石川県を訪れる観光客は2021年(令和3年)で約1,230万人と見られ[12][注釈 3]、このうち約518万人が金沢地域[注釈 4]、約400万人が能登地方、約238万人が(金沢市周辺を除く)加賀地方[注釈 5]を訪れたとされる[13]。主要観光地で利用者数が多いのは、金沢市では兼六園、金沢城公園、金沢21世紀美術館、ひがし茶屋街、能登地方では輪島市の輪島朝市、七尾市の和倉温泉、能登食祭市場、羽咋市の気多大社、同市と宝達志水町に跨る千里浜、加賀地方では加賀市の山代温泉、山中温泉、片山津温泉、小松市の粟津温泉、木場潟公園、白山市の白山比盗_社などである[14]。
全国47都道府県で唯一、太平洋戦争で空襲を受けていない[15]。 日本の本州中央部の日本海側にある。全国8地方区分では中部地方に当たり、日本海側の北陸地方に位置している。県域は、東西100.9 km、南北198.4 km、面積4,186.05 km2を有し、海岸線の総延長は581.0 kmに及ぶ[16]。南北に細長く、中央部がくびれた砂時計や、アルファベットのFのような形状をしている。西側、北側、北東側は日本海に面しており、南西側は福井県に、東側は富山県に、南東側は岐阜県に隣接している。なお、日本の領海を確定するために設定されている基線は輪島市舳倉島北東端から(富山県を経ず)新潟県佐渡市ネイ島西端まで直線基線が引かれている[17]。 石川県の位置[16]県庁所在地東端西端南端北端
地理・地域
位置
金沢市
鞍月1丁目1番地珠洲市
姫島加賀市
塩屋町(塩屋漁港)白山市
赤兎山山頂輪島市
舳倉島
北緯36度35分40秒 東経136度37分32秒 / 北緯36.59444度 東経136.62556度 / 36.59444; 136.62556
自然地理能登地方と加賀地方の地形は対照的詳細は「石川県の自然地理一覧」を参照
石川県の地形は、県北部の能登地方と県南部の加賀地方とで対照的な特徴を有している[18]。外浦の能登金剛(志賀町)
能登地方は日本海に向かって北東方向に突き出た半島(能登半島)である。第三紀に形成された火山岩や堆積岩からなる丘陵状の山地が広がっている[18]。一級河川はなく、町野川、大海川などの二級河川が54水系指定されている[19]。半島沖の海底は舳倉島付近まで大陸棚が続いており、その先も白山瀬や大和堆などの中深度海域が見られる[20][21]。半島北部は、概ね標高300m以下の低山地と丘陵地帯が連なる準平原で、全体として富山湾側に下降する背斜構造をしている。このため北西側の外浦(そとうら)は急峻な海食崖が形成され、海岸段丘が発達しているのに対して、南東側の内浦(うちうら)は沈降性の入り組んだ海岸線をしている。また、内浦の最深部に能登島があり、七尾湾が島を取り囲んでいる[5][19]。半島中央部には、眉丈山南麓の断層が落ち込んで形成された帯状の低地帯(邑知潟地溝帯)が半島を横切っている[18]。半島南部は宝達山を中心とする低い山地(宝達丘陵)が南北に連なり、西側の海岸線は長い砂浜海岸(千里浜)となっている[19][22]。県最高峰の白山(白山市)
加賀地方は南東部に白山(2,702m)を最高峰とする山地帯(両白山地)が発達し、北西に流れる河川によって形成された沖積平野(加賀平野、金沢平野)が南北に広がっている[22]。白山は中国山地を経て九州北部に延びる白山火山帯に属しており、一帯には火山岩や凝灰岩が分布している[18]。加賀地方の中央部を流れる手取川は白山を水源に日本海に注ぐ、長さ72km、流域面積809km2の一級河川で、石川県最大の川である[23]。流域の90%が山地であり、平均勾配が約27分の1という日本有数の急流河川である[24]。上流部は川の浸食作用で渓谷となり、中流部には河岸段丘が発達している。下流域は白山市鶴来地区(旧・鶴来町)を扇頂とし、中心角120度、半径12?13kmの扇状地(手取川扇状地)を形成している[18][22]。梯川は加賀地方南西部の白山山系大日山連峰の鈴ヶ岳を源流とする一級河川で、長さ42km、流域面積は271.2 km2である[25]。加賀地方北部に当たる金沢市内を流れる犀川と浅野川はいずれも二級河川である。流域には河岸段丘が発達している[5]。加賀地方の海岸部は単調な砂浜海岸であり、北部には内灘砂丘がある[26]。また、海沿いの平野部に木場潟、柴山潟、河北潟などの潟湖が点在している[5]。
自然公園白山の高山植物クロユリ。