男はつらいよ
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会社の寮がとらやの裏にあったことからさくらと知り合い、結婚[37][50]。会社の寮からさくらの部屋が丸見えで、さくらに思いを馳せていた。当初寅次郎には「大学を出ていない」という理由でさくらとの結婚を反対されていた。結婚して3年後には主任技師となり社長の片腕としてナンバー2的な立場になる。かつては独立を考えて退職しようとしたことがあった(第6作「男はつらいよ 純情篇」)。冷静な性格で博識。寅次郎を理屈で諌めたり助言したりするが、あまり通用しない。岩波書店の『世界』や労働問題の雑誌を抱えていることが多い[50]。息子の満男には能力以上の期待をかけており、自分が大学を出ていなかったため息子には大学進学進めるようになった。焼きなすが好物。喫煙者。もともとは弁護士志願で[51]、テストドライバーやオートショップの経営者を夢見ていたことがある[50]。実兄が二人いる[注 18]。第26作で家を新築するが、第9作では「敷地は30坪。おいちゃん夫婦からお金を借り東京都の融資を活用し、土地はタコ社長から借りる」という設定になっている。第50作ではさくらと共にとらやに移住し、パンフレット記載の前田吟のインタビューの裏設定では印刷工場は既に定年退職している。なお、ドラマ版と映画版では設定が大きく異なる。ドラマ版では町医者で、寅次郎が恩師・坪内先生(東野英治郎)の家を訪ね、先生宅で飲み食いが過ぎ博士の働く病院に担ぎ込まれる、それがきっかけで見舞いに来たさくらと出会い恋愛結婚をする。眼鏡にスーツ姿の厳格な見た目なのに対し結婚後は寅次郎を「兄さん」と呼び唯一謙虚で常に謙っているが、寅次郎が茶の間で暴れたときには柔道の技で押さえ込むことができる唯一の人物。博識で、寅次郎に時折知的な助言をする点は映画版に引き継がれている。またこのドラマ版の博士の設定は『続・男はつらいよ』の藤村薫(山崎努)に引き継がれる。
車竜造(おいちゃん・おじちゃん)
演 - 森川信(ドラマ版、第1作 - 第8作)→松村達雄(第9作 - 第13作)[注 19]下條正巳(第14作 - 第48作)寅次郎の叔父。葛飾柴又の帝釈天にある老舗の団子屋「とらや」の6代目主人。初期の映画作品のクレジットにおいて「龍造」と明記されていることもある。兄の平造(5代目主人、寅次郎とさくらの父親)の死後、団子屋を引き継いだ。平造が夢の中で枕元に立ち、「寅次郎とさくらのことはよろしく頼む。特に寅のやつは生まれつきバカだから、心配で仕方がねえ」[52]と言い残してから、責任を持って二人の親代わりをしている。若い頃は満洲に行って馬賊になることを夢見ていた。基本的な設定は同じものの演じる俳優によって性格がやや異なり、コメディアンの森川が演じた当初は寅次郎と同様にどこか抜けた喜劇的キャラクターで、店の営業中に昼寝をするなどして、妻のつねからあきれられる事も多い。幾度と色恋沙汰でドタバタを起こす寅次郎に冷や汗をかきながらも、寅次郎の口車に乗せられるボケた一面もある。毎回ドタバタを繰り返す寅次郎に「バカだねえ…寅は」「バカだね、全く…」「知らねえよ。俺ァ」とぼやいたり、寅次郎の奇行が頭痛の種となってさくらに対して「枕、さくら取ってくれ」と言い違うのも口癖となっている[注 20]。寅次郎が調子に乗ってふざけた時に頭に血がのぼってケンカになってしまうこともしばしばであった。松村になってからは、やや大人しいおいちゃんになり、パチンコ好きという設定が加えられた。民藝出身の下條正巳になると、これまでのマイペースなキャラクターとは異なり店の切り盛りも勤勉にこなす、ややシリアス寄りのキャラクターへ傾いている。名物の草団子を丹念に仕込む描写も下條から多く見られるようになる。