英語名は、ラテン語で『油』を意味する。 濃硫酸も粘稠な液体であるが、発煙硫酸はそれ以上に粘稠である。高含有率の物はイオン液体となるため、水飴状の粘度がある。 発煙硫酸中では次のような化学平衡が存在している。 H 2 S O 4 + S O 3 ⇌ H 2 S 2 O 7 {\displaystyle \mathrm {H_{2}SO_{4}+SO_{3}\rightleftharpoons H_{2}S_{2}O_{7}} } H 2 S O 4 + H 2 S 2 O 7 ⇌ H 3 S O 4 + + H S 2 O 7 − {\displaystyle \mathrm {H_{2}SO_{4}+H_{2}S_{2}O_{7}\rightleftharpoons H_{3}SO_{4}^{+}+HS_{2}O_{7}^{-}} } また、硫酸と三酸化硫黄とが等モル混合している発煙硫酸(およそ 45 %w/w)の主成分は二硫酸(ピロ硫酸、化学式 H2S2O7)であることが知られている。 三酸化硫黄の求電子性を利用して、発煙硫酸はスルホン化に使用される。また、三酸化硫黄は系中の水と速やかに反応して硫酸となる為、脱水作用を期待してニトロ化や硝酸エステルの生成に使用する硫硝混酸を作成する際に使用されることもある。 硫酸は SO2 → SO3 → H2SO4 の段階を経て製造されるが、気体である SO3 の溶媒として硫酸が使用される。したがって、発煙硫酸は硫酸の中間生成物として生産されている。
性質
反応
製法「硫酸」も参照
脚注^ ⇒毒物及び劇物取締法 昭和二十五年十二月二十八日 法律三百三号 第二条 別表第二
関連項目
スルホン化
過硫酸
亜ジチオン酸
二亜硫酸
亜硫酸
チオ硫酸
ジチオン酸
ポリチオン酸
硫酸
ペルオキソ二硫酸
トリ硫酸
外部リンク
国際化学物質安全性カード 発煙硫酸 (ICSC:1447) 日本語版