白血病
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^ フィラデルフィア染色体Ph+の慢性骨髄性白血病では好中球好塩基球の増加は必発であり、血小板も増加していることが多い。-順天堂大学血液内科・慢性白血病の特徴
^ FAB分類AML-M6では白血病細胞の半数は赤血球の幼若球である赤芽球に似ていて赤白血病とも呼ばれ、AML-M7では白血病細胞は骨髄系細胞の証であるMPOは発現せず、巨核球系の抗原が発現していて急性巨核芽球性白血病と呼ばれる。- 東田 俊彦著 『iMedicine. 5』リブロ・サイエンス、2010年、pp.180-181
^ 骨髄系細胞は血液細胞でリンパ球以外の細胞である。顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球、赤血球、血小板やその母細胞などである。造血幹細胞が分化・増殖を始めると最初にリンパ系と骨髄系に分化の方向が分かれる。-出典 大西 俊造、梶原 博毅、神山 隆一 監修『スタンダード病理学』第3版、文光堂、2009年、pp.400-402
^ 骨髄異形成症候群の一部には芽球が増加しているものがあり、WHOの定義では骨髄での芽球比率が19%以下は骨髄異形成症候群であるが、そのまま芽球が増加し20%を超えると急性白血病と見なされる。ただし、19%と20%で症候的に大きな変化があるわけではなく、臨床的には適宜柔軟に対処する。-直江 知樹、他 編『WHO血液腫瘍分類』医薬ジャーナル社、2010年、p.108
^ 2006年現在でも AML-M3 以外の急性骨髄性白血病では Ara-c 7日間とダウノルビシンなどアントラサイクリン系抗がん剤3日間の寛解導入療法は標準である。-浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、p.1414
^ ラテン語のleucaemia(白血病)は合成語 (ae) とされ、ラテン語の語頭の leuc はギリシャ語の「白い」から、ラテン語で血液の状態を表す aemia はギリシャ語の「血」からの由来である。-出典 松下 正幸 著『医学用語の成り立ち』榮光堂、1997年、前書きpp@-C及び本文p.15及びp.305
^ AML-M3急性前骨髄性白血病 (APL) では、生命に関わる大規模な出血が多いが、それは単に骨髄で白血病細胞が増えることで血小板数が減るからだけではなく、APL細胞の持つ組織因子によって高度な線溶活性化を伴う播種性血管内凝固症候群 (disseminated intravascular coagulation:DIC) を起こすからである。- ⇒金沢大学血液内科・急性前骨髄球性白血病 (APL) とDIC:ATRA、アネキシンII
^ 白血病細胞が脳や脊髄などの中枢神経に浸潤すると頭痛・嘔吐・視力障害・顔面神経麻痺・眼球運動麻痺などの症状が現れる。-出典 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、p.1431
^ 正常な骨髄腸骨胸骨の)では、造血細胞と脂肪がそれぞれある程度存在する。骨髄内を造血細胞と脂肪がそれぞれ数割ずつ占めるのを正形成という。骨髄内に造血細胞がほとんどなく脂肪ばかりなのを低形成。脂肪がなくて造血細胞がぎっしり詰まっているのを過形成という。低形成骨髄の典型が再生不良性貧血、過形成骨髄の典型が白血病である。
^ 小児白血病では急性リンパ性白血病 (ALL) が多く、小児のALLでは2-3歳が発症率のピークとされ、特に男児に多い。2-3歳男児のALLが小児白血病の発症率を引き上げているので、他の年齢・性別の小児では白血病はそれほど多い疾患ではない-浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、p.1449-1450
^ 急性リンパ性白血病バーキット型でも欧米や日本で多い散発型や免疫不全型ではウイルスとの関連は指摘されていない
^ ただし、白血病は乳児・小児や若い人にもおき、一段階の遺伝子異常でおこる白血病(慢性骨髄性白血病)もあるのですべてではない。白血病は融合遺伝子などの大きな遺伝子変異を持っているものが多いが、そのかわり細胞ががん化するまでに必要な遺伝子変異の数は「がん」に比べると少ないことが示唆されている。-稲葉 俊哉「放射線がんにおけるエピゲノム制御異常の役割」『広島医学』Vol.63 No.4、広島医学会、2010年、pp.236-240
