石油精製
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

なお2013年時点の石油精製・石油化学産業で消費されるエネルギーの約40%は蒸留操作による分離・精製によるものである[1]
分解装置

分解反応によって、高沸点の重質留分からより低沸点の軽質油を得るプロセスである。流動接触分解(FCC)、熱分解、水素化分解(ハイドロクラッキング)などのプロセスがある。

この工程により、初期蒸留工程のものよりもオレフィンに富む軽油製品や、オクタン価の高いガソリンを生成することができる。低沸点の軽質油は需要が高く、この工程により原油からは蒸留装置のみの場合より製品収量を上げることができる。
不純物除去

触媒の存在下で原料油に水素を加えて反応させ、硫黄などの不純物を除去する水素化精製が代表的である。
性状改善

触媒反応によってガソリンオクタン価を高める接触改質が代表的である。
付帯設備

製造設備が消費する電力、水、燃料、蒸気、圧縮空気などを供給するユーティリティー設備、廃水処理設備などの環境関連施設、入出荷に関わるタンクパイプライン貯油施設港湾施設などがある。また火災防止のためタンクに固定泡消火設備、消火栓、化学3点セットあるいは化学2点セットを完備している[疑問点 – ノート]。また、漏油防止のため、オイルフェンスや吸着剤、回収船を備えている。
石油製品

液化石油ガス(LPG)、ガソリンナフサ灯油、ジェット燃料油、軽油、潤滑油ベースオイル、重油アスファルトなどがある。設備構成によっては、芳香族炭化水素やプロピレンなどの石油化学製品も生産される。
製油所

日本にある主な製油所において、設備が能力いっぱいで稼動する際の一日あたり処理量(BPSD)は、2008年時点で、各常圧蒸留装置の合計で4,894,924バレル、各減圧蒸留装置の合計で1,774,500バレルである[2]

2017年4月には、常圧蒸留装置能力は合計351万8,800バレル/日 (製油所数:22ヵ所)になっている[3]。「Category:日本の製油所」を参照

先進国では近代的な設備を有する製油所が一般的であるが、後進国の違法製油所では単に原油を煮詰めて蒸留を行う原始的な手法が採られている。ナイジェリアの例では、1日40万バレルの原油が盗まれて違法製油所で処理されており、深刻な大気汚染や違法施設の爆発事故などが問題となっている[4]
脚注・参照[脚注の使い方]^ 「戦略プロポーザル-分離工学イノベーション?持続可能な社会を実現する分離の科学技術?」、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、2016年3月、2017年2月2日閲覧。 
^製油所装置能力・装置別潤滑油精製設備一覧(2008年4月1日現在 資料:石油連盟 技術環境安全部 技術グループ)<潤滑管理とメンテナンスのポータルサイト:ジュンツウネット21
^http://www.paj.gr.jp/statis/statis/data/08/paj-8精製能力一覧201704.pdf石油連盟 製油所の所在地と原油処理能力(2017年4月末現在)
^ “違法製油所で爆発、子どもを含む109人死亡 ナイジェリア”. CNN (2022年4月25日). 2022年4月24日閲覧。

関連項目

石油

化石燃料

油田

石油化学

石油製品

石油燃料

ガソリン

バレル

古生物

水素化脱硫 - 水素化脱硫装置

外部リンク

Petroleum refining
(英語) - Encyclopedia of Earth「石油精製」の項目。

典拠管理データベース: 国立図書館

ドイツ

イスラエル

アメリカ

日本


記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:12 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef