盲流
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政府は農村労働力管理システムとしての農村の集団化(のちに人民公社につながる)や都市部から農村部への大規模な政策的人口移動(いわゆる「下放運動」といった一連の政策をとると同時に、人口管理の法的システムを整えるために戸籍管理制度の整備・確立をはかる方針に進んだ[5]
改革開放以後

1978年の中共11期3中全会で「改革開放」路線が打ち出され、生産責任制などにより市場経済への移行が進むにともない、安価な賃金を前提とする労働力市場の拡大が中国経済の拡大を支えるという構図を確立する一方、安価な労働力を確保する必要性が、労働者の権利をなおざりにする傾向を助長した[6]。貧しい農村地域からも、賃金収入を求めて大量の労働者である「農民工」とその家族が都市へ流入した[2][6]。当初は「盲流」すなわち目的なき(人口)流動と呼ばれたこの人たちは、後に「民工潮」と言い表され、都市と農村をつなぎ、伝統的二重構造を崩壊させる存在として注目された[2]。しかし、彼らは職を得て都市に定住しても、戸籍は出身地の農村に置かれたままになり、都市戸籍を得られるわけでない[7]。このような「農民工」の多くは、二級市民として差別され、貧困から抜け出せない生活を余儀なくされた[6]
出典^ 西島(2009年)227ページ
^ a b c 厳(2009年)47ページ
^ a b c 西島(2008年)178ページ
^ a b c d e 西島(2008年)179ページ
^ a b 西島(2008年)180ページ
^ a b c 田中(2012年)417ページ
^ 田中(2013年)87ページ

参考文献

西村幸次郎編『グローバル化のなかの現代中国法(第2版)』(2009年)成文堂(第9章人口流動化の進展と戸籍制度、執筆担当;西島和彦)

西村幸次郎編『現代中国法講義(第3版)』(2008年)法律文化社(第9章戸籍法、執筆担当;西島和彦)

小口彦太・田中信行著『現代中国法(第2版)』(2012年)成文堂(第10章「社会と法」執筆担当;田中信行)

田中信行著『はじめての中国法』(2013年)有斐閣

厳善平著『叢書中国的問題群7農村から都市へ?1億3000万人の農民大移動』(2009年)岩波書店

関連項目

中華人民共和国の戸籍制度

農村戸籍


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