寄生性の種類では付属肢や体節が失われていたり、極端な場合はフクロムシやシタムシのように節足動物に見えない姿のものがある[7]。
甲殻類は既知最小級と最大級の現生節足動物を同時に含んだ分類群であり、体の大きさはヒメヤドリエビが全長0.09 mmから、タカアシガニの足を広げて3mまでの広い範囲にわたる[15]。 甲殻類には年齢を査定する形質がなく、脱皮した際のサイズの統計から、脱皮齢期を用いる[16][17]。 1990年から2016年までに発表された231の研究で、一般的な甲殻類における年齢査定法 甲殻類の生息環境は海を中心としている。鰓脚類は大部分が陸水産であるが、それ以外の甲殻類はほとんどが海産である。海中に於いてはプランクトン性のものから、底性、潜行性とさまざまなものが、極地や深海の熱泉を含むあらゆる環境に生息している。陸上であれだけ優勢な昆虫類が海産種をほとんど持たない理由として、往々に甲殻類が多くのニッチを占めていることが挙げられる。 淡水では鰓脚類、十脚類(エビ、カニ)など分類群は限られるが、多くの種があり、河川、湖、池から小さな水路、あるいは地下水にまでさまざまな場所に生息する。海から切り離されて淡水となった湖には、海産の群の特殊なものが出現する場合があり、海跡動物
年齢査定法
生態
陸に生息するものは更に種類が少なく、カニ類、ヤドカリ類と等脚類(ワラジムシ・ヒメフナムシ・ダンゴムシ)、端脚類(ヨコエビ)、カイアシ類と貝虫類などの少数の種が知られている。土壌生物として繁栄しており、一般に土壌中のバイオマスとしては上位を占め、しばしば優占する[15]。
殆どの甲殻類は鰓呼吸を行うため水は必須であり、陸生の甲殻類も鰓呼吸のために水分を蓄える仕組みを持つ。ワラジムシやダンゴムシは白体(偽気管)で空気呼吸が可能であり、鰓呼吸を必要としない。イソギンチャクを背負うヤドカリ
十脚類では他の動物と共生生活をするものも知られる。カニ、ヤドカリとイソギンチャク、ハゼとテッポウエビなどが有名である[20]。
人によく知られているのは遊泳性や歩行性のものだが、固着性(蔓脚類)や寄生性(ウオノエ、鰓尾類など)のものも多い。食性は肉食のものから草食、デトリタス食、雑食、寄生性まで多岐にわたる。
固着性のフジツボ
カイアシ類のノープリウス幼生
卵を背甲の下で保護するオオミジンコ
幼生は原則として先頭3対の付属肢(第1触角・第2触角・大顎)のみを持つノープリウス幼生(Nauplius)で、変態を行い、後方から徐々に体節を追加しながら成長する[4]。より発生の進んだ形で孵化するものや、成体に近い姿で生まれるものもある。繁殖時には卵が孵化するまでメスの育児嚢や腹肢等に付着させるものが多い。また孵化後もしばらく親が保護する習性を持つものが等脚類などに知られている。カリブ海では真社会性のテッポウエビが発見されている(以上、朝倉(2003)等から)。
化石P-T境界の貝虫類の化石[21]