研究は、個人が複数集合し、社会を形成した際に起こる様々な出来事を包括的に取り扱っており、社会的な状況の中での個人の行動、相互作用過程、集団内行動、集団間行動、環境心理学、異文化、国際間での人間行動の比較研究など多岐に分類される。
社会心理学の場合は、特にバイアスを排除するために実験の初期段階で偽の実験目的を提示した上で実験後に真の目的を開示したり、サクラを他の実験参加者と偽るなど、ともすれば被験者が不快になるような実験を行う機会が多いが、現在は他の心理学の分野と同様、研究者は実験に倫理規定を策定し、極端なものは自制するようになっている。 古くはアリストテレスが「人間は社会的動物である」と述べた。トマス・ホッブズは「責任は社会にあり個人にない」という社会的責任を論じている。 1898年にアメリカのノーマン・トリプレット
歴史
一方、1913年にフランスのマクシミリアン・リンゲルマンは、ある作業を一人で行う場合よりも、集団で行う場合の方が個人の作業量は低下することを発見した(リンゲルマン効果)。
1955年、ソロモン・アッシュにより多数派による同調効果が実証された[2]。
1974年には、スタンレー・ミルグラムによる「権威への服従」実験で、少数の権威への同調効果が実証された[3]。 テーマは多岐にわたるが、大きく分けて4つのカテゴリがある。
社会心理学の分野
社会の中における個人の心理
個人と個人の対人認知
集団の中の人間
社会現象・社会問題
著名な実験
公正世界誤謬
傍観者効果
社会的促進実験
ホーソン実験
認知的不協和
リスキーシフト
アルバート・バンデューラの観察学習実験
フット・イン・ザ・ドア
根本的な帰属の誤り
泥棒洞窟実験
最小条件集団実験
スタンフォード監獄実験
ミルグラム実験
吊り橋実験
囚人のジレンマ
コンピュータトーナメント
パニック
同調実験
行列商法
閉店商法
主な用語
社会的影響
社会的手抜き
傍観者効果
認知的不協和
社会的ジレンマ
同調現象
自己検閲
全会一致の幻想
自薦の用心棒
リーダーシップ
ピグマリオン効果
ハロー効果
バーナム効果
プラシーボ効果
リスキーシフト
集団態度
関連文献
南博『社会心理学入門』(岩波書店、1998年、ISBN 978-4004120612)
山岸俊男『社会心理学キーワード』(有斐閣、2001年、ISBN 978-4641058729)
古畑和孝『社会心理学小辞典』(有斐閣、2002年、ISBN 978-4641002180)
脚注[脚注の使い方]^ Triplett, Norman (1898-07). “The Dynamogenic Factors in Pacemaking and Competition”. The American Journal of Psychology 9 (4): 507. doi:10.2307/1412188. https://www.jstor.org/stable/1412188?origin=crossref.
^ ⇒Asch S. E. (1955). Opinions and social pressure. Scientific American, 193, 35
^ Milgram, S. (1974): Obedience to Authority; An Experimental View ISBN 006131983X(『服従の心理―アイヒマン実験』河出書房新社 1995年、『服従の心理』 (新訳) 河出書房新社 2008年)