研磨材用のダイヤモンドと立方晶窒化ホウ素とは、主に 静的高温高圧法で、炭化ケイ素は抵抗型の電気炉で製造する。電融コランダム塊はアーク炉で製造する。研磨材は、数mmから数μmの範囲で数十種類の粒度に分けられた粒体ないし粉体であるから、大きい素材は、そのサイズに応じて階梯的に、各種の粉砕機で細かくしてゆく。そうして作った素材には、未反応原料、副産物、装置材料などの不純物が混ざるので、相応する選別・精製処理を行う。細かい粒度の粉砕では、たとえば、コランダム質の粉をつぶすのにコランダム質のライニングとアルミナ質ボールとのボールミルを使う、というような汚染防止もできるが、それに先立つ粗い粒はほとんど鉄鋼の刃板の粉砕機で粉砕するので、混入する鉄分を除去する工程として磁力選別、酸洗などが付帯的に必要となる。
研磨材の重要な性状のひとつは、粒度の正しさである。粒度がずれていると削る作業の勝手が狂ってしまう。また粗い粒が混入していると、磨く表面に致命的な傷をつけてしまう。そのため、JISでは粒度を規定している。
JISでは、炭化ケイ素およびコランダム質研磨材につき、[JIS R6001:1998 研磨材の粒度]は、径約4mm強から径約50μmまでの「粗粒」の範囲で26段階、径約50μm強から径約3μmまでの「一般研磨材用微粉」の範囲で11段階、径約60μmから径約1μm強までの「精密研磨用微粉」の範囲で18段階、の粒度を定め、それと別に、「JIS R6010:2000 研磨布紙用研磨材の粒度]は、径約2mmから径約60 μm強までの研磨布紙用研磨材「粗粒」の範囲で15段階の、粒度を定めている。径約と苦しくいうのは、研磨材の径は決してパチンコのタマのように一様でなく、正規分布的な幅をもつからである。
JISのいう「粗粒」の範囲の粒度分け(分級という)は、ふるい(篩)を用いる。
JISのいう「微粉」の範囲の粒度分けは、一個の球形固体粒子が無限に広い流体中を沈降する場合、その沈降速度は粒子径の2乗に比例するというストークスの式を利用した、水中の沈降速度の差を用いる。
いくつかの仕上げ処理
粒形処理
@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}力ずくで相手を削る砥石用の研磨材は、密に詰る形の、すなわち、球に近い形が望ましい。そのために、研磨材をボールミルなどで共摺りしたりする[要出典]。逆に、サラサラと軽く仕上げる砥石用の研磨材は、尖った形が望ましい。また、研磨布紙に研磨材を埋めこむには、あらかじめ接着剤を塗った布紙を下向きにし、下に敷いた研磨材との間に静電圧をかけて研磨材を跳び上がらせるので、この場合も尖った形が望ましい。更に、跳び上がった際に長径が垂直の向きに貼りつくので、尖った形にすることで製品の切れ味が良くなる。粉砕機の機種によっては、粉砕した粒の形を変えることができる。また、横向きの気流の中に研磨材を注ぐと粒の形が細長いほど遠くへ飛ぶことを利用して選別できる。
表面処理
研磨布紙に研磨材を埋めこむ際には静電界で研磨材を跳び上がらせるが、粒の電気伝導度の高い方が静電界で跳び上がりやすい。炭化ケイ素は粒の電気伝導度に問題ないが、コランダム質研磨材は薬品を散布することで表面処理し跳び上がりやすくすることもある。また、砥石作成時における研磨材と結合剤とのなじみをよくするため、研磨材に表面被膜を付けることも広く行われる。
熱処理
褐色電融アルミナの研磨材では、加熱することで粒内の非晶質を表面に滲み出させ、破壊の起点となる傷を埋めて壊れにくくさせることがある。
用途
サンドブラスト、バレル研磨