男はつらいよ+寅次郎真実一路
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一方、車博士の書斎に置いてあるギララの模型の目が光るシーンは、同映画の撮影当時の粘土模型を撮影したものである[5]。夢の中では単に「怪獣」と称され、寅次郎が目覚めた際に子どもがかぶっていた被りものは、東宝ゴジラであった[注釈 5]。なお、本作と同時期の1984年12月にはゴジラシリーズの9年ぶりの新作となる『ゴジラ』(1984年版)が公開されている。

牛久沼の健吉宅に泊まった寅さんが起きて目にする額縁の詩は、北原白秋『巡礼』の一節。「真実 諦メ ダダ一人/真実一路ノ旅ヲ行ク/真実一路ノ旅ナレド/真実 鈴振リ思ヒダス」が映画のタイトルの由来になっている。

DVDに収録されている特典映像「予告編」には、以下のような没シーンが収録されている。

寅が富永宅で朝目覚めるシーン。本編では「大変失礼ですけれども」までお守りを振り回し、「どこのどなたでしょう」となっているが、予告編では「大変失礼ですけども」の直前でお守りを振るのをやめ、台詞も「どこのどなたでしょうか」となっている。そのあとの台詞も本編は「富永さん」であるが、予告編では「富永さんと言うと」になり、前後にふじ子の笑うシーンが挿入されている。

鹿児島の家へ訪れるシーンの別バージョン(台詞が本編では「俺」になっているが、予告編では「俺ね」になっている)。

丸木浜でふじ子が佇むところへ寅が近寄るシーンの別バージョン。予告編では右方からロングカットで撮影されているが、本編では左方から近づき、アップシーンとなっている。また、ふじ子が佇んでいるシーンを後方から撮影しているシーンが予告編には入っている。

あけみが寅に悩みを打ち明けるシーンの別バージョン。寅の左手の位置などが変わっている。


第25作「ハイビスカスの花」では飛行機嫌いとなっているが、本作では東亜国内航空でふじ子と鹿児島へ訪れるほか、ラストシーンでポンシュウに「よし決めた。飛行機に切り替えよう」と飛行機が苦手とは思われない台詞となっている。

本作から、とらや向かい「江戸家」の店頭のおばさんが交代する。

1996年8月9日放送の『金曜ロードショー』では渥美清の訃報を受け、『金曜特別ロードショー 渥美清さん追悼企画』として本作が急遽放映された。このため、本来放送予定だった『スタンド・バイ・ミー』は同年8月23日に差し替えられ、23日に予定されていた『火垂るの墓』の放送は翌年に延期された。

挿入曲

里の秋

使用されたクラシック音楽

ジョアキーノ・ロッシーニ作曲:『ウィリアム・テル序曲』から「第3部 静寂」「第4部 - スイス軍隊の行進」「第3部 静寂」?夢のシーン

ピョートル・チャイコフスキー作曲:『交響曲第6番ロ短調 作品74』から第1楽章?夢のシーン

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲:『オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K.370 (368b)』から第3楽章?健吉が訪れる喫茶店で流れる。


出演

車寅次郎 -
渥美清

諏訪さくら - 倍賞千恵子

車竜造(おいちゃん) - 下條正巳

車つね(おばちゃん) - 三崎千恵子

諏訪博 - 前田吟

桂梅太郎(タコ社長) - 太宰久雄

源公 - 佐藤蛾次郎

諏訪満男 - 吉岡秀隆

静子 - 津島恵子:健吉の姉。鹿児島県枕崎にある健吉の実家に住む。

和代 - 風見章子 ふじ子の母。

ポンシュウ - 関敬六

タクシーの運転手 - 桜井センリ:鹿児島枕崎の南映タクシー

バイクの男 - アパッチ・けん

部長 - 津嘉山正種:スタンダード証券日本橋本社。

芦田友秀

会議の外国人 - ディビー・スミス:スタンダード証券日本橋本社。

受付嬢 - マキノ佐代子:スタンダード証券日本橋本社。

同 - 伊東さゆり:スタンダード証券日本橋本社。

同 - 岩渕菜穂:スタンダード証券日本橋本社。

ウエイトレス - 川井みどり:健吉が立ち寄る喫茶店。

鰻温泉の仲居 - 谷よしの:ふじ子が泊まる旅館「かどや」

戸川美子

証券マン - 加藤潤:スタンダード証券日本橋本社。

印刷工・中村 - 笠井一彦

あけみ - 美保純

富永健吉 - 米倉斉加年 スタンダード証券日本橋本社の課長。茨城県牛久沼に一戸建てを購入。寅さんと上野の焼鳥「まるき」で知り合う。

御前様 - 笠智衆

進介 - 辰巳柳太郎 :枕崎に住む健吉の父。薩摩琵琶が得意。

富永ふじ子 - 大原麗子:証券マン・健吉の妻。息子・隆。

備後屋 - 露木幸次(ノンクレジット)

スタッフ

監督・原作:
山田洋次

脚本:山田洋次、朝間義隆

製作:島津清、中川滋弘

音楽:山本直純

ロケ地

鹿児島県日置市さつま湖伊作駅)、南さつま市(丸木浜、加世田武田上鴻巣武家屋敷)、指宿市鰻温泉鰻池)、鹿児島市(島津別邸仙厳園桜島)、霧島市鹿児島空港)、JR指宿枕崎線鹿児島市電

東京都台東区(ガード下・居酒屋まるき)、中央区(スタンダード証券、呉服橋交差点

神奈川県横浜市戸塚区東戸塚駅土浦駅として撮影)

茨城県つくば市筑波山神社、、森の里団地、茎崎橋)、龍ケ崎市牛久沼

佐藤2019、pp.636、及び公式HPより
記録

観客動員:144万8000人
[6]

配給収入:12億7000万円[1](10億5000万円[6]とも)

受賞歴

第3回
ゴールデングロス賞優秀銀賞、マネーメイキングスター賞

併映作品

ねずみ小僧怪盗伝』: 野村芳太郎監督

参考文献

佐藤利明『みんなの寅さん』(アルファベータブックス、2019)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ ふじ子と同宿しない理由として「旅先で妙な噂が立っちゃ、課長さんに申し訳ないと思いまして」と言いつつ、「俺はきったねえ男です」とこの時点で既に自分の “醜い” 気持ちに気付いている。
^ このあたりの寅次郎の心情は、『無法松の一生』をモチーフにしている[2]
^ 第42作『ぼくの伯父さん』で寅次郎が満男を薫陶する際に、「博がいつか俺にこう言ってくれたぞ」とこの言葉(と同趣旨の言葉)が引用されている。
^ 旅先の旅館でも、富永の思い出の地を歩いて「今まで気付かなかった主人の心のうんと奥の方、覗いたような気がしたの」とふじ子は言っていた。また、富永も同じようなコースをたどったことが劇中で示されており、この心和む美しい自然に触れる旅により、富永が人間性を回復し、仕事一辺倒ではなく家庭を顧みられる人間になったとする書物もある[3]


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