今日ではクルーザー型オートバイやオフロードバイク、スクーターを除いて、ほとんど全ての形式のオートバイが直列4気筒を搭載している。特に、高速高性能を売りにしたフラッグシップ系のモデルはほぼ直列4気筒と言っても良い。なおBMWなど一部のメーカーは縦置きエンジンの直列4気筒を販売しているが、その他のメーカーはほぼ全て横置きエンジン形式である。デルビ4の2ストローク392ccエンジン
2ストローク機関においては、1954年にスペインのデルビがモンジュイック24時間耐久レース用のロードレーサーのデルビ・4を製造しているが、エンジン破損でリタイアし、その後市販車両が発売される事もなかった。ロードレースにおいてはヤマハの500ccワークスレーサーYZR500による採用が著名で、1973年のOW20から1981年のOW53まで[4]この形式が採用された。1976年には500ccのOW23をベースに750ccにボアアップされたYZR750(0W31)も登場[5]、市販ロードレーサーのTZ500/TZ750としても市場投入された。
四輪の軽自動車などにおいては低回転域のトルク特性などを考慮して直列3気筒にエンジンの主流が移っていった経緯があるが、オートバイにおいてはある程度までそれを犠牲にしてでも高回転域を重視したセッティングを行えるため、パワー特性と製造コストの兼ね合いから最もバランスの取れた直列4気筒が広く用いられるエンジンとなっている。
なお、2009年のヤマハ・YZF-R1はクロスプレーンクランクシャフトを採用、不等間隔爆発とした直列4気筒エンジンを搭載し、クランクシャフトの慣性トルクに影響されないダイレクトなコントロール性を得ている。これは、2004年より競技(MotoGP)用のヤマハ・YZR-M1において採用されたコンセプトの市販車へのフィードバックによるものである。[6]クロスプレーンクランクシャフトはスズキ及びカワサキといったヤマハ以外の直列4気筒エンジンのMotoGP参戦車両にも採用されている。 4ストロークの通常の直列4気筒エンジンは、180度ずつ位相をずらして点火タイミングが720度中1-3-4-2(1-2-4-3の例もあり)の順で等間隔に点火される。これに対して、2ストローク2気筒同爆エンジンでは360度中1-4と、2-3の2気筒ずつが等間隔で同時に点火される。 高出力化には90度間隔で1気筒ずつ点火した方が有利だが、ピストンの往復が1-2気筒と3-4気筒で対称にならず1次の偶力振動が発生してしまう。2気筒同爆レイアウトでは4ストロークと同じく1次振動が発生せず、また均等爆発2気筒エンジンと同様の力強いトルクが得られる特性になる。 他の直列エンジン同様、「インライン4(フォア)」、「i4」、「ストレート4(フォー)」、「S4」、「L4」、「直4」など様々な俗称が存在する。また車体の進行方向に対して縦向きに搭載されるエンジンを「直列4気筒」、横向きに搭載されるエンジンのことを「並列4気筒」と呼び、区別する場合もある(正確にはどちらも直列エンジンである)。
2気筒同爆エンジン
呼び方について
脚注^ 日産・スカイラインやトヨタ・クラウン、シボレー・カマロなど
^ ジェイ・バス製の路線バス車両(エルガ・エルガミオ・ブルーリボン・レインボー)がそうである。また、同社製の観光バスタイプの車両(セレガ9m仕様・メルファ・ガーラ9m仕様・ガーラミオ)も、直4ターボに置き換えられた。
^ From sporty road car to the WTCC: the BMW 320si.
^ ⇒マシン一覧(500cc) - バイクレース - ヤマハ発動機株式会社
^ ⇒YZR750(0W31) - バイクレース - ヤマハ発動機株式会社
^ モーターファン・イラストレーテッドVol.4 p.077
関連項目
直列型エンジン
U型エンジン
バランスシャフト
歴
レシプロエンジンの気筒配置による分類
直列
I2
I3
I4
I5
I6
I8
I9
I10
I12
I14
水平対向(180°V)
F2
F4
F6
F8
F10
F12
F16
V型(狭角V/倒立V)
V2
V3
V4
V5
V6(VR6)
V8
V10
V12
V16
V18
V20
V24
W型(WR)
W3
W8
W12
W16
W18
その他の気筒配置
単気筒
星型
回転式
H型
U型
タンデム2
スクエア4
X型
斜板
関連する項目
ユニフロー掃気
2ピストン
対向ピストン
デルティック
ロータリー
複動式
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