相互作用
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19世紀以前には電磁力重力遠隔作用と考えられたが、今日においては4つの基本的な力のいずれもが物体に作用することでが発生するという近接作用の機構により発生すると考えられている。

その他にも種々の場と物体との相互作用が存在し、その特性は色々な現れ方をする。例えば超伝導は結晶格子とクーパー対電子とがフォノン場を介して相互作用することで発現すると考えられている。この場合においても結晶格子と電子との間の静電相互作用が高次的にフォノン場とクーパー対の影響を受けているので、根源的には物理学における相互作用は基本相互作用にその源泉を求めることが出来る。

また、場と物体の近接作用以外で二つ以上の対象が互いに影響を及ぼしあった結果を相互作用と呼ぶ場合もある。例えばスピン軌道相互作用は、電子スピン原子軌道等とが互いに影響を及ぼしあう結果を言い表しており、特に場が関与していない例である。量子化学におけるHOMO-LUMO相互作用も同様に分子軌道間が影響しあう例である。あるいは、力学的に作用と反作用が対で発生することを相互作用と言い表している場合もある。また、流体力学では、どうしの間で働く作用を相互作用と呼ぶこともある。
基本相互作用詳細は「基本相互作用」を参照

基本相互作用(: Fundamental interaction)は、物体に働く強い力弱い力電磁気力重力が作用する機構を表し、特定の素粒子とが近接作用することで発現する。あるいは自然界の四つの力や単に相互作用などとも呼ばれる。

名称相対的な強さ影響範囲(m)力を媒介するゲージ粒子
強い相互作用104010-15グルーオン
電磁相互作用1038無限大 (強さは1/r2に比例)光子(フォトン)
弱い相互作用101510-18ウィークボソン(W±,Z0)
重力相互作用1無限大 (強さは1/r2に比例)重力子(グラビトン)

物理学における相互作用一覧



RKKY相互作用

V?A相互作用

s‐f相互作用

s‐d相互作用

交換相互作用

残留相互作用

ジャロシンスキー‐守谷の相互作用

振電相互作用

スピン‐軌道相互作用



接触相互作用

双極子相互作用

相互作用吸収

相互作用色

相互作用定数

相互作用表示

超交換相互作用

対相互作用

電子格子相互作用(電子フォノン相互作用)

電子光子相互作用(電子フォトン相互作用)



二重交換相互作用

配置間相互作用

反対称交換相互作用

フェルミ型相互作用

フェルミ相互作用

ミニマルな相互作用

湯川型相互作用

電弱相互作用

相関相互作用



化学

化学では分子間力(つまり分子の間の相互作用)を、共有結合に比較して弱いという意味で特に「相互作用」と呼ぶが、そのうち強いものは「結合」ともいう。具体的にはイオン間相互作用(イオン結合ともいう)、水素結合(これは「結合」の語を用いることが多い)、双極子相互作用ロンドン分散力ファンデルワールス力)があり、これらは電磁気学的要因(クーロン力)に基づく力である。以上に含まれるが特殊なものとして電荷移動相互作用(2分子間で電子が移動し、クーロン力によって錯体を作る)やπ-π相互作用(渡環相互作用:芳香環の間に働く特に強い分散力)がある。

そのほかに、熱力学的要因(系をマクロに見たとき自由エネルギーが低い方が安定化する)に基づく疎水相互作用がある。これらは超分子の形成、結晶構造、液体液晶の物性や、生体高分子(DNAタンパク質など)の構造に重要な役割を果たす。

また生化学ではタンパク質などの分子が特異的に会合すること(具体的には上記の各種相互作用による)を相互作用と呼ぶ。タンパク質間相互作用を参照。
関連項目

渡環相互作用


HOMO‐LUMO相互作用

薬学詳細は「薬物相互作用」を参照

薬学の分野では一般に「相互作用」と訳す。

薬理学では複数の薬物(あるいは食物などに含まれる成分)が摂取されたとき、その薬効あるいは副作用などに単独で摂取した場合と比較して相違がある場合、これを相互作用という。この薬理学的相互作用は


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