男はつらいよ
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[注 36]男はつらいよ お帰り 寅さん山田洋次
朝原雄三浅丘ルリ子E後藤久美子E出川哲朗
カンニング竹山
松野太紀
夏木マリ
小林稔侍鳥取県
神奈川県鳥取砂丘での満男と泉

予定されていた作品
1996年12月28日公開予定『男はつらいよ 寅次郎花へんろ』
(マドンナ:田中裕子 ロケ地:高知県 原作:室生犀星あにいもうと[注 37])タイトルは『男はつらいよ 寅次郎花へんろ』[66]。渥美の親友、早坂暁の代表作、花へんろ(NHKドラマ・花へんろで、渥美はナレーションを担当している)からで、渥美がお遍路に興味を持っていたこともヒントになっている[67]。兄弟のストーリーは後の『虹をつかむ男 南国奮斗篇』で生かされている[68]。シリーズ第49作のマドンナは田中裕子で、その兄役で西田敏行が出演の予定だった[69]。物語は、妹が中絶した子供の父親が寅さんか、と兄が疑い[注 38]、その後寅さんがこの兄妹の後見人になる。あるいは、妹(田中)は兄(西田)の反対を押し切ってアメリカ人と結婚。結婚に失敗して10年か15年ぶりに高知の田舎へ帰ってくる。兄は工事現場労働者、若しくはトラック運転手、とび職のやくざっぽい粗暴な男で、その妹への思いが強く辛く当たってしまいその間を寅さんが取り持つ予定だったともいわれる[70][68][69][71]。山田によると「二人の兄弟、寅とさくらの兄弟、その二つの兄弟の愛憎物語、ダブルの兄弟愛を考えていた」としている[70]
また満男シリーズの完結編として泉と満男を結婚させ、甥の結婚を見届けた寅次郎は放浪の終焉を宣言し、第50作に繋げる予定だった[72][73]。満男と泉が結婚式を挙げるものの肝心の寅さんが行方不明。いろんなことがあって、最後に結婚式場にヒュッと表れ素敵な演説を打って消えていく、というストーリーだった[68]
秋からの撮影を控えており、1996年6月27日(30日という説もある)には打ち合わせでタイトル、大まかなストーリーは伝えており[74][75] 満男役の吉岡秀隆も同年公開の「学校II」をやっている時に、山田が「秋にまたやるよ」と49作目の話をしていたと語っている[76]。ロケ地となるはずだった高知県安芸市伊尾木地区に2002年に開業した土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線伊尾木駅のイメージキャラクター「いおき トラオくん」が寅次郎をモチーフにしたのはこの経緯によるものである。公開は1996年12月28日予定だった[77]
1997年12月27日公開予定 タイトル不明
(マドンナ:黒柳徹子[73] ロケ地:未定[注 39])山田洋次は、寅次郎はテキ屋を引退、幼稚園用務員になり、子供たちとかくれんぼをしている最中に息を引き取り、町の人が思い出のために地蔵を作るという構想を早くから持ち[78][79] 第49作から直結するストーリーだった。黒柳も冗談に「最後のマドンナは黒柳徹子さんだ」と山田から言われていたと林真理子の対談で明かしている[80]。このことは1990年8月25日に放送されたTBS『クイズダービー』(第754回)の第7問(三択問題)で出題されており、遅くとも同年時点でこの構想があったことがわかる。2023年の山田洋次へのインタビューでは、遠藤周作との対談で、「寅はだんだん身体が弱って、旅に出る元気もなくなる。それを御前様が哀れがり『お前は愚かな男だけれど何の罪も犯してはいない。それどころか多くの人を精神的に救ってきた。お前の晩年が人に迷惑をかけるようじゃ気の毒だからうちの寺で暮らせ』と寅を引き取る。そして寅は寺男として掃除なんかして暮らす。ある日子どもたちとかくれんぼをしているうちに鬼の寅が探しに来ない。子どもたちが探しに行くと寅は縁の下でうずくまったまま息を引き取っていた――。御前様が哀れがり「寅次郎」という地蔵を彫り、境内に建てた。その地蔵は御利益があり、特に恋に悩む若者たちがたくさん拝みにくるようになった。もしかしたら息を引き取る間際、頭がぼんやりしてきて、恋した美しいマドンナたちの姿が走馬灯のようにかけめぐったんじゃないかな」と話している[81]
第51作目
山田洋次は第50作目終了時点では「考えてもいない。もしそういう声が起きれば…」と言葉を濁している[82]
幻のマドンナ歌子三部作
NHK衛星第2の番組(1991.9.30放送)の中で吉永小百合と山田洋次の対談が行われ山田は「また、寅次郎と歌子(吉永小百合)が再会したらどうなるかって、しょっちゅう考えているんですよ」と語っており、ストーリーは『歌子が手話の通訳となり働いている。
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