知的財産権
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著作権 - 思想・感情の創作的表現を保護する(著作権法ベルヌ条約TRIPS協定)。
支分権として、複製権、上演権、演奏権、上映権、公衆送信権、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳権、翻案権がある。

著作隣接権 - 実演、レコード放送有線放送を保護する(著作権法、実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約:ローマ条約、TRIPS協定)。

実演 - 著作物を演ずる実演家の権利である(録音権および録画権、放送権および有線放送権、送信可能化権、譲渡権および貸与権ならびに商業用レコードの二次使用料および貸与権)。

レコード 物に音を固定したもの(レコード)の製作者の権利である(複製権、送信可能化権、譲渡権および貸与権等に規定する権利ならびに商業用レコードの二次使用料および貸与権に基づく報酬を受ける権利)。

放送 - 無線通信の放送事業者の権利である(複製権、再放送権および有線放送権、テレビジョン放送の伝達権)。

有線放送 - 有線電気通信の放送事業者の権利である(複製権、放送権および再有線放送権、有線テレビジョン放送の伝達権)。

なお、著作者人格権(著作者の公表権、氏名表示権、同一性保持権)は人格権の一種であるため、財産権ではないが、便宜的に著作権などとともに扱われることが多い。
不正競争行為からの保護

参照:日本国不正競争防止法第2条[7]

商品表示(著名標識・周知表示)(著名表示冒用行為の禁止・周知表示混同惹起行為の禁止)- 他人の周知な商品等表示を使用して、自己の商品・営業を他人の商品・営業と混同させる行為、著名な商品等表示と同一もしくは類似の標識、需要者の間に広く認識されている商品等表示。

商品形態(商品形態模倣行為の禁止)- 販売されてから3年以内(不正競争防止法19条1項5号イ)の商品形態。

インターネット上のドメイン名(不正にドメインを使用する行為の禁止)- インターネットにおける識別情報(周知商標の保護規則に関する共同勧告「WIPO勧告」)。

営業秘密(営業秘密の保持・不正入手の禁止)- 秘密として管理されている有用な技術・営業上の情報(民法・刑法の不法行為)。

原産地表示・地理的表示(原産地等誤認惹起行為の禁止)- ある商品の地理的原産地を特定する表示(TRIPS協定第22条)。

限定提供データ(不正取得、不正使用等の禁止)- 業として特定の者に提供する情報として電磁的方法により相当量蓄積され、および管理されている技術上または営業上の情報。平成30年不正競争防止法改正で追加。

その他の権利

回路配置利用権 - 半導体回路配置を保護する(半導体回路配置保護法、集積回路についての知的所有権に関する条約:IPIC条約)。

育成者権 - 種苗の品種を保護する(種苗法UPOV条約)。

商号権 - 商人が名称を商号として利用する表示(商法第14条、パリ条約)。

肖像権(人格権)- 肖像が持ちうる、人格権にかかわる権利(憲法第13条、民法第710条)。

パブリシティ権(財産権)- 肖像が持ちうる、財産権にかかわる権利(東京高裁平成3年9月26日判決(判例時報1400号3頁)「おニャン子クラブ事件」)。
実務上は、知的財産基本法に列挙されていないパブリシティ権なども知的財産権の一種として扱われている。詳細は「パブリシティ権」を参照

タイプフェース - 日本では、原則として保護されず、著作物として保護されるには、独創性と美的特性を備え、かつ、それ自体が美術鑑賞の対象となりうる美的特性を備えていることが必要である旨が判示されている[8]。一方で、フォントデータについては、プログラムの著作物として保護されるとの主張があり、実際に立件された例がある[9]。なお、タイプフェイスを保護する条約として、タイプフェイスの保護及びその国際寄託に関するウィーン協定が作成されているが、締約国数の不足により発効していない。

歴史
知的財産権の始まり

古くは紀元前18世紀ごろから12世紀ごろにかけて、
ヒッタイトが、当時貴重であった鉄の製法(ノウハウ)を周辺民族に秘密にすることで優位を確保し、勢力を拡大した。


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