看板
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鉄道駅の構内や地下道などの壁に掲示される駅名表示・広告は、看板(「駅の看板」)と呼ばれるケースがあるが、常に呼ばれるわけではないようである。また、駅の構内や地下道などにある通路表示・出口表示や出口の場所を示す地図などは、通常、看板とは呼ばれず、むしろ案内板(案内図・サイン)と呼ばれる。

ある企業の本社ビルが立派であったり、そのビルの形状に著しい特徴があるような場合(例・日本電気の本社ビル。横から見た場合にロケットの形に似ている)には、そのビルにその企業についての広告的な表示がなされていない場合であっても、「ビル自体が、あの企業の看板だ」と比喩的に言われることもある。
掲出料金

掲出期間や時期、内容など契約内容によっても大きく左右されるが、通行量やマスコミに取り上げられる機会の高い場所の例では高めになる傾向がある。日本では、東京都渋谷駅西口の円柱状商業ビルの側壁スペースが2週間で1,300万円、東京都新宿駅東口の街頭ビジョンが2週間、30秒×4回/時・52回/日で480万円(いずれも2013年現在)といった例がある。アメリカニューヨークタイムズスクエアでは、1か月で40万ドル(2007年)といった契約例もある[3]
表面の記載

ほとんどの場合、表面に文字が記載されるが、それに加えて、写真などが表示されていることが多い。「絵」は、印刷されたものを貼り付ける場合もあるが、看板に直接絵具などで描かれる場合もある。また、目立つことを目的に、表面のみならず看板自体に特別な色(透明であることを含む)を用いているケースも多い。木製の看板の場合、彫り込みされていることもあり、形も商品に合わせるなど、さまざまなものがある。合成樹脂製の看板の場合は、文字が切り貼りされているものも多い。
規制

看板を含む屋外広告物には屋外広告物法による規制がある。都道府県政令市及び中核市は、この法律に基づき屋外広告物条例を制定し、必要な規制を行うことが可能である。そのほか、景観行政団体市町村歴史まちづくり法に基づく認定市町村も、当該都道府県と協議の上で屋外広告物条例を定め、屋外広告業の登録に関することを除いて必要な規制を行うことが可能[4]。 

違反者に対しては、都道府県知事が広告物の管理者に対し、除去ほか必要な措置を命ずることができる。はり紙、はり札、立看板、広告旗などに関しては、一定の要件を満たせば、行政側が自ら除去し、条例で定められた内容により、廃棄・売却が可能である[4]

海外の例

アメリカでは、ハワイ州(1927年から)、アラスカ州、バーモント州、メイン州で屋外広告を禁止している[5]。また、高速道路などのそばにある広告もHighway Beautification Act(英語版)で規制されている[6]

ブラジルのサンパウロでは、2006年9月に Lei Cidade Limpa(クリーンシティ法(ポルトガル語版)) が可決され屋外広告が禁止された[7][8]

フランスのグルノーブルでは、2014年11月に街頭広告を禁止した[9]


目的

良好な景観の形成又は風致の維持
[4]

公衆に対する危害の防止[4]

京都市の場合

国際観光文化都市のひとつである京都市では特に規制が厳しく、屋外広告物を都市の景観をかたちづくる重要な要素としてとらえ、1956年(昭和31年)より屋外広告物法に基づき独自の条例を制定、規制と誘導を進めてきた。対象には商業広告以外の営利を目的としないものも含む。市内全域を屋外広告物規制地域又は屋外広告物禁止区域などに指定し、町並みに応じ21に分け地域ごとに基準を定めている。区域内で屋外広告物を表示する場合は市長の許可が必要である。窓ガラス内側から表示される広告物についても一定の規制がある場合がある[10][11]
言葉として

看板には人目を引き、客を呼ぶものとの意味があり、以下のような使われ方もある。

見世(店)女=看板女:言葉としては、
浮世草子好色一代女』(17世紀末成立)から見られる[12]

看板娘:若い美人の女店員。

看板興行

看板俳優

看板演目

看板倒れ:外見が立派なのに対して中身が伴っていない様。

看板大関江戸時代相撲界で、体が大きくて見栄えがする人間を形だけの大関として客寄せにした。中には、素質を認められて実力相応の番付に下げられて角界入りした例もあった。

また、看板を片づけると店じまいのしるしになることから、閉店のことを「看板」という例もある。
落語

古典落語の「首屋」は落ちが看板という点で珍しいものである。内容は以下の通り。

貧乏が自分の首の張り子を作り、「首屋でござい」と言って回る。ある武士が試し切りをしたいので買おう、と申し出て、いよいよ首を切られる瞬間、彼は張り子の首をおいて逃げ出す。「俺が買ったのはその首だ」「いえ、こちらの首は看板でございます」
問題とメリットについて
問題
交通案内、交通標識の確認を阻害する
[2]。老朽化による落下事故[13][14]
メリット
商業の活性、明かりが多くなるため防犯効果がある[2]
出典[脚注の使い方]^ “景観:屋外広告物制度の概要 - 国土交通省”. www.mlit.go.jp. 2023年10月10日閲覧。
^ a b c U.屋外広告物等の道路景観阻害の課題と 改善の方向性 サイト:国土技術政策総合研究所
^“東芝、ニューヨーク「タイムズスクエア」にLED広告”. 日本経済新聞. (2007年12月5日). ⇒http://www.nikkeibp.co.jp/news/biz07q4/554186/ 2013年10月20日閲覧。 
^ a b c d 国土交通省公式ウェブサイト - 屋外広告物制度の概要
^ Christensen, Jean (2000年2月20日). “Hawaii Beauty Brigade Insists That Billboards Are No Sign of Progress” (英語). Los Angeles Times. 2023年10月11日閲覧。
^ “Highway Beautification Act of 1965 (HBA)”. SAGE Publications, Inc. (2004年). 2023年10月11日閲覧。
^ “過剰な屋外広告を一切禁止する「クリーンシティ法」を本当に実行したブラジル・サンパウロの景観とは? - GIGAZINE”. gigazine.net (2023年7月5日). 2023年10月11日閲覧。
^ “ ⇒Brazil's ad men face billboard ban” (英語) (2006年9月19日). 2023年10月11日閲覧。
^ “フランス・グルノーブル市の街頭広告撤去、その狙いと影響”. 2023年10月11日閲覧。
^京都市情報館 - 屋外広告物の制度
^屋外広告物の制度 時を超え光り輝く京都の景観づくり
^ 『角川古語辞典 改訂版』 改訂148 1971年 p.983
^ “屋外広告物による事故の防止について”. www.city.yokohama.lg.jp. 2023年10月10日閲覧。
^ 看板落下事故の概要及び札幌市の対応について サイト:札幌市

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、看板に関連するカテゴリがあります。

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商標 ‐ 看板は、「色彩のみからなる商標」に該当する。


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