漫画版では、アニメ版の特徴的台詞だった「逃げちゃダメだ」を口にしなかったり、嫌悪するゲンドウと自らの意思で向き合おうとする場面や初めてエヴァに乗った際にも心の中で「ふん、おもしろいじゃないか、やってやる!」と言ったり、初めて会ったミサトに対しこちらも心の中とはいえ「ヘンな女」と辛辣な表現で言い放つなど性格に差異が見受けられる。アニメ版においてのシンジはナイーブであることがストレートに伝わる反面、漫画版においては「ごく普通の少年」もしくは「冷めた子供」というキャラクターで成り立っている。これらの差異は、漫画版を担当している貞本によると、「小・中学校で委員長だった庵野監督とおちこぼれだった自分との違いが、シンジの性格に表れている」「テレビアニメ版のシンジは優等生的だが、漫画版のシンジは子供っぽくひねくれている」とのこと[3]。
母・ユイの死後、第3新東京市に来るまで、父・ゲンドウにより伯父(ユイの兄)の家族に預けられていた[12]。表面上は平凡な生活を送っていたが、ユイの死による噂や世間体、伯父一家との関係を気にしていたため、複雑な環境で育つ。これが原因で、シンジ自身に「良い子でいなければいけない」という生き方を強要させ、人格に少なからぬ影を落としていた。また、本来は器量の良い性格だが、周囲には冷淡で協調性がない内向的な優等生としてふるまっていた。
物語後半で心理的に追い詰められていく物語の進行そのものにほぼ変化はないが、レイとはより親交関係を深める描写が多くあり、レイをよく気にかけ、互いに手を繋いて心を通わせたり、彼女の死の際には「君を失いたくない」と涙するほどで、彼女に対する想いの強さがうかがえる。レイと相思相愛の仲になる点は漫画版のファクターとなっている。
フィフスチルドレンである使徒タブリス=渚カヲルはアニメ版に比べ早くから登場するが、距離感の取り方が分からず遠慮無く接してくるカヲルに対して強気な態度で接することも多く、アニメ版のような依存・傾倒はほとんどしなかった[注 3]。