貯油施設には大量の油が貯蔵されているために一旦火災が起こってしまうと、その鎮火は難しく[注 2]、また災害につながる恐れも大きい。油は可燃物であるし、中には容易に揮発する成分が含まれる油(ガソリンなど)もあるために、貯油施設では火気の扱いには細心の注意を必要とする。 日本で貯油施設は水質汚濁防止法施行令によって「原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油、動植物油を貯蔵する施設。」と定義されており、例外規定は同施行令の別表にて記述されている[1]。 この日本の定義における貯油施設の具体的な施設例としては、次のようなものがある。 このように、油は地上や地下に設置した専用のタンクに貯蔵されている。なお、世界の中でも比較的地震の多い日本では、一般的な建築物よりも耐震基準が厳しく定められている。このため日本では、一般的な市街地の中にもあるガソリンスタンドを、大規模な地震が発生した際にも倒壊していないであろう建築物と考えて、何らかの活用法がないか模索する動きも見られる。 貯油施設に関係する日本での法令としては、次のようなものがある。 典拠管理データベース: 国立図書館
日本における扱い
具体的な施設例石油貯蔵タンク
ガソリンスタンドの地下タンク
石油コンビナートの石油貯蔵タンク
日本における関連法令
消防法
土壌汚染対策法
石油コンビナート等災害防止法
建築基準法
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 多くの空港が貯油施設を備えている。空港の中には内陸部に立地するものも多数あるので、その意味では「通常臨海部に貯油施設が立地する」ということには語弊があるかもしれない。ましてガソリンスタンドなどの小規模な貯油施設ならば、至る所に設置されている。同じく、空港の傍に製油所があるケースというのもあまりない、というよりもむしろそんな立地は危険なので、「通常製油所の近くに貯油施設が立地する」ということには語弊があるかもしれない。ただし、空港付属の貯油施設はフューエルファームズ(fuel farms)、つまり、燃料貯蔵所と呼ばれることが普通である。通常の貯油施設はoil depotと呼ばれるので、英語では両者が明確に区別されていると言える。
^ 例えば2011年3月の東北地方太平洋沖地震の時に千葉県の貯油施設で発生した火災は、事実上、中の油が無くなるまで鎮火することができなかった。
出典^ “水質汚濁防止法施行令
関連項目
石油精製
危険物
石油備蓄
油井
石油プラットフォーム
鶴見貯油施設
兵站
油槽所
ドイツ