破裂音
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また破擦音を閉鎖音の一種とする[4]

現在の音声学では使われないが、古くは黙音(もくおん、mute)とも言った。伝統的なラテン語の文法書などで「名詞第三曲用の黙音幹」のように使用される。
調音過程

破裂音の調音過程は以下のような段階に分けられる。
閉鎖の形成 - 口腔内で閉鎖を作って気流が逃げないようにする。ここから閉鎖音の名がある。鼻音の場合は、口蓋帆が下がって気流が鼻腔から抜ける。

閉鎖の持続

閉鎖の開放・破裂 - 閉鎖が開放される瞬間に空気の破裂が生じる。ここから破裂音と呼ばれる。

内破・不破

上記の過程1、閉鎖を形成する際に、開かれた状態から急激に閉鎖を作った場合にも破裂の音が生じることがある。これを内破といい、過程3の閉鎖の開放で作られる破裂を外破とよぶ。通常の破裂音は外破の音であるが、いくつかの言語の語末で閉鎖を開放せず、内破のみで終わる音を持つものがある。これを内破音と呼ぶ。開放がないことから無開放閉鎖音と呼ばれることもある。ただし、無声の状態から閉鎖が形成されたときには内破は起こらないので、これは不破と呼ばれる。
破裂鼻音

なお、口蓋帆を下げて鼻腔を通る声道を開放した状態で、口腔内で閉鎖を作って鼻腔に共鳴させる音を鼻音という。調音方法として口腔内に閉鎖を作っていることから鼻音を破裂鼻音と呼び、鼻腔への通路を閉鎖して発する通常の破裂音を破裂口音と呼ぶことがある。なお鼻音は次の母音にわたる瞬間に口腔内の閉鎖が開放され破裂が起こっている。このことは有声の鼻音では顕著に表れないが、無声の鼻音では聞き取ることができる。
鼻腔開放・側面開放

破裂音の調音過程のうち最後の閉鎖の開放の段階で、口蓋帆を下げて鼻腔から開放するものを鼻腔開放、舌の両脇を開放するものを側面開放と呼ぶ。それぞれ同じ調音位置の鼻音や側面音が続く場合に発生することが多い。
前鼻音化

鼻腔開放とは逆に、閉鎖の形成時に鼻音を伴うことを前鼻音化と呼ぶ。
破擦化

破裂音を調音した後で、閉鎖を一気に開放せず、同じ調音部位で隙間を作ると摩擦音が伴うことになる。これを破擦化といい、この2つの音は連続していて音節の切れ目が存在しないので1つの音として扱われ破擦音と呼ばれる。
テンス

朝鮮語の無声破裂音では喉頭の筋肉の緊張を伴うか(テンス)そうでないか(ラックス)によって意味を弁別している。
国際音声記号

国際音声記号(IPA)では Plosive として定義されている[2]。Plosiveクラスに属する音には以下がある[5]

[p] - 無声両唇破裂音

[b] - 有声両唇破裂音

[t] - 無声歯茎破裂音

[d] - 有声歯茎破裂音

[ʈ] - 無声そり舌破裂音

[ɖ] - 有声そり舌破裂音

[c] - 無声硬口蓋破裂音

[ɟ] - 有声硬口蓋破裂音

[k] - 無声軟口蓋破裂音

[?] - 有声軟口蓋破裂音

[q] - 無声口蓋垂破裂音

[ɢ] - 有声口蓋垂破裂音

[ʔ] - 声門破裂音

参考文献

加藤重広, 安藤智子 (音声学)『基礎から学ぶ音声学講義』研究社、2016年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 9784327377434全国書誌番号:22771671。 

脚注^ a b 加藤重広 & 安藤智子 2016, p. 24.
^ a b 出典: 国際音声記号#IPAチャート、肺臓気流子音表、1行目
^ 服部四郎『音声学 カセットテープ, 同テキスト付』岩波書店、1984年(原著1950年)、12, 4頁。 
^ Ladefoged, Peter (2001). A Course in Phonetics (Fourth ed.). Heinle & Heinle. pp. 10, 147-149. ISBN 0155073192 
^ 参照: 国際音声記号#IPAチャート

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