この物語は、グリムの他の物語同様に様々な変遷を経た。
エーレンベルク稿(1810年手稿)での記述
タイトルが「白雪姫」ではなく、「雪白ちゃん/不幸な子ども」[注釈 11]である[31]。
黒檀のように黒いのは瞳である[31][33]。
髪の色は黒ではなく黄色[注釈 12]である[31]。
母親(王妃)が狩人に白雪姫を殺させようとするエピソードがない[31][33]。
母親は自ら白雪姫を森の中に置き去りにしている[31][33]。
母親に捨てられた時の白雪姫の年齢は不明[31][33]。
小人たちの職業が「山の仕事場に行っている」、「一日の仕事を終え」とあるだけで明確ではない[注釈 13][31]。
小人たちが自分たちの食事などが食べられているのを見つけた時、5人しか発言していない[31][33]。
白雪姫自ら食事をつくるからと、小人たちのところに置いてもらえるよう頼んでいる[注釈 14][31]。
半分にだけ毒を仕掛けられた林檎を白雪姫がかじり、白雪姫はその毒がもとで死んでいる(林檎が喉に詰まって仮死状態になったのではない)[31][33]。
白雪姫の遺体をガラスの棺に入れる前に葬っている[注釈 15][33]。
白雪姫の遺体を小人たちが水やワインで洗うエピソードがない[31][33]。
小人たちが白雪姫の遺体をガラスの棺に入れたのは、美しい姿を永久保存[注釈 16]するため[31]。
父親である国王がガラスの棺に入れられた白雪姫を引き取り、国王(もしくはお付きの医者)が生き返らせている[注釈 17][31]。
その際は、一本の綱を部屋の四隅にしっかりと張って呪文を唱えるという儀式が行われている[注釈 18][31]。
王子との馴れ初めのエピソードがない[31][33]。
最後に焼けたサンダル[注釈 19]を履かされ、死ぬまで踊らされたのは母親たる王妃[31][33]。
王妃が履かされたサンダルは鉄製とは書かれていない[31][33]。
「ほかの話では」として、小人たちが小さな魔法の槌で32回軽く叩くことで、白雪姫が生き返ったとしている[31][33]。
「ほかの書き出し」として、「雪のように白い、女の子が欲しい」「この血のように、きれいな赤い頬をしている娘がいたら」と望んだのは国王[注釈 20]としている[注釈 21][31][33]。