発明
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物質

物質の用途

手術方法

治療方法

デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)の塩基配列

タンパク質アミノ酸配列

日本

日本は発明の定義を法律の条文で与える数少ない国の一つである。日本の特許法では、発明は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されている(特許法2条1項)。

しかし、この定義は,単に一般用語の「技術(的思想)」を特許法で「発明」という、と言い換えたに過ぎない。肝心の「技術」の定義が抜け落ちている。そのため、特許法2条1項で発明を定義しているにも拘わらず、法律上の発明の項で述べたような,特許が受けられる発明か否かが問題として未解決である。

日本の特許法における発明の定義は、1959年の特許法全面改正の時に設けられた。ドイツ法学者ヨセフ・コーラーの定義を参考にしたものと言われている。

発明は、前記したように,物の発明と方法の発明の二つに大別され、方法の発明は、物を生産する方法の発明とそれ以外の方法の発明(いわゆる単純方法の発明)とに分類される(特許法2条3項各号、4項)。

発明と同様な概念として、考案がある。実用新案法第2条1項において、考案は「自然法則を利用した技術的思想の創作」と定義されている。実用新案法においては、特許ほど、高度な発明である必要がなく、短ライフサイクルである小発明を保護したものである。実用新案法の場合、特許法と異なり、方法の考案や物質(医薬品など)の考案は、保護対象とならない。

発明について、要式行為たる特許出願(特許法36条)に基づき、特許庁が登録要件を満たすか否かを審査して特許査定(特許法51条、164条)をなすと、設定の登録(特許法66条)により独占排他権たる特許権が発生する(特許法68条)。
韓国

韓国もまた、発明の定義を法律の条文で与える数少ない国の一つである。韓国の特許法では、発明とは「自然法則を利用した技術的思想の創作として高度であるもの」(自然法則? ??? 技術的 思想? 創作??? 高度? ?)と定義されている(特許法第2条)。
台湾

台湾中華民国)の特許法でも、発明の定義が条文に規定されている。台湾の特許法において発明とは、「自然法則を利用する技術思想の創作」(利用自然法則之技術思想之創作)を意味する(專利法第21條)。
芸術における発明

芸術の歴史は長い発明の歴史でもある。発明的思考は芸術的創造力の重要な部分を担ってきた。芸術における発明で特許を取得できるものもあるが、多くの場合は特許法における「発明」の要件を満たさないため、特許を取得できない。
美術・デザイン・建築

「絵は脳で描くものであって、手で描くものではない」

ミケランジェロ[22]

美術は何度も再発明されてきた。発明家でもあった芸術家、建築家は数多くいる。彼らは、未知を探究し、壁を乗り越え、旧来の慣習を捨て、新たな領域へと到達するような創造を行ってきた。20世紀になると従来のルールを打ち破ることが最も価値のあることとされるようになり、概念的革新が賞賛され、新たなジャンルを生み出すようになった。20世紀になって初めて、有形の個々の美術品よりも美術品の中のアイデアが重視されるようになった。芸術家は歴史上常に発明を行ってきたと見なすことができ、発明が美術や他の分野に重要な貢献をしてきた。

