白鯨_(映画)
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TBS版:初回放送1984年5月26日『SONY PRESENTS 名作洋画ノーカット10週』0:10-2:15 ※DVD収録

スタッフ

監督・製作:
ジョン・ヒューストン

原作: ハーマン・メルヴィル

脚本: レイ・ブラッドベリ、ジョン・ヒューストン

撮影: オズワルド・モリス

音楽: フィリップ・サントン

日本語版

※TBS版

演出:
小林守夫

翻訳: 木原たけし

プロデューサー: 安田孝夫

制作: 東北新社、TBS

製作

ジョン・ヒューストンは以前から『白鯨』の映画化を望んでおり、実父で俳優のウォルター・ヒューストンをエイハブ役に起用するつもりだったが、ウォルターは1950年に他界していた[3]。予算を調達する際、一部のスタジオと「エイハブには名声のあるスター俳優を起用する」という条件で契約をしたため、エイハブ役にはグレゴリー・ペックが起用された。ペックは自身がエイハブとしてキャスティングされたことに驚き、公開後も「ジョン・ヒューストン自身がエイハブを演じるべきだった」とコメントしている。

脚本についての打ち合わせの際、レイ・ブラッドベリはヒューストンに、原作小説について「あの忌まわしいものを読むことができなかった」と告げた。ブラッドベリの伝記『The Bradbury Chronicles』によると、映画の製作中、両者の間には大きな緊張が走っていたといい、これはブラッドベリが熟練した作家であるにもかかわらず、ヒューストンはブラッドベリに仕事のやり方を教えようとする、いじめのような態度に起因したといわれている。後にブラッドベリは、ヒューストンとの関係を『緑の影、白い鯨』など複数の小説の題材にしている。映画に登場したパブ。
撮影後も「“Moby Dick”(白鯨)」と改名し営業している。

屋外シーンの多くは、アイルランドコーク州ヨール(英語版)で撮影された。この町にあるパブの「Linehan's(リネハンズ)」は、撮影時にジョン・ヒューストンらスタッフの本拠地として使用され、外観も作品内に登場したことから撮影後に店名を「Moby Dick(白鯨)」と改名した[4]。それは今でもリネハン家によって所有および運営されており、店内には映画の製作中にキャストとクルーを撮影した写真やペックが贈呈したクジラの骨の脚を展示している[4]

海上の撮影は、ウェールズのフィッシュガード(英語版)やカナリア諸島にあるラス・パルマス・デ・グラン・カナリアなどの海岸で行われた。一部の撮影は、ポルトガルマデイラ諸島にある伝統的な捕鯨教区であるカニサルの海で撮影され、島の捕鯨者によって実際の捕鯨も行われた[5][6]

作品内に登場する白鯨の大半は、ロンドン近郊にあるシェパートン・スタジオ(英語版)の水槽で撮影された様々なサイズのミニチュアである。クジラと長船の模型は、美術監督のスティーブン・グライムズ(英語版)と特殊効果技師のオーガスト・ローマン(英語版)が作成した。また、スタジオ撮影では実物大の白鯨の顎と頭部も作られ使用された。そのほか、イギリスのダンロップ社によって長さ75フィート、重さ12トンで、浮遊して稼働するゴム製の「白鯨」も製作されたが、撮影時に曳索から外れ、霧に紛れて漂流してしまったという[7]。後年はこれに尾ひれがつき、撮影監督オズワルド・モリスが自伝で否定するまで「60フィートのゴム製である全長サイズの「白鯨」が海上で3頭も失われ、『航行上の危険物』となった」という逸話になってしまっていた[7]

映像は、昔の捕鯨の版画を思わせる視覚効果を出すため、テクニカラーで撮影したネガフィルムモノクロのネガフィルムを重ねて完成させた[8]
作品の評価

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ハーマン・メルヴィルの原作小説の深いテーマの代わりにスペクタクルが好まれるかもしれないが、ジョン・ヒューストン監督の当作は依然として壮大な映画の冒険を演出している。」であり、24件の評論のうち高評価は83%にあたる20件で、平均点は10点満点中6点となっている[9]

本作は、主演のグレゴリー・ペックがミスキャストであったと評されることが一般的である[1]


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