つねが母親のように寅次郎に愛情を注ぐのに対し、長らく風来坊としてテキヤ生活を送る寅次郎に深刻に悩みながら、しばし黙り込んで厳しく当たるようになる。「お前には関係ない話だ、黙ってろ」と厳しく寅次郎に苦言を呈する事も日常となった。これは、コメディアンの森川、正統派俳優の下條と、演じた俳優それぞれの持ち味を生かした上での山田の演出の変更で性格設定が異なる為である。なお松村は第6作で医師役で出演。おいちゃん役を降板してからもゲストで度々出演。初代おいちゃんの森川が亡くなったときは、代役を立てるのかおいちゃんなしの寅さん一家にするか、そうとう迷ったと山田は答えている[53]。第50作では遺影として登場している。
車つね(おばちゃん)
演 - 杉山とく子(ドラマ版)→三崎千恵子寅次郎の叔母。昔ながらの元気なおばちゃん。感情豊かで涙もろい。実の母親のように寅次郎に愛情を注ぎ、さくらとともに寅次郎の理解者。料理上手で寅次郎が帰ってくると好物のがんもどきの煮ものや芋の煮っころがしを作り、寅次郎が連れてきたマドンナや珍客に対しても得意の家庭料理で歓待する。寅次郎の夢の中や、旅行に行くとき以外は着物姿である。昔は日本橋の呉服屋の女房になることを夢見ていた。第30作では竜造(俳優は下條正巳)とは見合いで「会ったらカマキリみたいな男だった」と発言している。子どもがないこともあってか、寅次郎を「寅ちゃん」と呼ぶ数少ない人物(第1作の初対面では「寅ちゃん」だったが、第1作から第8作までは「寅さん」だった。第9作から寅ちゃんに統一された)。さくら同様、ウナギがあまり好きではない。第50作では遺影として登場している。なお、杉山とく子は第5作のマドンナの母親役を皮切りに、パチンコ店の客、国勢調査員、旅館の女将、駄菓子屋の老女役などでシリーズに度々出演している。
諏訪満男
演 - 石川雅一(第1作のみ)→中村はやと[注 21](第2作 - 第8作、第10作 - 第26作)→沖田康浩(第9作のみ)→吉岡秀隆(第27作 - 第50作)1969年(昭和44年)生まれ[注 22]。第1作(1969年〈昭和44年〉)の終盤に誕生。さくらと博の長男一人っ子。寅次郎からは甥にあたる。両親の期待を一身に受けて育つが、大学受験に失敗、代々木の予備校に通う浪人生活を送り(第42、43作・1989年〈平成元年〉、第43作・1990年〈平成2年〉に城東大学経済学部経営学科に入学、卒業し中小企業の靴の製造・卸売業の営業職に就職(47作・1994年〈平成6年〉)する。浪人中に、後藤久美子演じる及川泉に恋をする。第46作で就職活動に失敗した際に本当は大学に行きたかった訳ではなく、さくらが博は大学に行けなかったので代わりに自分が行くように押し付けられたと語っている。第46、47作では別のマドンナに恋をし、第48作の台詞では何人もの女性と付き合っており後半は事実上の主役になった。吉岡秀隆に代わった第27作より、寅次郎との絡みのシーンが増えている。第17作(1976年〈昭和51年〉)で小学校入学で第34作(1984年〈昭和59年〉)で中学校に入学という矛盾が見られる[注 23]。第50作では小説家となっており、妻とは死別し一人娘と暮らしている。
桂梅太郎[注 24](タコ社長)
演 - 太宰久雄とらやの裏に構える中小企業の印刷会社工場「株式会社朝日印刷所」(第2作までは「共栄印刷株式会社」)の社長。とらやの人々とは家族ぐるみの付き合い。印刷工からたたき上げで戦後の1946年(昭和21年)に独立して経営者にまで上り詰めたものの、常に資金繰りと人手不足に頭を悩ませており、経営難をとらやの面々に愚痴っている。
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