病気や事故にも遭わず皆勤を続けることは名誉なことであり、特に学校では「子どもの頑張りを認めてあげたい」として皆勤賞の制度を支持する意見がある[2]。
一方で、本来は日頃から熱や風邪による欠席をしないような健康な体をつくり、それが結果的に皆勤になるという副次的なものであったのが、皆勤賞を受賞するために、明らかな体調不良があるにもかかわらず親の制止を振り切って無理やり登校する(あるいは親が登校させる)という事例が見受けられる[3]。さらにはクラス全員の皆勤賞を狙うために「40度の熱があっても点滴を打って登校」として美談化された例もある[3]。
インフルエンザをはじめとする感染症の疑いがあるにもかかわらず登校を強行した場合、本人のみならず他の生徒や学校関係者、ひいては通学路上に居合わせた人々に感染させるというパンデミックに発展しかねない[4]。このように他の生徒や教員へ感染するリスクが高い病気、まは身内や親戚の不幸といった場合は「公欠」として欠席扱いにしない場合が多い。
また、こういった皆勤賞に対する表彰や美化といったものが、社会の同調圧力を強め、日本独特の適正な休みを取らず生産性の低い働き方を生み出す土壌となっているという見方での批判意見もある[5]。
海外でも、「Perfect attendance award」、「100% Attendance Award」といった、日本で言う「皆勤賞」と同じような賞があるが、これについても感染病の拡大につながるといった批判がある[6]。また、脳に損傷を負って生まれてきた息子を持つある母親は、「”運”が表彰されるべきではない」、「皆勤賞は弱者を除外するもの」といった理由から皆勤賞の受賞を拒否するとしている[7]。
かつて日本では「健康優良児」の表彰も行われていたが、これは後の調査で生まれ持った遺伝的な要因が大きいことがわかっている[8]。
さまざまな事情の児童がいることから皆勤賞の廃止を検討する動きもあり、特に2020年のコロナ禍(新型コロナウイルス感染症の世界的流行)で廃止した学校もある[2]。
脚注[脚注の使い方]^ a b c d “皆勤賞の定義・精勤賞の違い・価値はあるのか