短期大学
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但し、通常の学位(短期大学士)は授与されず、短期大学士の代わりに文部科学大臣認定の学位が授与される。「専門職短期大学」を参照
設置基準

学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第三条、第八条及び第八十八条の規定に基づいて、短期大学設置基準としている[9]
単位

第七条

各授業科目の単位数は、短期大学において定めるものとする。

前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、第十一条第一項に規定する授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、おおむね十五時間から四十五時間までの範囲で短期大学が定める時間の授業をもつて一単位として単位数を計算するものとする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業については、短期大学が定める時間の授業をもつて一単位とすることができる。

前項の規定にかかわらず、卒業研究、卒業制作等の授業科目については、これらの学修の成果を評価して単位を授与することが適切と認められる場合には、これらに必要な学修等を考慮して、単位数を定めることができる。


第八条(一年間の授業期間)

一年間の授業を行う期間は、三十五週にわたることを原則とする。


第九条(各授業科目の授業期間)

各授業科目の授業は、十分な教育効果を上げることができるよう、八週、十週、十五週その他の短期大学が定める適切な期間を単位として行うものとする。


卒業の要件

第十八条

卒業の要件は、修業年限が二年の短期大学においては六十二単位以上を、修業年限が三年の短期大学においては九十三単位以上を修得することのほか、当該短期大学が定めることとする。


第十九条(夜間学科等についての卒業の要件の特例)

夜間において授業を行う学科その他授業を行う時間について教育上特別の配慮を必要とする学科(以下「夜間学科等」という。)に係る修業年限が三年の短期大学の卒業の要件は、前条第一項の規定にかかわらず、六十二単位以上を修得することのほか、当該短期大学が定めることとする。


歴史
第二次世界大戦前

産業革命によって、「男性は外で働き、女性は家で家事をする」という性別的分業が明治時代にホワイトカラー社会の間で出来上がったといわれる。また、義務教育修了後の進学(高等小学校や、旧制中学校または高等女学校)が少なかったため、男女問わず高等教育の就学率は低かった。
第二次世界大戦降伏直後

旧制高等学校は、学校教育法の施行以前に「ジュニア・カレッジ」として短期大学に相当する学校としての存続を模索したが、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) に認められず頓挫した。

大学への編入学1990年代まで制限されたため、旧制高校復活ともいえる専門教育準備のための一般教育系学科を置く短期大学の設置はなく、わずかに学芸学部の2年課程や専門課程を欠いた医学部進学課程(医進)の設置が見られた程度である。
学校教育法の施行後

1947年(昭和22年)に学校教育法が施行されて、それまでの分岐型の教育システムから6・3・3制の単線型学校体系に統一された。戦後の学制改革により、1950年(昭和25年)に暫定措置であった「短期大学」制度が認められ、1958年(昭和33年)には国会で短期大学の恒久化を図る「専科大学」法案が三度にわたって提出されたが、短期大学関係者が強く反発し否決された。同年、久留米工業短期大学に続き、長岡工業短期大学、宇部工業短期大学等の国立工業短期大学が設置されたものの、1961年(昭和36年)に「高等専門学校」制度が発足すると3校は高等専門学校に転換された。

短期大学は当初149校だったのが、1953年(昭和28年)には228校へ増加し、大学226校を追い越す[10]。その後、高度経済成長とともに短期大学は増え続け、1996年(平成8年)には598校と過去最高となり、1997年(平成9年)もの間、大学数を上回っていた[11]。しかし、1998年(平成10年)から大学604校、短期大学588校と大学数が上回り増加していく[11]
2000年代以降学校法人創志学園は、ホテルオークラとの連携や簿記会計で実績をもつ東京経営短期大学を2025年に環太平洋大学東京キャンパス(千葉県市川市)へ改組。

短期大学は特に2000年代以降、著しく減少し2014年(平成26年)には短期大学352校、大学781校と大差がついた[11]。中でも工学看護学系の分野が顕著に減少している。しかし、その大部分は4年制大学への改組であり、閉学となる場合はすでに同一学校法人が存在する場合がほとんどである。なお、大学への改組の際には校名もともに変更することが多いほか、女子短期大学からの改組の際においても同時に男女共学化する場合がある。
教育研究

短期大学を含めた高等教育機関の時代に合わせた発展等が検討され、その将来像やあり方について文部科学省中央教育審議会の大学部会で審議されている[12][13]
学位詳細は「短期大学士」を参照

他の高等教育機関との違いを示すために、短期大学は身近にあって地域連携による多彩な教育によって知識基盤社会の基礎作りを行う米国のコミュニティ・カレッジと同様に学位を与えるべきとする答申[14]があり、2005年(平成17年)に可決された学校教育法改正(施行は短期大学士に関するもののみ2005年10月1日、その余は2007年4月1日)により、従来の学術称号準学士)から学位への変更がされ、教養教育の充実を実現し国際留学などの国際交流の際に学歴について適切な評価を受けやすくなり、修了者に対する学位の授与で4年制大学への編入学の拡大がされた[15][16][17][18]

称号ではなく学位が求められる背景は、国際的な視点と要求、短期であるとはいえ正規の大学教育を受けている事実があることや、専門学校卒業生が大学の学部に編入学できるようになったことで、従来の短期大学が設置基準の異なる専門学校と同じ位置づけにあると高等学校等に捉えられるようになり、設置基準に適合する位置づけが求められたことである[19]
施設・設備

最低限必要とされる設備など

教室事務室研究室、学長室、専任職員、厚生補導の組織、資料及び図書館課外活動施設附属施設体育館運動場機械器具等。


教育環境

校地の面積は学生一人当たり十平方メートルとして算定した面積。

校舎の面積1,600m2以上


脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし、特別の専門事項を教授研究する学部、および、夜間において授業を行う学部については4年を超える場合も認められ、医学を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に関係する実践的な能力を培うことを主な目的とするもの、または、獣医学を履修する課程についての修業年限は6年。学校教育法第87条第1項、第2項
^ 学校教育法の一部を改正する法律(昭和24年6月法律第179号)
^ 学校教育法の一部を改正する法律(昭和39年6月法律第110号)
^ 設置をかわきりに国立の医療技術短期大学は増加していった。一方、医学部の拡張傾向により医療技術短期大学の4年制移行の必要性が高まり、1996年(平成8年)に大阪大学医療技術短期大学部の廃止をもって、全て医学部保健学科等に改組した。
^ なお現在、国立短期大学については全て廃止されている。
^ もともと「短期大学」を名乗っていたが、のちに「短期大学部」に改められた例も存在する(淑徳短期大学→淑徳大学短期大学部、聖徳学園短期大学→聖徳大学短期大学部など)。多くは短期大学設置のあと、四年制大学を設置した場合である。

出典^ 学校教育法第108条第1項・同第2項
^ a b c d e UNESCO (2008年). “ ⇒Japan ISCED mapping(英語)”. 2020年11月9日閲覧。


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