界_(分類学)
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分類体系によっては、亜界と下界の間に、さらに枝(branch、: ramus)の階級が挿入されることもある、たとえば、キャバリエ=スミスの分類における前口動物(Protostomia)や後口動物(Deuterostomia)があげられる[7]
歴史
生命の二界

リンネ式階層分類体系」も参照

生物を動物と植物に分類することは古くから行われてきた。アリストテレス(紀元前384-322年)は『History of Animals(動物誌)』で動物の種を分類し、弟子のテオプラストス(紀元前371 - 287年頃)は植物について『Historia Plantarum(植物誌(英語版))』を記述した[8]

1735年、カール・リンネ(1707-1778)は、現在では命名規約(英語版)によって規定されている近代的な生物学的命名法の基礎を築いた。彼は、生物を2つの界「動物界」(Regnum Animale)と「植物界」(Regnum Vegetabile)に分けた。リンネはまた、分類体系鉱物も含め、それらを第3の界「鉱物界」(Regnum Lapideum)に位置づけた。.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}

 生命 

動物界
Regnum Animale (animals)

植物界
Regnum Vegetabile ('vegetables'/plants)


Life
 非生命 

鉱物界 (鉱物)
Regnum Lapideum (minerals)


Non-life



生命の三界

詳細は「生命樹 (生物学)(英語版)」を参照ヘッケルが最初に発表した新しい原生生物界 (kingdom Protista) を含む3つの生命界の概念(1866年)。シアノバクテリウム (Nostoc) が植物 (Plantae) に含まれていることに注目される。

1674年、しばしば「顕微鏡の父」と呼ばれるアントニ・ファン・レーウェンフックは、初めて顕微鏡で単細胞生物を観察した結果をロンドン王立協会に送った。それまでは、このような微生物の存在はまったく知られていなかった。けれどもリンネは彼の独創的な分類法に微生物を含めなかった。

当初、微生物は動物界と植物界に分類されていた。しかし、19世紀半ばには「植物界と動物界という既存の二分法は急速にその境界が曖昧になり、時代遅れになった」ことは、誰の目にも明らかになった[9]

1860年、ジョン・ホッグは、「すべての下等生物、あるいは原始的な有機生物」からなる第3の生命界である原生生物(Protoctista)を提案した。彼は、第4の界である鉱物界(Regnum Lapideum)を残した[9]。1866年、エルンスト・ヘッケルもまた、動物でも植物でもない「中立的な生物」あるいは「原始的な形態の界」として、第3の生命界である原生生物界(Protista)を提唱した。しかし、ヘッケルはこの枠組みに鉱物界を含めなかった[9]。ヘッケルは、生物が単細胞(原生生物界)か多細胞(動物界と植物界)かに基づく分類に落ち着くまで、この界の内容を何度も修正した[9]

生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

動物界
Kingdom Animalia


Life
  非生物  

鉱物界 (鉱物)
Regnum Lapideum (minerals)


Non-life



四界

顕微鏡の発達により、細胞に明瞭な(細胞核)を持たない生物(原核生物)と、細胞に明瞭な核を持つ生物(真核生物)の重要な違いが明らかになった。1937年、エドゥアール・シャットンはこれらの生物を区別するために「原核生物(prokaryote)」と「真核生物(eukaryote)」という用語を導入した[10]

1938年、ハーバート・F・コープランド(英語版)、原核生物からなる新しいモネラ界を創設し、四界の分類を提案した。これは原生生物界のモネラ門を改訂したもので、現在では細菌古細菌に分類されている生物が含まれていた。エルンスト・ヘッケルは、1904年の著書『The Wonders of Life(生命の不思議)』の中で、藍藻類(またはPhycochromacea)をモネラ門に分類した。これは次第に受け入れられ、藍藻はシアノバクテリア門の細菌として分類されるようになった[11][10]

1960年代、ロジャー・スタニエ(英語版)とC.B.ヴァン・ニールは、エドゥアール・シャットンの初期の研究、特に1962年の論文「The Concept of a Bacterium(バクテリアの概念)」を取り上げ、普及させた。これによって初めて、原核生物と真核生物の2帝系(英語版)より上位の階級、すなわち上界(superkingdom)あるいは帝国(empire)が創設された[10]。後に2帝系は、古細菌、細菌、真核生物の3ドメイン系(英語版)に拡張される[12]

  生命  

原核生物

モネラ界
Kingdom Monera


Empire Prokaryota
真核生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

動物界
Kingdom Animalia


Empire Eukaryota

Life

五界

真菌類と、植物とみなされる他の生物との違いは、以前から一部の人々により認識されていた。ヘッケルは、当初の分類の後、真菌類を植物界から原生生物界に移動したが[11]、この分割は、当時の科学者からほとんど無視されていた。ロバート・ホイッタカーは、真菌類のための界(Fungi)の創設を認めた[13]。その結果、1969年にホイッタカーによって提案された五界分類系は一般的な標準となり、今でも改良を加えながら多くの著作で使用され、新しい多界分類系の基礎となっている。これは主に栄養の違いに基づいており、植物界のほとんどは多細胞の独立栄養生物で、動物界は多細胞の従属栄養生物で、そして菌界は多細胞の腐生生物(英語版)であった。

残りの2つの界、原生動物とモネラには、単細胞コロニーと単純型細胞コロニーが含まれていた[13]。五界系は2帝系(英語版)と組み合わされることもある。ホイッタカーの体系では植物界は一部の藻類を含んでいた。リン・マーギュリスの五界系のような別の体系では、植物には陸上植物(有胚植物(英語版)、Embryophyta)だけを含み、原生生物界はより広い定義を持っている[14]

ホイッタカーの体系が発表された後、五界モデルは高校の生物学の教科書で広く使われるようになった[15]。しかし、ほとんどの科学者が二界系から五界系へと移行したにもかかわらず、1975年になっても一部の著者は伝統的な動物と植物の2界体系を使い続け、植物界を原核生物門(細菌とシアノバクテリア)、真菌類門(真菌類とその近縁種)、緑藻類門(藻類と陸上植物)の亜界(subkingdoms)に分割した[16]


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