皆既月食
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2012年6月4日[5]部分 
2014年4月15日[5]
2014年10月8日[5]皆既
2015年4月4日[5]
2017年8月8日[5]部分
2018年1月31日皆既別項参照
2018年7月28日[5]月没帯食
2021年5月26日[5]別項参照
2021年11月19日部分別項参照
2022年11月8日皆既別項参照。

今後見られる月食

日付種類月食現象の詳細説明
2023年10月29日部分最大約10%[5]
2025年3月14日部分皆既月食だが、日本では北海道で部分食のみ見える[5]
2025年9月8日皆既日本全国で観測、皆既は約1時間24分継続[5]

ダンジョンの尺度

皆既月食の時の月面の様子は、地球の大気中の塵の量によって異なる。塵が少ないと、太陽の光が大気中を通過する際の散乱が少なくなり、月面は黄色っぽく明るく見える。逆に、塵が多いと、大気中の散乱が多くなり、月面は暗く見える(大規模な火山噴火があると、大気中の火山灰により、月面が暗くなることが知られている)。フランスの天文学者アンドレ・ダンジョン20世紀初頃に、月食の明るさを分類するために独自に尺度を決めた。一般的に「ダンジョン・スケール」とも呼ばれる。

尺度月面の様子
0非常に暗い月食。月面の中心は見えない。
1暗い月食。灰色か褐色で、月の細部はわかりづらい。
2暗い赤または赤錆色の月食。月の中心はとても暗く、周辺部はやや明るい。
3れんが色の月食。月の縁は明るいかまたは黄色。
4非常に明るい月食。月の縁は青みがかって非常に明るい。

ターコイズフリンジターコイズフリンジが発生した状態を撮影した画像。月の左半分に青い光の帯が写っている。

成層圏まで到達した太陽光の中で、波長の長い赤い光はオゾンに吸収されやすいため、波長の短い青い光だけがオゾン層を通過する。 その青い光が月面に投影され、青い帯として見える現象が観測されることがある。 この青い帯は「ターコイズフリンジ」(turquoise fringe)とも呼ばれ、月食の本影と半影の境目に現れる。2007年5月4日にドイツで観測された皆既月食時に、月に映る青い光の帯が撮影された。2008年2月13日にアメリカ航空宇宙局(NASA)のサイエンスニュースで、その光は「ターコイズフリンジ」と提唱された。2014年10月4日の月食時にも「ターコイズフリンジ」が見られ、日本で大きな話題となった。
月食時に月から見た太陽

月食時に月から太陽を見ると、地球から見る日食のように、太陽が地球によって隠されるように見えるはずである。2009年2月19日、日本の月周回衛星「かぐや」が世界で初めてこの光景の撮影に成功した。半影からの撮影だったため太陽は完全に隠れなかったが、地球による「ダイヤモンドリング」が観察された[7]
その他

書物における月食の記録は、『
日本書紀』に皇極天皇二年庚戌朔乙丑(十六日)と天武天皇九年十一月丁亥(十六日)の2例の記載(ただし前者は日本では観測されるはずのないもの)であった[8]

鎌倉時代九条兼実の日記『玉葉』では「殊に慎むべき」として祈念するような記載がある[9][10]

かつて衛星衛星放送技術が未熟だった1980年代から1990年代半ばまで月食がある日は食が起きる際人工衛星に搭載されている太陽電池が動かなくなり通常の衛星放送に影響を及ぼす事から一時的に放送を休止していた。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし半影食の86回を含めれば今世紀中に起こる月食の回数は228回となり、日食とほぼ同等の頻度である。
^ 地球上の1定点で皆既日食が観測可能となるのは300 - 400年に1回といわれている。
^ 月の一部が円錐内に入れば部分月食あるいは部分日食となり、月全体が円錐内に入れば皆既月食あるいは皆既日食または金環日食となる。
^ 月食側円錐半径の視野角は0°37'38" - 0°45'45"、皆既月食の横緯差限界は±0°22'58" - ±0°29'1"、部分月食の横緯差限界は±0°52'18" - ±1°2'28"。望、すなわち満月の時に月の黄緯がこの範囲内である(月食が生じる)ための太陽の昇交点又は降交点から黄経差限界は皆既月食で±4°15'50" - ±5°23'24"、部分月食で±9°44'58" - ±11°40'10" である。一方、太陽の昇交点からの黄経は1朔望月(満月から次の満月まで)の間に平均で30°40'13"変化する。これは黄経差限界の2倍よりも大きく、1朔望月の間に太陽が昇交点付近の黄経差限界範囲を通り抜けてしまうということが生じ得る。この場合、食の季節であるにもかかわらず月食が起こらないということになる。
^ 日食側円錐半径の視野角は1°9'22" - 1°17'28"、皆既/金環日食の横緯差限界は±0°54'42" - ±1°0'44"、部分日食の横緯差限界は±1°24'2" - ±1°34'12"。朔、すなわち新月の時に月の黄緯がこの範囲内である(日食が生じる)ための太陽の昇交点又は降交点から黄経差限界は皆既/金環日食で±10°11'57" - ±11°20'29"、部分日食で±15°47'13" - ±17°45'26" である。部分日食の黄経差限界範囲は常に太陽の1朔望月間の移動量よりも大きいので食の季節には少なくとも部分日食が1回は生じ、また2回生じることも可能となる。

出典^ a b 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、131頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-254-15017-2。 
^ “442年ぶり皆既月食中に惑星食、次回は322年後の天体ショー 8日夜、天気よければ各地で”. 日刊スポーツ (2022年11月5日). 2022年11月6日閲覧。
^ 「皆既月食の赤銅色 理由は光の性質」『朝日新聞』朝刊2022年11月15日(科学・環境面)2022年11月20日閲覧
^ 2000年7月16?17日の皆既月食を見よう 厚木市子ども科学館(2000年5月14日)2022年11月20日閲覧
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 日本で見える(見えた)月食の一覧 倉敷科学センター(2022年11月20日閲覧)


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