石炭紀
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環境

多くの地域は年間を通して季節の変化はあまりなく、1年中湿潤な熱帯気候であったといわれる。一方で南極では氷河が形成されるなど、寒冷化が進行しつつあった[1]。石炭紀には木材のリグニンを分解できる菌類が十分に進化しておらず[2][3]森林の繁栄により大量の炭素が石炭として固定化され、ペルム紀初期の大気中の酸素濃度は35%に達したといわれる(現代は21%)[4]。このことが動植物の大型化を可能にしたと考えられている。
また、植物が繁栄したことで大量の二酸化炭素が吸収され、その多くが大気中に還元されずに石炭化していったため、大気中の二酸化炭素濃度が激減した。これが寒冷化と氷河の発達、ひいては氷河時代の一因とされる。
単弓類(哺乳類型爬虫類)が一番栄えたのは石炭紀に次ぐペルム紀(2億9900万年前から2億5100万年前頃)であり、高酸素下で呼吸に支障はなかった。その後、二酸化炭素低下による寒冷化に伴う植物の炭素固定能の減退及び菌類によるリグニンの分解などにより酸素濃度は減少し続け、最終的にジュラ紀前期の約2億年前には酸素濃度は12%まで低下した。哺乳類型爬虫類の一部や哺乳類が獲得していた横隔膜式の呼吸は低酸素下では換気能の低さが問題となった。鳥類は気嚢を持ち、鳥類の祖先である恐竜(少なくとも竜盤目)も同様に換気能の高い気嚢を持ち、低酸素下で支障がなかったと考えられている。この低酸素環境が哺乳類型爬虫類の大部分の絶滅を引き起こし、中生代の恐竜の発展の一因となったと考えられている[4]

巨大な陸塊であるゴンドワナ大陸の南部が南極にあったこともあり、ここには大規模な氷河(氷床)が形成されていき、終盤に氷河時代が訪れた。
地質

地質的にはバリスカン造山運動の活動期に当たる。デボン紀から存在していたライク海(リーク海、レーイック海またはミドローピアン海とも呼ぶ)はゴンドワナ大陸ユーラメリカ大陸にはさまれて末期には消滅し、これがやがて次の時代のパンゲア大陸となる。ライク海の消滅と歩調をあわせるかのように生物の陸上進出も進んだ。

この他にもシベリア大陸、カザフ大陸(カザフスタニア)などの小さな大陸が存在していた。
脚注
注釈[脚注の使い方]^ ペンシルバニア紀、ペンシルヴァニア紀とも書かれる。

出典[脚注の使い方]^太古の世界 - 石炭紀 - ナショナルジオグラフィック日本語公式サイト
^ Dimitrios Floudas, et al. "The Paleozoic origin of enzymatic mechanisms for decay of lignin reconstructed using 31 fungal genomes" Science 29/6/2012
^ 東京大学 農学生命科学研究科 研究成果、リグニン分解酵素の進化が石炭紀の終焉を引き起こした?担子菌ゲノム解析コンソーシアムの共同研究成果がScience誌に掲載、2016年10月7日閲覧
^ a b 長谷川政美 「系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史」p102ほか、2014年10月25日、ベレ出版、ISBN 978-4-86064-410-9

参考文献

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関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、石炭紀に関連するカテゴリがあります。

地質時代 - 顕生代 - 古生代

外部リンク

“ ⇒
地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2014年1月改訂版”. 日本地質学会. 2014年3月19日閲覧。

“INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2016年5月9日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。

仲田崇志 (2009年10月29日). “ ⇒地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月14日閲覧。










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