砂嵐
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、自然現象について説明しています。テレビ用語については「スノーノイズ」をご覧ください。
砂塵嵐に包まれた町(クウェート迫ってくる砂塵嵐(ハブーブ)に伴う砂塵の壁。前面に凹凸構造が見えている。(アフガニスタン航空機から見た砂塵嵐(ナミブ砂漠大西洋を渡るサハラ砂漠の砂塵嵐の衛星画像

砂嵐(すなあらし)または砂塵嵐(さじんあらし)とは、強風により激しく吹き上げられ、空高くに舞い上がる現象。空中の砂塵により、見通しが著しく低下する。砂漠や半乾燥地において発生する[1][2][3][4]。なお砂嵐という語は、砂を主体とする狭義の砂嵐を指す場合と[1]、より広く砂塵嵐と同じものを指す場合とがある[1][2][3]
定義[ソースを編集]

土壌粒子(砕屑物)には粒径による「砂」(2 - 0.0625ミリメートル(mm))「シルト」(62.5 - 4マイクロメートル(μm))「粘土」(4μm以下)の区分がある[5]。風に巻き上げられている地表物質が、砂を主体とするとき「砂嵐」(: sandstorm)、シルトを主体とするとき「塵嵐」(duststorm)と呼び分けることもある[1][6]。しかし、どの砂嵐・塵嵐も粒径の分布は連続的であるため、この区別は厳密なものではない[5]

気象観測における砂塵嵐(duststorm)は、塵や砂が強風により空中高く大量に吹き上げられ、目の高さの視程(見通し)が1キロメートル(km)未満となるものをいい、世界気象機関による共通の定義となっている[5][7]。猛烈な砂塵嵐では、視程がゼロとなることさえある[5]。なお、視程の低下が弱かったり、砂塵が目の高さより低い程度に吹き上げられたりしているものは風塵(blowing dust)という[5][7]

砂塵嵐に強度区分を設けている国もある。アメリカでは"duststorm"のうち視程が5/16マイル(約500 m)未満と極端に悪化したものをsevere duststorm(激しい砂塵嵐)[8]とする。中国では"沙?暴"(砂塵嵐)のうち視程が500 m未満のものを"?沙?暴"、さらに50 m未満のものを"特?沙?暴とする[9]

研究や政策立案の場面でsandstormとduststormを総称するSand and dust storms (SDS) という用語を用いることもある[10]
観測[ソースを編集]

国際気象通報式[注釈 1]では、観測時に砂塵嵐があるかどうか、観測所付近になくとも遠方に見えるかどうか、砂塵嵐の3段階の強度、前1時間内の濃度変化(薄くなった/変化がない/濃くなった)、雷を伴うかどうかの組み合わせで区分される天気から選択して報告する。砂塵嵐の基本の記号は、弱または並の強度が、強い強度が(参考として、風塵は)。ただし、自動観測では「地ふぶき又は風じん」の視程1 km以上または1 km未満の区分だけが定義されている[11][12]

航空気象の通報式[注釈 2]では、「その他の現象」欄にて、sandstormを表すSSおよび、duststormを表すDSを用いて特記する。ほかに「視程障害現象」の欄のDUがちり、SAが砂を表し、「特性」の欄の低いを表すDR、高いを表すBLと組み合わせて用いる[13][14]

ラジオ気象通報などの日本式天気図における「砂じんあらし」の天気記号は「」。観測時に視程1 km未満の砂塵嵐があって、雨や雪が降ったり、雷が鳴ったり霧が出ていないとき、天気を砂じんあらしと記録する[15][16]。なお日本では、気象台で目視により砂塵嵐などの観測を行っていたが、2019年から2024年にかけてほとんどの気象台で天気が自動観測に代替された影響で、東京と大阪を除き観測を終了している[17][18][19]

砂嵐・砂塵嵐の強さを粒子状物質PM10やPM2.5の濃度で表すこともある。濃い砂塵嵐ではPM2.5の1時間あたり最大濃度が1000マイクログラム毎立方メートル(μg/m3)を超え、猛烈なものではPM10が15,000 μg/m3を超えることがある[5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:88 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef