古代ギリシアのアスクレーピオスの神殿が病院の一種として機能していたともいわれる[4]。また、法顕『仏国記』によれば、西暦400年ごろのインドでは「福徳医薬舎」が建てられて、病人や不具者・孤児・貧窮した者などを集め、治療したり食事を与えたりしていた[5]。
イスラム教世界では707年にシリアのダマスカスに病院が作られたのがはじめである[6]。ハールーン・アッ=ラシードのもとでバグダードに病院が作られた。
西洋のキリスト教世界では修道女・修道士が神に仕えるために病人を集めて日常生活上の世話をした。これは看護活動の原点でもある。宗教改革以降、プロテスタントの地では宗教から病院が切り離されるようになった。18世紀以降、病院は貧民救済から離れて、もっぱら病気やけがの治療のために使われるようになり、専門化していった。19世紀のフローレンス・ナイチンゲールは看護にも職業的訓練が必要なことを明らかにした。
日本で最初の病院は、1557年に医師でもあったポルトガルの宣教師ルイス・デ・アルメイダによって、現在の大分県大分市顕徳町2丁目にあったデウス堂の隣地に開設された病院であると言われ、外科、内科、ハンセン病科を備え、日本初の入院施設も備えていた[7]。これが西洋医学が初めて導入された場所とも言われている[8]。
戦時国際法では、病院への攻撃は禁止され、戦争犯罪である。 米国で最も優れた病院には、USニューズ&ワールド・レポート誌ではメイヨー・クリニックが選ばれた(2014-2015年)[10]。民間企業ではホスピタルコーポレーション・オブ・アメリカはニューヨーク証券取引所に上場している[11]。 タイでは、バムルンラート病院などが上場され、同国の株価指数であるSET指数の構成銘柄に採用されている。 料金の支払いには、城鎮基本医療保険 IHHヘルスケアがマレーシア証券取引所およびシンガポール証券取引所に上場しており、同社は多国間展開するアジア最大の病院経営者である[13]。 医療法においての「病院」とは医療機関の機能別区分のうちの一つ。日本では医療法上、、医師又は歯科医師が公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所と定義され、病床数20床以上の入院施設(病棟)を持つものを指す(医療法第1条の5前段)。なお、無床もしくは19床以下の医療機関は診療所(入院施設を持つ場合は有床診療所)となる。「病院」は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない(医療法第1条の5後段)とされる。 近年、日本では医療の普及の影響もあり、病院で一生の最期を終える人が増えてきている。また、人間が生まれる(出産)場もほとんどの場合病院・産院となってきている。 日本において病院の配置は都道府県の医療計画に基づいて行われ、医療法に基づく都道府県知事の許可を必要とする。ベッド数が過剰な場合は開設許可を与えないことも可能であり、需要調整がなされている。「医療計画#基準病床」も参照 病院の管理者(理事長など)は原則として医師・歯科医師でなければならない(医療法第10条。但し、管理者の急死等により医師以外が認められることもある)。
各国の病院OECD諸国の人口あたりベッド数(機能別)[9]。
アメリカ合衆国
タイ
中国
マレーシア
日本「日本の医療」も参照
開設規制一般診療所歯科診療所計
国3225374863
公的医療機関1,2023,5222614,985
社会保険関係団体514507508
医療法人5,72043,59314,76264,075
個人17441,07353,13394,380
その他83113,44133314,605
計8,300102,61668,500179,416