^ 急性白血病で白血病細胞がミエロペルオキシダーゼ (MPO) 陰性でリンパ系マーカーが陽性ならば ALL である。ALL の細胞起源は未熟なリンパ系細胞である。急性白血病で細胞が MPO陽性または顆粒系マーカーもしくは巨核球マーカーもしくは非特異的エステラーゼ (NSE) が陽性などの骨髄系細胞の特徴を示すならば AML、CML では顆粒系細胞(好中球、好塩基球)の増殖を主とし、CLL では細胞はリンパ球の性質を持つ-出典 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、pp.1377,1430および日本血液学会、日本リンパ網内系学会 編集『造血器腫瘍取扱い規約』金原出版、2010年、pp.2,3,36,41,48 ごくまれに細胞系列のはっきりしない物がある。それについては#系統不明な白血病で説明する。
^ 慢性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体と呼ばれる9番と22番の染色体長腕間の相互転座により、9番上の abl遺伝子が22番上の bcr遺伝子領域へ転座しbcr/abl融合遺伝子が形成される。この転座は t(9;22) (q34;q11) と略して表記する。この翻訳産物であるBCR/ABLタンパクは正常ABLタンパクと違い恒常的に活性化されたチロシンキナーゼである。恒常的に活性化されたBCR/ABLタンパクによって下流の細胞内シグナル伝達も活性化され細胞の自律的増殖をもたらす。このBCR/ABLチロシンキナーゼによる基質チロシンのリン酸化を標的に阻害する物質がイマチニブである。-薄井 紀子「白血病幹細胞を標的とする薬剤開発」『最新医学』Vol.66 No.3、最新医学社、2011年、pp.409-415
^ これらの白血病も「慢性」で「骨髄性」であるが、慢性骨髄性白血病がフィラデルフィア染色体(Ph染色体)陽性と定義されてしまったために、骨髄性でPh染色体陰性の慢性白血病は4つの大分類から外れる
^ 急性白血病では寛解に入っていない非寛解期に移植をしても失敗する可能性は高いためにまずは寛解にもっていく必要がある。一旦寛解したのち運悪く再発してしまった後に再度の抗がん剤治療で寛解導入した第2寛解期での移植での5年生存率は58.9%再々発後の第3寛解期での5年生存率は38.6%と早い寛解期での移植の方が5年生存率は高い。なので最初から再発する可能性が高いと予想される高リスク(予後不良)群ではなるべく早い寛解期、状況によっては第一寛解期(最初の寛解で再発はまだしていない)に移植を推奨されることがある。予後が良いと予想される低リスク(予後良好)群では第一寛解期からの地固め療法でそのまま治癒になる可能性が高く、過酷でリスクの高い移植治療を無理に選択する必要はない。なお、白血病細胞の治療抵抗性が高く寛解に至らない非寛解期での移植では5年生存率は22.4%と高くはない -押味 和夫 編著『カラーテキスト血液病学』中外医学社、2007年、p.321 -なお最初から治療抵抗性で寛解に持って行けない難治性のAMLでは移植が唯一長期生存が期待できる方法である。前述では22.4%という数字を挙げたが資料によってだいぶ数字は異なり、寛解導入に失敗しても移植によって15-40%の患者は長期生存が可能であるともされる -豊嶋 崇徳 編『造血幹細胞移植』医薬ジャーナル社、2009年、p.169。慢性骨髄性白血病では治療抵抗性のある場合や急性転化した場合に移植を考慮する -直江 知樹 編『現場で役立つ血液腫瘍治療プロトコール集』医薬ジャーナル社、2011年、pp.71-86。慢性リンパ性白血病では緩やかな経過のものが多く、移植医療は試されているが標準治療にはなっていない -出典 国立がん研究センター・慢性リンパ性白血病。
^ 免疫不全マウスではリンパ球が存在しないか不活性なので異物の排除能力がなく、人の造血細胞を移植するとマウスの体内で人の造血細胞が定着し、マウスの体内で人の血液細胞が産出される。もちろん、無菌状態で飼育しないと免疫不全マウスはすぐに感染症で死亡する。-SCIDマウスとヒト疾患モデル
^ 施設や状況によって異なるが、標準的な前処置では放射線を2Gy×6回で計12Gyと同時に抗がん剤のシクロホスファミドを120mg/体重1kgあたりを投与、あるいはブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgを投与するが-出典、豊嶋 崇徳 編『造血幹細胞移植』医薬ジャーナル社、2009年、pp.60-63、放射線6Gyだけでも致死量と言われ-出典がんサポート情報センターブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgも致死量をはるかに超えている。
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