1917年に、アドリアン・ヴァン・マーネンは孤立した白色矮星であるヴァン・マーネン星を発見した[19]。これらの初めて発見された3つの白色矮星は、いわゆる「古典的な白色矮星」(classical white dwarfs) である[4]:2。その後多数の暗く白い天体が発見され、これらの固有運動が大きいことから、これらの天体は地球に近い位置にある低光度の天体、すなわち白色矮星である可能性があることが示唆された。ウィレム・ヤコブ・ルイテンが1922年にこの分類の天体の調査を行った際に、white dwarf という用語を初めて用いたと考えられる[14][20][21][22][23]。この名称は後にアーサー・エディントンによって普及された[14][24]。これらの存在の疑いがあったにもかかわらず、最初の非古典的な白色矮星の存在が明確に同定されたのは1930年代になってからであった。1939年までに18個の白色矮星が発見された[4]:3。ルイテンらは1940年代も白色矮星の探査を継続した。1950年までには100個を超える白色矮星が発見され[25]、さらに1999年までには2000個以上の存在が知られていた[26]。それ以降、スローン・デジタル・スカイサーベイが9000個を超える白色矮星を発見しており、その大部分は新しいものである[27]。
組成と構造HR図スペクトル型YSOT Tauri型星Herbig Ae/Be型星褐色矮星準褐色矮星白色
矮星赤
色
矮
星準矮星B主系列星OBAFGK準巨星巨星バリウム星赤色
巨星青色
巨星輝巨星超巨星赤色
超巨星LBVWR型星極超巨星絶
対
等
級天王星、海王星、地球、金星などに囲まれている中央の白い星が白色矮星のシリウスB。地球とほぼ同じ大きさであるが、質量は太陽と同程度である。
白色矮星の推定質量は、小さいものは0.17太陽質量[28]、大きいものは1.33太陽質量のものが知られているが[29]、質量分布は0.6太陽質量に強い極大を持ち、また大多数が0.5?0.7太陽質量の間にある[29]。観測されている白色矮星の推定半径は、典型的には太陽半径の 0.8-2% であり[30]、これは太陽半径のおよそ 0.9% である地球の半径と同程度である。すなわち白色矮星は、太陽と同程度の質量が太陽よりも典型的に100万倍も小さい体積の中に押し込められた天体である。したがって白色矮星の物質の平均密度は、非常に大まかには太陽の平均密度の100万倍大きく、およそ 106 グラム毎立方センチメートル、あるいは1立方センチメートルあたり1トンである[3]。典型的な白色矮星の密度は、104-107 g/cm3 である。白色矮星は知られている中で最も高密度な物質からなる天体の一つであり、これを超える密度を持つのは、中性子星やクオーク星 (仮説上の天体)[31]、そしてブラックホールといった他のコンパクト星のみである。
白色矮星は発見されてまもなく、非常に高密度であることが判明した。