磐梯山
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また、噴火前年の1887年に結成された日本赤十字社初の災害救護活動となり、かつそれまでは戦時救護のみの活動であった赤十字における世界初の平時救護とされる。

現在、五色沼近くに「平時災害救護発祥の地の記念碑」が建立されている。この山体崩壊で生じた土地の多くは、当時の官有地であったため、民間の資金と労力を利用した植林事業が行われ、泥流堆積地の7割を31年かけ緑化した[15]

崩壊の推定規模 12 - 15*108m3[6]

噴煙の推定高度 800m[16]

噴火の経過


噴火前の6月末頃から地鳴りなどの前兆現象があった[17]が、当時は噴火との関連性の認識がなく、対処も行われなかった。

噴火当日の午前7時頃地震が発生し、地震はその後も続いた。

7時45分頃 小規模な噴火が始まる。住民証言、スケッチ、写真から水蒸気爆発を生じた地点は、小磐梯山頂西麓と銅沼付近であった[16]

最初の爆発から15から20回程度の爆発の後、小磐梯山北側の水平方向への爆発的噴火で大規模な山体崩壊が発生した。この山体崩壊により長瀬川とその支流がせき止められ、土石流火山泥流が下流域に被害を与えている。このせき止めにより桧原湖小野川湖秋元湖五色沼をはじめ、大小さまざまな湖沼が形成された。裏磐梯の景観は、この時に形成された。また、かつての会津藩の財政を支えていた檜原金銀山の史跡も湖底に没した。

主な活動は、2 - 3時間で終了した。

噴火以前の山体
米地(1988)[18][19]の調査以前は、噴火前の山体形状を記録した資料はほとんど存在せず、山頂部の等高線、絵画やスケッチが知られているだけであった。米地は、会津若松市の刊行した写真集から噴火以前の写真を見い出し、江戸時代後期の絵図と合わせて山体の復元を行い地形模型を作成した。また、小磐梯山の山頂付近は傾斜40度程度の急峻な斜面であることを示し標高を1,760mと推定した。
山体崩壊とラハール
1992年に東山麓のスキー場で行われた崩壊斜面のトレンチ調査によれば、ラハールの堆積物の下層に噴火初期に発生した火砕物重力流堆積物と泥質の降下火砕物重力流堆積物が層になっており、爆発により山体崩壊が生じた後に上昇していた噴煙柱から水分の多い火山灰が豪雨の様に降り注ぎ、ラハールが東山麓の琵琶沢沿いを約4km流下したと考えられている[20][21]
2000年以降

2000年
[22]

4月26日 山頂の西南西約5kmの猪苗代湖北西岸付近を震源とする M4.3の地震が発生し、この地震の以後磐梯山直下の火山性地震が増加。

5月10日 1965年の観測開始以来初めての火山性微動を観測する。

5月21日 山頂直下を震源とするM2.4の地震が発生し、猪苗代町で震度1を観測。

5月30日 2時11分 M2.1、22時41分 M2.2の地震が発生、深部低周波地震の増加が目立つようになる。5月の1ヶ月間で174回の火山性地震を観測。

6月1日 磐梯山で初めてとなる火山観測情報1号が発表される。

6月 1ヶ月間で173回の火山性地震を観測。

7月 1ヶ月間で381回の火山性地震を観測。火山性微動2回。

8月15日 火山性地震は更に増加し、1日で403回を観測し、翌日、臨時火山情報1号が出される。

8月17日には関係する町村(猪苗代町・北塩原村・磐梯町)の担当者が集まり、磐梯山の入山規制を決定。

9月 1ヶ月間で127回の火山性地震を観測。火山性微動3回。

10月 1ヶ月間で58回の火山性地震を観測。火山性微動3回。

10月以降は徐々に火山性地震の回数は減少。


2009年5月 火山性地震を98回観測[23]

2014年8月 火山性地震を39回観測[24]

2022年12月 山頂の北西約2km地点を震源とする火山性地震が27日正午頃から増加し始める。翌28日17時までに観測史上最多となる601回の火山性地震を観測し、同日18時15分に仙台管区気象台から臨時火山情報が発表される[25][26][1]。その後、火山性地震の回数は29日を境に減少に転じ、2023年1月に入ると観測されなくなる。

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出典検索?: "磐梯山" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2018年6月)

磐梯山の南西麓にあった慧日寺(現在の恵日寺)は北東に磐梯山、北に厩岳山、さらに磐梯山の北に吾妻山という山岳信仰の盛んな山を抱えており、その立地的な面から山岳信仰に大きな役割を果たしてきた。


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