白鯨_(映画)
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それは今でもリネハン家によって所有および運営されており、店内には映画の製作中にキャストとクルーを撮影した写真やペックが贈呈したクジラの骨の脚を展示している[4]

海上の撮影は、ウェールズのフィッシュガード(英語版)やカナリア諸島にあるラス・パルマス・デ・グラン・カナリアなどの海岸で行われた。一部の撮影は、ポルトガルマデイラ諸島にある伝統的な捕鯨教区であるカニサルの海で撮影され、島の捕鯨者によって実際の捕鯨も行われた[5][6]

作品内に登場する白鯨の大半は、ロンドン近郊にあるシェパートン・スタジオ(英語版)の水槽で撮影された様々なサイズのミニチュアである。クジラと長船の模型は、美術監督のスティーブン・グライムズ(英語版)と特殊効果技師のオーガスト・ローマン(英語版)が作成した。また、スタジオ撮影では実物大の白鯨の顎と頭部も作られ使用された。そのほか、イギリスのダンロップ社によって長さ75フィート、重さ12トンで、浮遊して稼働するゴム製の「白鯨」も製作されたが、撮影時に曳索から外れ、霧に紛れて漂流してしまったという[7]。後年はこれに尾ひれがつき、撮影監督オズワルド・モリスが自伝で否定するまで「60フィートのゴム製である全長サイズの「白鯨」が海上で3頭も失われ、『航行上の危険物』となった」という逸話になってしまっていた[7]

映像は、昔の捕鯨の版画を思わせる視覚効果を出すため、テクニカラーで撮影したネガフィルムモノクロのネガフィルムを重ねて完成させた[8]
作品の評価

Rotten Tomatoesによれば、批評家の一致した見解は「ハーマン・メルヴィルの原作小説の深いテーマの代わりにスペクタクルが好まれるかもしれないが、ジョン・ヒューストン監督の当作は依然として壮大な映画の冒険を演出している。」であり、24件の評論のうち高評価は83%にあたる20件で、平均点は10点満点中6点となっている[9]

本作は、主演のグレゴリー・ペックがミスキャストであったと評されることが一般的である[1]バラエティ誌は「役にしては紳士的すぎるように見える」と評し[10]タイム誌は「エイハブ役は、おそらくそれに対処する能力が最も低い俳優に渡されました...しかし、彼の失敗は、残りのキャストの高い成功を基準としたものにすぎません」と述べている[11]杉山正一は「失望があった。挿絵に近づこうとしているグレゴリー・ペックの演技はよくわかり、時にそれに近づくが、あの大きな眼、暗愁、弧絶の感じが出ない。年齢もまた若すぎる...」と評している[12]。一方、allcinemaでは「イメージ・チェンジの枠を超えて鬼気迫る芝居を見せており、悪くはない」と評されている[1]

グレゴリー・ペック自身は、1998年に製作されたリメイク作品(ミニシリーズ)と本作を比較し「ミニシリーズの方が、小説に忠実で冒険感があったため好きだ」と述べている。また、ペックは本作での自身の演技にはあまり納得していなかったといい、映画『ジョーズ』でスティーブン・スピルバーグは登場人物が本作を鑑賞するシーンを構想していたものの、当時作品の権利を所有していたペックが「今更世間に著されるのは嫌だ」と映像の使用を断ったため実現しなかったという[13]
脚注^ a b c 白鯨 - allcinema
^ a b クレジットなし
^ Mirisch 2008, p. 72.
^ a b .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}Nealon's Quay (Historical marker). Youghal: Failte Ireland. 2020.
^ Mirisch 2008, p. 76.
^ “Alan Villiers”. Oxford Index. 2013年7月13日閲覧。
^ a b“The Memory: Moby Dick started life in Stoke-on-Trent”. The Sentinel. (2008年12月13日). ⇒http://www.thisisstaffordshire.co.uk/Memory-Moby-Dick-started-life-Stoke-Trent/story-12520541-detail/story.html 2012年1月14日閲覧。


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