、王都の近辺には奉聖寺(未詳)、望徳寺(慶州市排盤洞。寺跡は史跡第7号)の完成させたが、これらはみな官寺的性格を有した寺院であると考えられている。また、唐に『礼記』などを求め、則天武后からは50巻に及ぶ詞文を賜ったことも伝えられる。
脚註^ 『皇福寺石塔金銅舍利函記』による。
^三国遺事』王暦においては、母を慈訥王后、王妃は金欽雲の娘の神穆王后とする。
^ 井上訳注1980、武田2000。
^ すでに文武王の時代(680年)に文武王の妹を安勝に降嫁させていたが、改めて金姓を与えることでさらに連帯感を高め、旧高句麗人への慰撫を図った。
^三国史記』巻32・祭祀志においては第36代恵恭王の時代に五廟を整備したとの記事が見えるが、巻9・新羅本紀・恵恭王紀には対応する記事はみられず、神文王時代に整備されたのが正しいと考えられている。
^ 兵部、倉部、礼部、例作府、位和府、左理方府、右理方府、司正府、調府、乗府、領客府、船府、内省。
^ 『三国遺事』巻2・紀異・万波息笛条の所収の『寺中記』によれば、同寺は文武王が建立を開始し、神文王の2年(682年)に完成したという。

参考文献

三国史記』第1巻 金富軾井上秀雄訳注、平凡社〈東洋文庫372〉、1980 ISBN 4-582-80372-5

『三国史記』第3巻 金富軾撰 井上秀雄訳注、平凡社〈東洋文庫454〉、1986 ISBN 4-582-80454-3

『完訳 三国遺事一然金思Y訳、明石書店、1997 ISBN 4-7503-0992-3(原著『完訳 三国遺事』六興出版、1980)

井上秀雄『古代朝鮮』、日本放送出版協会<NHKブックス172>、1972 ISBN 4-14-001172-6

『朝鮮史』武田幸男編、山川出版社<新版世界各国史2>、2000 ISBN 4-634-41320-5

外部リンク

慶州市公式サイト#文化遺産(国会指定文化財-史跡)










新羅(第31代:681年 - 692年


数字は歴代、( ) 内は在位。「居西干」「次次雄」「尼師今」「麻立干」はいずれも新羅独自の「王」号。

赤字は女王。

上代

1. 赫居世居西干(前57-4) / 2. 南解次次雄(4-24) / 3. 儒理尼師今(24-57) / 4. 脱解尼師今(57-80) / 5. 婆娑尼師今(80-112) / 6. 祇摩尼師今(112-134) / 7. 逸聖尼師今(134-154) / 8. 阿達羅尼師今(154-184) / 9. 伐休尼師今(184-196) / 10. 奈解尼師今(196-230) / 11. 助賁尼師今(230-247) / 12. 沾解尼師今(247-261) / 13. 味鄒尼師今(262-284) / 14. 儒礼尼師今(284-298) / 15. 基臨尼師今(298-310) / 16. 訖解尼師今(310-356) / 17. 奈勿尼師今(356-402) / 18. 実聖尼師今(402-417) / 19. 訥祇麻立干(417-458) / 20. 慈悲麻立干(458-479) / 21. '"`UNIQ--templatestyles-0000000A-QINU`"'炤知麻立干(479-500) / 22. 智証麻立干(500-514) / 23. 法興王(514-540) / 24. 真興王(540-576) / 25. 真智王(576-579) / 26. 真平王(579-632) / 27. 善徳王(632-647) / 28. 真徳王(647-654)
中代

29. 武烈王(654-661) / 30. 文武王(661-681) / 31. 神文王(681-692) / 32. 孝昭王(692-702) / 33. 聖徳王(702-737) / 34. 孝成王(737-742) / 35. 景徳王(742-765)


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