ピカソのような芸術家は作品を制作する過程で発明家となる。発明と芸術作品は別物という芸術家としてレオナルド・ダ・ヴィンチがいる[13]。美術における発明には、それに先立つ科学技術の発展を利用したものもある。例えばピカソとフリオ・ゴンザレスは溶接技術を使った新たな彫刻を発明し、コンピュータによってコンピュータアートなどの新たな芸術形態が生まれ、写真映画の発明も新たな芸術形態を生み出した。溶接による彫刻のように、芸術における発明は新たな媒体あるいは新たな芸術形態、あるいはその両方という場合もある。例えば、ピカソの発明したコラージュマルセル・デュシャンの発明したレディ・メイドアレクサンダー・カルダーの発明したモビールロバート・ラウシェンバーグの発明したコンバイン・ペインティング、フランク・ステラの発明した立体的絵画、エドワード・マイブリッジ[23]が発明したとされる映画などがある。作品の新たな制作法を開発するという形で芸術を再発明することも行われてきた。例えばジャクソン・ポロックは全く新しい絵画制作技法を発明し、キャンバスを床に置いてそこに絵の具をたらしたり、注いだり、はね散らしたりする新たな抽象画を発明した。ピカソとブラックが発明したキュビスムのように[24]、新たな芸術運動は複数の人が協力して生み出した発明品といえる。芸術やデザインや建築におけるかなりの発明は、道具の発明や改良によって可能になった。例えば、印象派絵画が生まれるには、屋外で気軽に絵を描ける絵の具の金属チューブへの封入という発明が必要だった。芸術における発明は他の用途に発展することもあり、例えばアレクサンダー・カルダーのモビールはベビーベッドの上に吊るして使われるようになっている。芸術・デザイン・建築における発明の特許から得られた資金で、発明や他の創造的仕事の実現をサポートすることもある。フレデリク・バルトルディ自由の女神像の特許を1879年に取得し、その小型のレプリカの製造販売からライセンス料を徴収してニューヨークの自由の女神像を立てる資金の一部とした[25]

他の芸術家、デザイナー、建築家で発明家でもある人物としては、フィリッポ・ブルネッレスキル・コルビュジエナウム・ガボルイス・カムフォート・ティファニーバックミンスター・フラーウォルト・ディズニーマン・レイイヴ・クラインイオ・ミン・ペイヘレン・フランケンサーラーらがいる。中には特許化された発明もある。特許の要件を満たさない発明もあり、特にデュシャンのレディ・メイドのように従来の技法との明確な違いを示せない場合がそれにあたる。抽象絵画油彩インスタレーションといった発明は発明者が不明であり、当然ながら特許化されなかった。また、ピカソはコラージュの発明者だとされているが、西洋以外の文化にはもっと以前から同様の技法が存在した。

特許取得可能な美術関連の発明は、新たな素材・媒体・イメージ・制作法を使ったものや斬新なデザインのもの、あるいはそれらの組み合わせである。フィリッポ・ブルネッレスキ、ルイス・カムフォート・ティファニー、ウォルト・ディズニーといった人々は芸術関連の特許を取得した。イヴ・クラインは International Klein Blue という色を発明して1960年に特許を取得し、2年後に自身の彫刻作品に使用した。ケネス・スネルソンも自身の作品で必須な発明の特許を取得した。バックミンスター・フラーの有名なジオデシック・ドームは彼の28の特許の1つでカバーされている。照明デザイナーのインゴ・マウラーも作品に関する発明について一連の特許を取得している。IDEO社ではデザイナーの作品について多くの特許を取得している。デザイン上の発明は、アメリカではデザイン特許という特許の一種として保護する(日本では意匠権として意匠法で保護する)。
音楽

紀元前5000年頃 - 中国で骨製の横
を発明

紀元前3000年頃 - 中国で弦楽器古琴)を発明

619年 - 中国で100人以上の音楽家を集めたオーケストラを発明

1025年 - グイード・ダレッツォ音符(階名唱法)を発明。UT, RE, MI, FA, SO, LA と命名。1500年代にUTがDOになり、TIが追加された。

1225年 - イギリス輪唱を発明(『夏は来たりぬ』)

1607年 - クラウディオ・モンテヴェルディオペラの傑作『オルフェオ』で、柔軟な伴奏を伴った叙唱による音楽体系を発明

1696年 - 音楽家 Etienne Loulie がリズムを刻むメトロノームを発明[26]

1698年-1708年 - バルトロメオ・クリストフォリピアノを発明[27]

1787年 - モーツァルトがアルゴリズム的作曲法 (Algorithmic composition) を発明(「音楽のサイコロ遊び」)


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