碇シンジ
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その後、自らが望んだ他人のいる世界で、彼女は最初の他人となる[11]
碇ゲンドウ
実父であり上司。自分を捨てたゲンドウに対し、シンジは反発し憎みながらも愛情を求め、屈折した感情を向ける[4]。NERV入所時から冷たい態度を向けられるが、第10使徒戦[注 2]で「よくやったな、シンジ」と褒められたことで、自分がEVAに乗る理由が「父に褒められたいから」と自覚するようになる[9]。最終的に和解には至らなかったものの、父に与えられたEVAにより、シンジは自分の居場所や、自分を必要としてくれる存在を見出すことになる。
鈴原トウジ・相田ケンスケ
クラスメイト。紆余曲折を経て友人になった彼らの存在は思いのほか大きく、彼らといる時のシンジは年頃の少年らしい表情を見せ、内向的な性格の改善にも繋がっていく[4]
渚カヲル
初めて自分のことを「好き」と言ってくれた存在であり、自分を肯定してくれる彼は、親しい人たちを失い疲弊していたシンジにとって非常に大きな存在となった。それだけに、彼が使徒だと知った時の心の傷は深く、また自らの手で殺したことにより、シンジの心に追い討ちをかけるものとなる。
漫画版

漫画版では、アニメ版の特徴的台詞だった「逃げちゃダメだ」を口にしなかったり、嫌悪するゲンドウと自らの意思で向き合おうとする場面や初めてエヴァに乗った際にも心の中で「ふん、おもしろいじゃないか、やってやる!」と言ったり、初めて会ったミサトに対しこちらも心の中とはいえ「ヘンな女」と辛辣な表現で言い放つなど性格に差異が見受けられる。アニメ版においてのシンジはナイーブであることがストレートに伝わる反面、漫画版においては「ごく普通の少年」もしくは「冷めた子供」というキャラクターで成り立っている。これらの差異は、漫画版を担当している貞本によると、「小・中学校で委員長だった庵野監督とおちこぼれだった自分との違いが、シンジの性格に表れている」「テレビアニメ版のシンジは優等生的だが、漫画版のシンジは子供っぽくひねくれている」とのこと[3]

母・ユイの死後、第3新東京市に来るまで、父・ゲンドウにより伯父(ユイの兄)の家族に預けられていた[12]。表面上は平凡な生活を送っていたが、ユイの死による噂や世間体、伯父一家との関係を気にしていたため、複雑な環境で育つ。これが原因で、シンジ自身に「良い子でいなければいけない」という生き方を強要させ、人格に少なからぬ影を落としていた。また、本来は器量の良い性格だが、周囲には冷淡で協調性がない内向的な優等生としてふるまっていた。

物語後半で心理的に追い詰められていく物語の進行そのものにほぼ変化はないが、レイとはより親交関係を深める描写が多くあり、レイをよく気にかけ、互いに手を繋いて心を通わせたり、彼女の死の際には「君を失いたくない」と涙するほどで、彼女に対する想いの強さがうかがえる。レイと相思相愛の仲になる点は漫画版のファクターとなっている。

フィフスチルドレンである使徒タブリス=渚カヲルはアニメ版に比べ早くから登場するが、距離感の取り方が分からず遠慮無く接してくるカヲルに対して強気な態度で接することも多く、アニメ版のような依存・傾倒はほとんどしなかった[注 3]。この心境は「(失って傷つくくらいなら)友達なんか最初からいない方がマシ」という意識から来ていたが、初号機で使徒タブリスを扼殺した後、「好きになってはいけないと思っていたのにいつの間にか渚カヲルに惹かれていた」とミサトに吐露している。

アスカに対してはアニメ版同様に振り回されたり困惑する場面も多いが、異性として意識することもあり、キスでは棒立ちだったアニメ版と異なり、アスカの両肩を抱いて未遂となると惜しむ描写や、またアスカが精神崩壊すると毎日のように病室に通って気づかう描写がなされている。貞本によるとレイはシンジにとって母性の象徴である一方、アスカはシンジのあこがれの異性の象徴として位置付けられている[13]。また、イスラフェル戦後にアスカの希望で同居している。

戦略自衛隊のNERV本部襲撃の際は、ベークライトで硬化封印されたEVA初号機を見て、諦めて何もしなかった劇場版とは異なり、「動いてよ、母さん!!」と初号機に呼びかけ、ミサトとの約束を果たそうとする意欲を見せる[注 4]。そして、初号機に搭乗して本部地上に出た後、量産機に追い詰められたアスカの弐号機を間一髪で救出し善戦するも、再起動した量産機に追い詰められると、シンクロ率は250%に達し、初号機は劇場版同様に4枚の羽を広げ、宇宙からロンギヌスの槍を呼び寄せる。そして、劇場版同様に人類補完計画の依り代とされ、レイ=リリスの問いかけと共に、幼いころの欠落していた記憶まで含めた過去のフラッシュバックが起き、全てが徒労に終わり絶望したこともあり、自分の殻にこもり、「誰も苦しまないように」するため、世界の終わりと、誰もいない悲しみや傷つきのない世界を願う。しかし、補完された世界でレイとの再会を果たした際、「レイと心を通わせられた経験」と「幼いころのユイとの“約束“」を思い出したため、全てを肯定した上で「父さん(=ゲンドウ)の言う通りに“人は分かり合えない”ということが本当なのか、自らで確かめなければいけない」と決断、レイともう一度手を繋ぎ、補完を否定し元の世界を望んだため、レイと別れることになった。

全ての戦いが終わった後、本編から長い時間をかけて復元された世界において、明城学院を受験するために上京しており[注 5]、電車から降りる際にアスカとケンスケ[注 6]と出会う。最後は、物語冒頭とリンクしつつも、ミサトのペンダントを傍らに、「未来は無限に広がっている。自分の歩く道は自分の足で捜す」というシンジ自身の前向きな独白で物語の幕は閉じられる。
パラレル作品

新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd』(漫画:林ふみの)では、鈍感であるものの、心優しい健全な少年として描かれている。


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