碇シンジ
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アスカから「すぐに謝りすぎ」と言われるほどに些細な事でも謝罪するなど[7]、他人との深いコミュニケーションが苦手とされているが、ゲンドウ以外の人物に対しては極端に苦手という描写はなく、誰とでもそつなく会話をこなし、表面上は社交性がある。大人と対等に口をきく一方、ごく普通の中学生らしい様子を見せ、次第に感情を表に出すようになる。また切羽詰った状況下では考えるよりも行動するタイプで、対使徒戦では勇敢な姿勢や表情をみせることもある。また、控えめな性格で、優柔不断で状況に流されやすい性格と捉えられることが多いが、庵野の考えでは「自分が決めたら、梃子でも動かないような、頑なで他人を気にしない性格」だという[8]。なお、葛城ミサトの部屋を片付けたり、綾波レイの埃っぽい部屋に躊躇するなど少々潔癖症がみられる。
交流(テレビ版・旧劇場版)
葛城ミサト
同居人であり保護者かつ上司。家ではミサトがほとんど家事をしないため、代わりに家事を担当し、そのずぼらな性格に呆れながらも、家族を知らないシンジにとっては大きな存在となり、叱咤激励を受けながら次第に心を開いていく。しかし初搭乗時の際の「だめよ、逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から」という言葉は後押しになった反面、強迫観念のようにシンジの心を抑えつけることになる
[4]。劇場版では互いにむき出しの感情をぶつけ合い、口づけと共にクロスのペンダントを渡され、シンジはそれを最後まで握り締めつつ補完計画に身を投じる。
綾波レイ
同僚でありクラスメイト。自分よりも父に近い存在だったことで興味を抱き、彼女の空虚ながらも毅然とした態度はシンジの心に強い衝撃を与える[9]。ヤシマ作戦を境に彼女との間には絆のようなものが生まれ、互いに徐々に距離が近づいていく。彼女を意識しつつも時に本当の母親のように思える母性を感じることもあり[10]、また気持ちを表に出すことを苦手とする両者が関わることにより、互いの人間的な成長が促されていく。しかし終盤、彼女の死と真相を知ったことで、シンジは困惑してしまう。劇場版では補完計画の最中、シンジは彼女との会話の中で「もう一度みんなに会いたい」という他者が存在する世界を選択する。
惣流・アスカ・ラングレー
同僚であり同居人かつクラスメイト。シンジと正反対ともいえる彼女の性格は、シンジの心を外に向けさせる効果になり、互いに口論をする場面なども見られる[9]。時に異性として意識することもあったが、対抗心や愛憎に近い感情を向けられ、シンジを戸惑わせる存在となる。劇場版では薬で眠っているアスカに助けを求め、偶然晒け出された彼女の半裸に欲情して自慰を行い、激しく自己嫌悪する。そして精神世界で強い愛憎を向けられるが、シンジの感情は非常に曖昧なものであり、楽な居場所として彼女の存在を求めたことで拒絶される。その後、自らが望んだ他人のいる世界で、彼女は最初の他人となる[11]
碇ゲンドウ
実父であり上司。自分を捨てたゲンドウに対し、シンジは反発し憎みながらも愛情を求め、屈折した感情を向ける[4]。NERV入所時から冷たい態度を向けられるが、第10使徒戦[注 2]で「よくやったな、シンジ」と褒められたことで、自分がEVAに乗る理由が「父に褒められたいから」と自覚するようになる[9]。最終的に和解には至らなかったものの、父に与えられたEVAにより、シンジは自分の居場所や、自分を必要としてくれる存在を見出すことになる。
鈴原トウジ・相田ケンスケ
クラスメイト。紆余曲折を経て友人になった彼らの存在は思いのほか大きく、彼らといる時のシンジは年頃の少年らしい表情を見せ、内向的な性格の改善にも繋がっていく[4]
渚カヲル
初めて自分のことを「好き」と言ってくれた存在であり、自分を肯定してくれる彼は、親しい人たちを失い疲弊していたシンジにとって非常に大きな存在となった。それだけに、彼が使徒だと知った時の心の傷は深く、また自らの手で殺したことにより、シンジの心に追い討ちをかけるものとなる。
漫画版

漫画版では、アニメ版の特徴的台詞だった「逃げちゃダメだ」を口にしなかったり、嫌悪するゲンドウと自らの意思で向き合おうとする場面や初めてエヴァに乗った際にも心の中で「ふん、おもしろいじゃないか、やってやる!」と言ったり、初めて会ったミサトに対しこちらも心の中とはいえ「ヘンな女」と辛辣な表現で言い放つなど性格に差異が見受けられる。アニメ版においてのシンジはナイーブであることがストレートに伝わる反面、漫画版においては「ごく普通の少年」もしくは「冷めた子供」というキャラクターで成り立っている。これらの差異は、漫画版を担当している貞本によると、「小・中学校で委員長だった庵野監督とおちこぼれだった自分との違いが、シンジの性格に表れている」「テレビアニメ版のシンジは優等生的だが、漫画版のシンジは子供っぽくひねくれている」とのこと[3]

母・ユイの死後、第3新東京市に来るまで、父・ゲンドウにより伯父(ユイの兄)の家族に預けられていた[12]。表面上は平凡な生活を送っていたが、ユイの死による噂や世間体、伯父一家との関係を気にしていたため、複雑な環境で育つ。これが原因で、シンジ自身に「良い子でいなければいけない」という生き方を強要させ、人格に少なからぬ影を落としていた。また、本来は器量の良い性格だが、周囲には冷淡で協調性がない内向的な優等生としてふるまっていた。

物語後半で心理的に追い詰められていく物語の進行そのものにほぼ変化はないが、レイとはより親交関係を深める描写が多くあり、レイをよく気にかけ、互いに手を繋いて心を通わせたり、彼女の死の際には「君を失いたくない」と涙するほどで、彼女に対する想いの強さがうかがえる。レイと相思相愛の仲になる点は漫画版のファクターとなっている。

フィフスチルドレンである使徒タブリス=渚カヲルはアニメ版に比べ早くから登場するが、距離感の取り方が分からず遠慮無く接してくるカヲルに対して強気な態度で接することも多く、アニメ版のような依存・傾倒はほとんどしなかった[注 3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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