白骨化
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そのため、事件なのか事故なのかも判別できないうえ、骨に蓄積する毒物などが検出されなければ自殺なのか他殺なのかも特定できない[3]。したがって、事件の露見を恐れて死体を隠蔽しようとする積極的な死体遺棄死体損壊は極めて悪質な犯罪である。
戦没者

戦争内戦などによって死亡した兵士や戦闘の巻き添えになった民間人の遺体が長らく回収されず、そのまま戦場で白骨化してしまうことがある。特に、異国で戦死した兵士の遺体の回収は絶望的であり、戦争が終わった後も戦場となった国が他国民の入国を拒んで遺骨収集がすぐには実現しないことも多い。敗戦した場合は戦場となった地域が他国の軍隊に占領されてしまい、もともと自国の領土であった場所でも遺骨収集のために立ち入ることができないことも珍しいことではない。状況が変わって遺骨収集が実現したときには遺骨が完全に散逸していたり、無数の遺骨が1か所に集められていたりして、どの骨が自分の家族のものなのかは知る術がない(数が多いため、長期間においてはDNA鑑定もままならない)ことがほとんどである。戦争では何百、何千、時には何万というおびただしい数の人が死亡するため、長期化を防ぐために1人1人について鑑定が行われることはまずない。
個人識別

骨格のかなりの部分が残っている場合は、骨格の様々な特徴から性別や年齢を判別できる[3]。男性の骨は凹凸が多く、女性よりも筋力があるため、女性の骨よりも長く厚いという特徴がある。性別の判定には、性別判定式という数式から求めた値が限界値を超えた場合は男性と判断する方法もある。また、骨折が治癒した箇所は独特の隆起が見られるため、個人を特定する手がかりとなる。外科手術で骨髄内釘、骨螺子、骨接合プレートなどの治療器具が骨に取り付けられている場合は、特に重要となる。

また、古くから歯型や虫歯の治療痕などが手がかりにされてきた。歯牙から個人を特定する方法を研究する学問を法歯学と呼ぶ。近年ではDNA型鑑定も行われるようになり、骨からでもDNAを採取することもできるが、日本ではDNAのデータベースそのものが少ないため、DNAだけで個人を特定することは極めて困難である。その場合は主に親族のDNAと照合するという手段がとられるわけであるが、遺体の人物の身元にまったく手がかりがない場合、誰のDNAと照合すればいいのかもわからないため、DNA型鑑定が必ずしも身元特定の決定打とはならないこともある。
脚注[脚注の使い方]^ 人間の場合の死体現象。死後経過時間(PMI:Post-mortem Interval)も参照。この他、脳死とされた患者に見られるラザロ徴候(英語版)、通常は極端な状況や感情の元で死亡した場合に現われる死体硬直(英語版) などの現象がある。
^ 砂地の場合、夏期でも完全白骨化に20日。参考・鈴木尚著 『日本人の骨』 岩波新書 (第10刷)1972年 p.47
^ a b c “ ⇒法医学講義 個人識別 (白骨)”. ⇒関西医科大学法医学講座. 関西医科大学大学院医学研究科医科学専攻社会環境医療系法医学生命倫理学研究室. 2008年8月17日閲覧。

関連項目

骨格標本

行方不明者

自殺者

死体遺棄

法科学

ジョン・ハンター (外科医) - イギリスの解剖学者、外科医。

埋葬考古学(英語版)

タフォノミー - 腐敗から化石化までのプロセス研究。











医学的側面
細胞死
壊死プログラム細胞死アポトーシスオートファジー自己融解かさぶた

妊娠中絶

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脳死

臓器ドナー

ターミナルケア

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