二段階目の解離に関するエンタルピー変化、ギブスの自由エネルギー変化、エントロピー変化および定圧モル比熱変化は以下の通りである[9]。解離に伴うエントロピーの減少は、イオンの電荷の増加に伴う水和の程度の増加に起因する。
Δ H ∘ {\displaystyle \Delta H^{\circ }} Δ G ∘ {\displaystyle \Delta G^{\circ }} Δ S ∘ {\displaystyle \Delta S^{\circ }} Δ C p ∘ {\displaystyle \Delta C_{p}^{\circ }} 濃度98%の硫酸の融点は3 ℃、比重は1.84 (15 ℃) である。204 ℃、98.33%の濃度で水と三酸化硫黄の分圧が等しくなるため、不揮発性ではあるが、温度を上げるだけではこれ以上濃度を高めることはできない。 濃度が薄いほど密度が水に近くなり、濃度が高くなるにつれて密度と粘稠性(粘り気)が増す。硫酸の粘度 (Pa s) は多くの液体で見られるように温度の上昇とともに低下し、常温25 ℃、1気圧では、23.8×10-3であるが、50 ℃で11.7×10-3、100 ℃では4.1×10-3となる。しかし、ヒドロキシ基により強い水素結合が生成されるため[12]、粘度は水の数十倍にもなる[16]。 硫酸溶液の濃度と密度の性質を利用して鉛バッテリー液などでは、液比重計を使用して硫酸溶液の濃度を測定している。 純硫酸の25 ℃における比誘電率は101であり、イオン解離に有利な溶媒であるといえる[11]。 質量濃度 H2SO4密度 (kg/L)モル濃度 (mol/L)一般名 (鉛電池で使用) 肥料酸 グラバー酸 硫酸を発見した人物として2人の名前が知られている。1人は8世紀のイスラム世界の錬金術師、ジャービル・イブン=ハイヤーン(ラテン名ゲベルGeber)であり、ミョウバンもしくは緑礬(りょくばん、硫酸鉄(II) 7水和物を主体とする鉱石)を乾留して硫酸を得たとされている。
第二解離?21.93 kJ mol−111.38 kJ mol−1?111.7 J mol−1 K−1?209 J mol−1 K−1
物理的性質
<29%1.00-1.25<4.2希硫酸
29?32%1.25?1.284.2?5.0バッテリー液
62?70%1.52?1.609.6?11.5チャンバー酸
78?80%1.70?1.7313.5?14.0タワー酸
93.2%1.8317.466 °Be (ボーメ度66の硫酸)
98.3%1.8418.4濃硫酸
歴史
イスラム錬金術アランビック蒸留器