石器
[Wikipedia|▼Menu]
岩手県宮守村(現在の遠野市)の金取遺跡から出土している。
削器、スクレーパー (scraper)
F.ボルドによると剥片の先端部分を打ち欠いて刃をつけた石器。
掻器、端削器、エンド・スクレーパー (end scraper)

削器、側削器、サイド・スクレーパー (side scraper)

彫器、刻器、グレーバー、ビュラン (graver, フランス語: burin)

バックド=ブレード (backed blade)

石錐
錐状に尖らせた石器。皮革などに穴をあけるために使用したと思われる。
石錘
漁網や釣り糸の下部に付けておもりとして使用した石器。織物を張る際にも使用したと考えられる。
ナイフ形石器 (knife blade)
石刃から創り出した石器の一種。東アジアの他の地域には見られない日本独自の石器である。後期旧石器時代の中盤から後半にかけて発達した。地方によって様々な型式が見られる
ノッチ、抉入石器 (notched tool)

尖頭器
木葉形で東日本を中心に発達した。ナイフ形石器に後続する主要石器である。
細石器 (microlith)

石匙
携帯に便利なように工夫された、日本の石器。
石斧
英米では刃が柄と平行なものを平行刃斧 axe(ax), hatchet、刃が柄と直交しているものを直交刃斧 adze(adz) と呼ぶ。後者は比較的小型軽量で、片手で使えるものを指すことが多い。
局部磨製石斧

石篦

石鏃

石銛

磨石

凹石

石皿

台形様石器
後期旧石器時代の初め頃に出現する打製石器。九州から北海道まで広範囲に分布する。台形状または長方形状に仕上げた小型の剥片石器。柄を付けて付けて刺突具または切削器に使用したと推定される。台形様石器の一部はペン先形をしており、槍先として使用されたものと推定されている。
石棒
男性器を石で象った推測されるもので、女性を表現したとみられる土偶と対照的なもので、祭祀のための縄文時代の遺物である。その出現は前期初頭である。中期になって類例が増える。出土範囲は、中部高地を中心に関東地方西部から北陸地方までである。造形は、出現時には小さな川原石を細長く整形したものであったが、中期になると頭部に鍔(つば)を巡らせ、その上下に円や三角形の文様を彫り込むものが出現している。この時期に長さが1メートルを超えるものも出現している。その背景として、縄文社会の祭祀が集団化し、集落から地域へと大規模化していったことが考えられる[14]
石冠
冠に似ている石製品。縄文時代前期の北海道の物と、中部地方西部を中心に近畿地方東北地方に分布する縄文時代晩期の物がある。石冠を模した土器が東北地方から出土している。
岩偶
石偶ともいう。石製の人形で、土偶と同じように信仰と関係があるものと考えられている。
石器の製作
石材

石器の材料は岩石や鉱物である[3]

日本列島の旧石器時代に用いられた石材の代表的なものは、黒曜石硬質頁岩サヌカイトなどがあげられる。

北海道地方 - 東部に遠軽町白滝黒曜石原産地、西部に赤井川黒曜石原産地がある。

東北地方 - 広く硬質頁岩が分布。

関東地方 - 太平洋沖には神津島黒曜石原産地がある

中部地方 - 中部山岳地帯には和田峠の黒曜石原産地がある。

近畿・中四国地域 - サヌカイト奈良県二上山および香川県五色台坂出市にある金山などで産出する。

※この石材の節は、「後期旧石器時代の地域色」堤 隆 『日本の考古学』奈良文化財研究所編 学生社 2007年を参照した。
石核と剥片

石に打撃や圧力が加えられて割れたとき、発生した欠片を剥片 (flake)、 欠片が取れた核の部分を石核 (core)という[3]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 石臼は新石器時代から使われて始めたと推定されているが、現代でも現役の道具として使われ続けている。
^ ドイツのマックスプランク研究所が2010年、クロアチアで発見されたネアンデルタール人の骨からDNAの再現に成功し、それとホモサピエンスのDNAを比較してみたところ、ホモサピエンス(のユーラシア大陸に住む人々、つまりヨーロッパ人やアジア人など)のDNAにネアンデルタール人由来のDNAが1?2%程度まで含まれていることが判明した。それを発表したところ、それまでネアンデルタール人とホモサピエンスは「あくまで枝分かれして、別の存在、無関係」と考えられていたので、世界の学者・科学者に衝撃が走った。「白人」の肌が白いのはネアンデルタール人由来とも判明。(なお、アフリカに留まりそこで生き続けた人類、つまり現在のアフリカ人のDNAにはネアンデルタール人由来のDNAが含まれていないことも判明した。)NHK『コズミックフロント☆NEXT』「ネアンデルタール人はなぜ絶滅したのか?」の放送回でも、近年の研究により明らかになったことが紹介されている。
^ 石塊(せっかい)の芯の部分を石器とする
^ 石塊から剥ぎ取られた剥片を細部加工した石器
^ 石器の素材となったり、石核形状を整えるため剥離されたりしたカケラ
^ 石核とは剥片が剥がされた残りの石塊
^ 砕片とは、石器の細部加工時に飛び散った微細なカケラ
^ 東アフリカのゴナ遺跡から発見された250万年前の石器が世界最古とされている

出典^ a b c d e f g h i 『日本大百科全書(ニッポニカ)』「石器」。松沢亜生 執筆。
^ “石器(せっき)の意味”. goo国語辞書. 2020年11月5日閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m 大原昌宏「分類学者の養成 : パラタクソノミスト養成講座について(<特集>分類学者は生物多様性条約にどう関わっていくべきか?)」『昆蟲.ニューシリーズ』第13巻第2号、日本昆虫学会、2010年、83-92頁、doi:10.20848/kontyu.13.2_83、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 1343-8794、NAID 110009859999。 
^ 松藤和人・門田誠一編著 『よく分かる考古学』 ミネルヴァ書房<やわらかアカデミズム>・<わかる>シリーズ 2010年 p.10-11
^ a b c 岡村道雄「石器」(田中琢佐原真編集 『日本考古学事典』 三省堂 2006年 p.490-495)


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:46 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef