磁気テープ
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2014年にTDKが磁気テープから撤退。そのため、2014年の時点において富士フイルムソニー日立マクセル(以下、および現・マクセル)の3社でLTOメディアの世界シェアのほぼ100%を占めていたが[4]、2014年にマクセルがLTOメディアの生産を終了した。市場にはソニーと富士フイルムが残ったが、LTO-7世代以降では必須となるBaFe磁性体の特許を持つ富士フイルムがソニーおよびソニーストレージメディアマニュファクチャリングに対して強気の特許紛争を仕掛け、2018年に販売指し止めの判決が下ったため、ソニーはメディアを発売できない状態が続いている。そのため、2022年現在では唯一、富士フイルムだけがLTOメディアを継続製造・販売している。

2020年、富士通が従来のBaFe磁性体に代わるSrFe磁性体を開発。1巻当たり580TBの容量が見込める[7]
製造方法

幅3 - 4mのフィルムの片面に磁性層を成膜し裁断。リールと呼ばれるボビンに巻き取り、プラスチック容器等に装着する。

磁性層の成膜には、塗布、蒸着、スパッタなどの方法がある。一般的には片面だけだが両面に成膜した製品も見られる。

成膜後、リールへの巻き込み前にサーボトラッキングのための情報が記録される場合もある。
規格

磁気テープを利用したメディア規格としては、以下のようなものがある。
コンピュータ用

記録装置は高価であるが、他のメディアに比べて容量が大きく、テープの容量当たりの単価が安価である。しかしながら、ランダムアクセスはできない。こうした特徴から、企業が保有する大規模なサーバなどのバックアップ[8][2][9]や、参照頻度の低いデータのアーカイブ用のメディアとして利用される。

アメリカでは、個人用の安価な装置が一定の普及を見た時期もあった。

データの頭出しに時間を要するが、LTO規格に見られるように連続したデータの読み込みは非常に高速である。また、DDS/DLT/LTOなどであれば「オートローダ」もしくは「テープライブラリ」と呼ばれる装置を用いることで、マガジンに装填されたテープを自動的に交換できる。テープ1本では容量が不足する場合の自動化のときなどに用いられる。

オーディオ・ビデオ用テープに記録できるストレージもある。
固定ヘッド

IBM 3592 - 1/2インチ

DLT(Digital Linear Tape) - SDLT - 1/2インチ

LTO(Linear Tape-Open Ultrium) - 1/2インチ

9840 - 9940 - T10000 - 1/2インチ

オープンリール - 2インチ、1インチ

CMT(Cartridge Magnetic Tape), CST(Cartridge System Tape) - 1/2インチ

3480 - 3490 - 3490E - 1/2インチ

9490EE - IBM 3490互換1/2インチ

3590 - 3590E - 1/2インチ

Travan - 8mm

QIC(Quarter Inch Cartridge) - 1/4インチ

Scalable Linear Recording(英語版)(SLR)


ヘリカルスキャン

Digital Instrumentation Recorder
(英語版)(DIR) - 19mm(3/4インチ)

VHS - 1/2インチ

Exabyte(Data 8(英語版)) - VXA(英語版) - 8mm - 8ミリビデオとカートリッジは同形状だが、原則としてメディアに互換性はない。

AIT(Advanced Intelligent Tape) - S-AIT - 8mm

DTF(Digital Tape Format) - 1/2インチ - Digital BETACAMがベースとなっている。

DDS(Digital Data Storage) - 3.8mm - 約4mm幅 - DATとカートリッジは同形状だが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}原則としてメディアに互換性はない[要検証ノート]。




オープンリール

QIC

DDS4

LTO
蓋を取り除いたもの

オーディオ用
アナログ

オープンリール - 多くは約6mm幅(1/4インチ)のテープ。業務用マルチトラックレコーダーは最大2インチ幅まである。

テーペット - RCAビクター(現・ソニー・ミュージックエンタテインメント米国法人)が開発した規格。6.3mm幅。

コンパクトカセット - フィリップス社が開発した規格。一般にいうカセットテープ。3.81mm幅。

オー・カセ - ティアックが製品化したコンパクトカセット互換オープンリール。


マガジン50テープカートリッジ - アイワ(初代法人、現・ソニーマーケティング)が開発した先述のコンパクトカセットに類似した規格。4.8mm幅。

マイクロカセット - 通常のコンパクトカセットより小型のカセットテープ。3.8mm幅。オリンパス(映像事業部、現・OMデジタルソリューションズ)が開発した規格。会議記録や記者の取材時に盛んに用いられた時期があったが、現在は留守番電話機の録音媒体に用いられる程度で、ほぼ廃れた。

ミニカセット - フィリップス社が開発した規格。大きさはマイクロカセットに近いが、互換性はない。

エルカセット - ソニー(初代法人、現・ソニーグループ)、松下電器産業(現・パナソニックホールディングス)、ティアックの3社が共同開発した規格。A6(文庫本サイズ)でテープ幅はオープンリールと同じ6.3mmである。現在は廃れた。

8トラック - 1980年代までカラオケ等の媒体に利用されたが、現在は廃れた。

デジタル

3/4インチデジタルオーディオカセットテープ -
UマチックにPCMプロセッサを繋いで使用。19mm幅。U規格テープを使用。

DAT

R-DAT - DAT懇談会と日本オーディオ協会が共同で開発した規格。回転式ヘッド(ヘリカルスキャン方式)のR-DAT用のテープ。3.8mm幅。

S-DAT - 固定式ヘッドを用い、後述するオープンリール型が使用された。


デジタルマイクロカセット - ソニーが独自で開発した規格。切手サイズの超小型カセットテープが用いられた。2.5mm幅。会議録音用を想定していたが後に登場するICレコーダーの台頭により程なく廃れた。

DCC - フィリップスと松下電器産業が共同で開発した規格。コンパクトカセットをデジタル記録化したもので、現在は廃れた。

オープンリール - 業務用録音機器で使用される。

ADAT(ALESIS DIGITAL AUDIO TAPE) - 業務用マルチトラックレコーダ。12.7mm幅。VHSテープを使用。

DTRS(Digital Tape Recording System) - 業務用マルチトラックレコーダ。8mm幅。8ミリビデオテープを使用。

ビデオ用

デジタルとアナログで姉妹規格となっているものが多く、それゆえデジタルもアナログも記録できる製品が存在するため、デジタルとアナログは分けずに記載する。

U Matic

Betamax

VHS

Video 8

オープンリール

2インチ - 1950年代?1970年代

1インチ - 1970年代?1990年代

統一I型 - 1/2インチ

ビデオカセット

ACR-25(AMPEX) - 2インチ

U規格 - 3/4インチ - M:256×174×38mm - S:210×147×38mm


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