田村隆一
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1963年、『言葉のない世界』で高村光太郎賞を受賞する。1967年から翌年にかけては、アメリカのアイオワ州立大学に客員詩人として招かれた。その後、1971年にも谷川俊太郎らと渡米し、詩の朗読を行った。同年、英訳詩集『World Without Words』出版(Takako Uchino Lento訳)。1978年、『詩集1946?76』(最初の全詩集)によって第5回無限賞を受賞する。1985年、『奴隷の歓び』で読売文学賞を受賞する。1993年、『ハミングバード』で現代詩人賞を受賞する。

軽妙なエッセイも得意とし、『ぼくの遊覧船』『青いライオンと金色のウイスキー』ほかの著書がある。雑誌『面白半分』で、1979年7月号?12月号の編集長だった。

晩年は萩原朔太郎賞の選考委員を務め、テレビ番組への出演も行うなど、旺盛な活動ぶりを見せた。「おじいちゃんにも、セックスを。」というコピー(制作は前田知巳)が打たれた宝島社の広告にモデルとして登場し、大きなインパクトを与えた。

1998年8月26日、食道癌のため死去。享年75。亡くなる当日、最後に冷や酒を1合飲んで「うまい」と喜び、数時間後に眠るように逝去した[3]。最後の詩集は朝日新聞社から死後に刊行された『帰ってきた旅人』である。戒名は泰樹院想風日隆居士[4]
人物

吉本隆明は「日本でプロフェッショナルだと言える詩人が三人いる。それは田村隆一、谷川俊太郎吉増剛造だ」と評している。

最初の妻は鮎川信夫の妹[5]。2度目の妻は福島正実の従姉妹[6]岸田衿子は3度目の妻[7]。4度目の妻和子は彫刻家高田博厚の娘で、北村太郎との関係[8]ねじめ正一の小説『荒地の恋』のモデルとなり[9]、2016年WOWOWでテレビドラマ化された[10]。最後の妻は田村悦子[11]

作品
詩集

『詩集 四千の日と夜 1945 - 1955』(
東京創元社) 1956

『言葉のない世界』(昭森社) 1962 - 高村光太郎賞受賞

『田村隆一詩集』第1 - 3(思潮社) 1966

『緑の思想』(思潮社) 1967

『新年の手紙』(青土社) 1973

『死語』(河出書房新社) 1976

『誤解』(集英社) 1978

『水半球』(書肆山田) 1980

『スコットランドの水車小屋』(青土社) 1982

『5分前』(中央公論社) 1982

『陽気な世紀末』(河出書房新社) 1983

『空気遠近法』(奈良原一高写真、東京現代版画工房) 1983

『奴隷の歓び』(河出書房新社) 1984 - 読売文学賞受賞

『ワインレッドの夏至』(集英社) 1985

『毒杯』(河出書房新社) 1986

『生きる歓び』(集英社) 1988

『新世界より』(集英社) 1990

『ぼくの航海日誌』(中央公論社) 1991

『Torso』(求竜堂) 1992

『ハミングバード』(青土社) 1992 - 現代詩人賞受賞

『灰色のノート』(集英社) 1993

『狐の手袋』(新潮社) 1995

『花の町』(荒木経惟写真、河出書房新社) 1996

ロートレックストーリー』(講談社) 1997

『詩集 1999』(集英社) 1998

『帰ってきた旅人』(朝日新聞社) 1998

小説

『ノラの再婚』(
ティビーエス・ブリタニカ) 1979

『金貨』(ティビーエス・ブリタニカ) 1979

エッセイなど

『若い荒地』(思潮社) 1968、のち
講談社文芸文庫

『青い廃墟にて 対話集』(毎日新聞社) 1973

『泉を求めて 対話集』(毎日新聞社) 1974

『ぼくの遊覧船』(文藝春秋) 1975

『青いライオンと金色のウイスキー』(筑摩書房) 1975

『インド酔夢行』(日本交通公社出版事業局) 1976、のち集英社文庫、講談社文芸文庫

『詩人のノート 1974・10・4 - 1975・10・3』(朝日新聞社) 1976、のち朝日選書、講談社文芸文庫

『ぼくの交響楽』(文藝春秋) 1976

『あたかも風のごとく 対談集』(風濤社) 1976

『書斎の死体』(河出書房新社) 1978

『砂上の会話 対談集』(実業之日本社) 1978

『ジャスト・イエスタディー』(小沢書店) 1978

『鳥と人間と植物たち 詩人の日記』(主婦の友社) 1979、のち徳間文庫

『ウィスキー讃歌 生命の水を求めて』(佐伯泰英写真、平凡社カラー新書) 1979

『性的経験』(潮出版社) 1980、のち改題『ぼくの性的経験』徳間文庫

『ぼくの憂き世風呂』(集英社) 1980、のち文庫

半七捕物帳を歩く ぼくの東京遊覧』(双葉社) 1980、のち朝日文庫、他に『ぼくの東京』(徳間文庫)

『ぼくの中の都市』(出帆新社) 1980

『もっと詩的に生きてみないか きみと話がしたいのだ』(PHP研究所) 1981

『詩人の旅』(PHP研究所) 1981、のち中公文庫、のち増補版

『小鳥が笑った 田村隆一vs池田満寿夫』(かまくら春秋社) 1981

『ボトルの方へ 酒神讃歌』(河出文庫) 1982

『酒飲みちょっと気になる話』(立風書房) 1983

『小さな島からの手紙』(集英社文庫) 1983

『田村隆一ミステリーの料理事典 探偵小説を楽しむガイドブック』(三省堂) 1984

『ぼくが愛した路地』(かまくら春秋社) 1985

『土人の唄』(青土社) 1986

『ぼくのピクニック 1981.7 - 1988.3 Note book』(朝日新聞社) 1988、のち文庫

『ぼくの東京』(徳間書店) 1988、のち文庫

『町の音・町の人 対談エッセイ』(作品社) 1989

ダンディズムについての個人的意見』(メディアファクトリー) 1990

『ぼくの草競馬』(集英社文庫) 1990

『殺人は面白い』(徳間書店) 1991、のち文庫

『20世紀詩人の日曜日』(マガジンハウス) 1992

『退屈無想庵』(新潮社) 1993

『すばらしい新世界』(新潮社) 1996

『詩人からの伝言』(メディアファクトリー) 1996

『スコッチと銭湯』(角川春樹事務所) 1998

『女神礼讃 - ぼくの女性革命』(廣済堂出版) 1998

『ぼくの人生案内』(小学館) 1998、のち光文社知恵の森文庫

『ぼくのミステリ・マップ 推理評論・エッセイ集成』(中公文庫) 2023

翻訳

『おはようワレン先生』(ローラ・アードマン、秋元書房) 1958

『二日酔よこんにちは』(ハッソルト・ディヴィス、
荒地出版社) 1960

『屠所の羊』(A・A・フェア早川書房) 1961

』(クロフツ角川文庫) 1962

『あるスパイの墓碑銘』(エリック・アンブラー筑摩書房) 1970

『Do it! 革命のシナリオ』(ジェリー・ルービン、岩本隼共訳、都市出版社) 1971

『小羊のぼうけん』(ビル・ピート、岩波書店、大型絵本) 1974

『カニのふしぎなおくりもの』(ビル・ピート、岩波書店、大型絵本) 1975

『わが酒の讃歌 文学・音楽・そしてワインの旅』(コリン・ウイルソン、徳間書店) 1975、のち文庫

我が秘密の生涯』(学芸書林) 1975、のち富士見ロマン文庫、のち河出文庫


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