1株ごとに直径50cm?30cmの穴を掘り、元肥を穴の底に入れて埋め戻し、さらに地表15cm?20cmの高さにマウンド状に盛り上げた畝である[1][2]。スイカやカボチャなどの栽培に用いられる[1][2]。高畝の一種とされることもある[2]。 ジャガイモやサトイモ、ネギなど作物の成長に合わせて株元に土を盛り上げていく土寄せを行う栽培で用いられる方法[1]。土寄せするために最初は溝を掘った低い位置から始め、成長とともに土寄せにより株元に土が盛り上げられた形となる[1]。特にジャガイモ栽培では天然毒素(ソラニン)の生成を抑えるために、イモが地面の外に出て光が当たることのないよう、芽かきをした時と地上部が25cm?30cm程度になった時に土寄せするよう指導されている[6]。 畝を立てる前の準備として、播種や苗の定植をする畑を耕しておくことから始まる[5]。あらかじめ堆肥などの元肥を入れて耕した畑に畝を立てるが、つくる作物の種類や植え付け方、マルチングを使うかどうかなどによって、適した形の畝を立てることが重要になる[5]。 田畑に種や苗を植え付けるための畝を作ることを畝立てという[7]。手作業で鍬で行う方法や耕耘機を利用する方法がある[7]。畝を立てる位置や高さを決める際に、畝の両端にさくり縄[注釈 1]や尺棒[注釈 2]を使い、まっすぐになるように計測する[5]。 通常、作物を作り終え次の作物を生育する際に畝は立て直す。これを畝換えと言う。 肥料を施す位置により畝内施肥、畝上施肥などという。畝上施肥は畑全体に施肥を行う全面全層施肥に比べて肥料コストを低減できる[8]。 畑の畝のように、高低のある状態が水平に続く物を畝と呼ぶ場合もある。地形や道、反物に使われるが、他に動物の部位にも使われ、特にワニの鼻先の筋やナガスクジラ科のヒゲクジラの腹部の筋を畝と呼ぶ。ヒゲクジラの腹部の畝は餌を海水ごと飲み込むときに蛇腹のように広がる為のものである。 また、架空の生物にはクジラの畝があるものも多い(ウルトラマンのガマクジラなど)。
溝畝
畝の作業
畝立て
施肥
畝の転義
脚注[脚注の使い方]
注釈^ さくり縄は、立てる畝の高さと、どこに立てるかを決める際に使う両端に棒がついた縄のことで、立てる畝の両端に棒を立てて、その間に縄を張って使用する[5]。
^ 尺棒とは、横に別の畝を立てるときに、畝間をはかる棒状の測量具のこと[5]。
出典^ a b c d e f g h i j ドゥーパ!編集部「Soil mag. Vol.1」キャンプ、2021年9月、38頁
^ a b c d e f g h ブティック社編集部「野菜だより 2022年5月号」ブティック社、2022年4月、88-89頁
^ a b 別冊 新規就農の手引き(営農技術編)p.12・13
^ ⇒ハウスピーマン畝なし栽培【高知県・11月3週号】 全国農業共済協会、2022年12月31日閲覧。
^ a b c d e f g h 金子美登『有機・無農薬でできる野菜づくり大事典』成美堂出版、2012年4月1日、246-247頁。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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